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ペルーちゃんぷるー
日系ペルー人と私のちゃんぷるな毎日を書いています。
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祖母の思い出[2006年10月14日(土)]
私の祖母がよく言っていた。「お金がないのはタマがないのと同じ」だと。
人のすべては、お金ではないけれど、お金がないと生活ができないのも事実。

祖母は、小さい頃から体が弱かった。
一人娘を溺愛していた母親は、女学校へ人力車で通わせていたくらいだ。
蚕成金のところに嫁に行ったのが、20歳のとき。豪農のところへ養子に入った彼は、持ち前のビジネスセンスのおかげか、蚕御大尽として若いのに成功した男だった。
田舎育ちだけれど、娘かわいさに乳母日傘で母親が守ってきたので、祖母はなにもせず文学少女として、澄ましていればよかった。

別に好きとか、きらいとか、そんなのではなくて、望まれたから結婚したのだった。
豪勢な結婚式を挙げたあと、新婚旅行に旅立って、祖母はどんな男と結婚したのか、現実を知るようになる。
本来ならば、蜜月の最初の夜だというのに、成金男は、宿泊先で芸者をあげての大騒ぎ。
左妻の姐さんたちと踊る亭主を見ることになる。

そんな2人が上手くいくはずはない。
無教養な夫は、名誉も賞賛もお金で買おうとする。
そのお金を湯水のように使う祖母は、きれいに着飾ってはいたけれど、夫に愛情を感じることがなかった。

やがて戦争がはじまり、成金夫は、またもやビジネスチャンスをものにする。
大儲けをした彼は、ますます御大尽になっていく。
そんな暮らしが、終戦後も続いていたのだった。

ところが、人生のほころびというのは、どこから始まっているのかわからないものだ。
自分の右腕と信じきっていた男が、謀反を起こし、手ひどい裏切りにあった。
さらに、家で世話していた書生が、脱税をしていた証拠書類を全部税務署に持ち込んだのだ。
昨日までの御大尽は、今日の乞食になりはてる。
悪いことは重なるもので、祖母の母親が、脳溢血になって寝たきりになった。
お手当ての途切れた愛人が、子ども2人を本宅に連れてきて失踪。
現実を受け入れられない、成金夫は、酒におぼれて体を壊し、中気を起こして呆けてしまったのだ。

お金になるものは、みんな持っていかれた。
正真正銘一文無し。
祖母の家の便器は、九谷焼の特注だったが、さすがにそれは誰ももっていかなかったらしい。
残ったのは、借金だけだ。

愛人の子ども2人
よいよいの年寄り2人
借金
親が決めたいいなずけを無視し、関東に恋人と逃げたまま行方知らずの長男

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