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就労支援で農業に特化・葡萄と梨の魅力にとりつかれて B 〜農福連携20年史〜 [2019年07月19日(Fri)]
2.通所授産施設で稲作に取り組む
本日、今年度の「あわらベルジェ観光ブドウ園」が開園した。ブドウを栽培して8年目、こんな形で進めることができたのは福井県坂井農林総合事務所、あわら市農林水産課のご支援(設備や栽培支援等)の賜物で、全くの素人がブドウの栽培を始めたものだから地域の方もうまくいくのか心配の様子でした。でも皆さんのお陰でここまで育てて頂いたことに感謝をしたい。
就労継続支援B型事業で農業、工賃向上を目標に標準をあてた事業に特化して、ナシ・ブドウ栽培に取り組んできた。特化は集中することで、農業で如何に工賃を向上させるかを考え、よく「ブドウは一房が500円から1000円するので、房がおカネに見えます。また、畑の白ネギは一本50円で、収穫する時は50円を集めていると思っています」と話をすると皆さんが笑う。でもそれ程思わないと農業で収益を上げられることが難しい。
工賃向上が就労継続支援B型事業にあるからこそ、農業で頑張れると思っている。今があるのは工賃向上を目標とできたからこそ、必死で販売に取り組める。農業は作物をうまく栽培できても売れないと収益にならい。工賃向上があるからこそ、ここまでがんばれた。また、これらもがんばれる。

1) コメ作りに取り組む
平成10年より農家の稲作設備を活用して米つくりを開始した。前任の農業のわかる責任者が退職することになり、当時勤務していた職場で農業の経験があるのが私しかいなかったので、私が担当することになった。スタッフは2名で、初めは1.5haスタートしたが、米の病害虫の対策を忘れて、反収5票しかとれないこともあった。
山間地でコメ作りをしていたこともあり、平地での米つくりはあまり苦にはならなかった。それが福祉工場、農業生産法人と事業拡大継承して、60ha程の耕作面積になるとは誰も思わなかった。
こんなことを言うと叱られるかも知れないが、毎日、おいしいコメを作りたいと汗をながしているが、思うようにいかないこともある。でも食べてみると美味しいコメになっている。大地(田)と水(谷川)に感謝したい。

2) 栽培農法について
その当時は、EM菌、自然菌をつかった農法や刈り取った稲の乾燥を天日干しで当時は
やっていました。今は米・籾の乾燥も遠赤外線等の乾燥もできるようになり、環境に優しいコメ作りをできるようになってきた。今、自分の家でのコメつくりをしているが、環境に優しい方法を取り入れている。
 環境に優しい農業は私たちが一大切にしていることであり、農法もさることながらゴミ、資材の処理、草刈等と畑の野菜、果樹が育ちやすい環境を大切にしたいと思っています。栽培する作物の気持ちになって、収益があがる農業にしたいとおもっています。

3) 農業に向き合う。GAPの取得
 通所授産事業で農業をやっていた時、安全管理の不足でメンバーが事故にあることがあった。ピアファームを創業した際に、安全、事故防止を最優先に取り組んできました。そのため、大きな事故なく今まできています。事故は必ず起きる、事故防止、事故が起きた時の対処法も想定しています。GAPは私たちが農業に取り組むにあたっての優先すべき課題であり、収益よりも最優先すべきテーマです。

DSC_0063.jpg
 7月19日 あわらベルジェ観光ブドウ園開園です。
NPO法人益田自立支援支援センター 豊田理事長様 [2019年07月13日(Sat)]
NPO法人益田自立支援センター
 理事長 豊田 浩 様

 7月10日の視察は参考になりましたか、色々大変ですが頑張るのみです。事業を開始して5年目ですか、今が一番の踏ん張りところですね。理事長になると人に言えないこともあり、中小企業の社長です。資金繰り、人の手配、利用者の確保等、孤独で大変です。でも耐えないとだめですね。
 でも、疲れたり、逃げ出したいときもありますね。無理をせずにコツコツです。事業は動き出したら、止めないことですが、うまくいかないこともあります。
 NPO法人の事業報告を拝見しました。農福連携でよくやっていますよ。お互いに頑張りましょう!!下記の文は明日視察予定の皆さんに配布させて頂くレジメです。

〇…………〇〇…………〇〇…………〇〇…………〇〇…………〇〇…………〇
19.07.14「奥三河で障がい児者が安心して過ごせる居場所を作る会」視察資料
テーマ
農福連携で地域を耕し育み、誰もが住みよい街をつくる
1.障がい者福祉で農業をする意味
 1)田村一二さんの「茗荷村」、障がいのある人たちが主人公になることをめざす
2)農業は誰でもかかわりができる、主役になれる、でも簡単に主人公にはなれない
3)農業の辛さを幼い時から体験、楽ではない農業、儲けることで地域を耕し振興する
4) NPO法人で儲けて設備の減価償却ができること、社会福祉法人よりはNPO法人
5)果樹との出会いが自立につながる、皆が仕事に従事できる

2.これまでを振りかえると
 1)自分の納得のいく福祉、農業実践ができる
2)農業と福祉を同時に進行することで、今までにない就労支援事業をつくる
3)こだわりのないない農業をやりたい〜EM菌、自然農法、〇〇農法などを体験して
4)環境と人に優しい農業をめざす〜コメ、野菜等の農業から果樹栽培へ
5)取り組みはすべてシンプルに!!

3.構想3年、準備5年 通所授産、福祉工場の実践で構想
 1)元々は障がいの重い人たちが得意でした
 2)前職場で構想と準備をしたが誰も引き継ぐ人がいないので、独立分社
 3)分社当初はうまくいかないと思われていた。でも!!
 4)こだわりのない農業だから継続できた、継続は力なり
 5)地域、農林総合事務所が応援してくれた

4.儲ける、稼ぐ、工賃を上げること
1)当初より、メンバーの高い工賃を出すことを目標とした
2)農業、福祉、販売で妥協はしない
3)初めに事業を確立していく、働くための事業が大切
4)でも、初めに一緒に仲間になってくれる方を確保する
5メンバー、スタッフが力になる、でも責任者として孤独な闘い、自分で自分を褒める

5.事業経営者としての静かなる闘志、そして投資
1)植えたら育てること、植えるよりも育てることが大変
2)メンバーの出勤率をあげること、ピアファーム92%、産直市場ピアファーム73%
3)安全、事故インシデント防止には最優先する、そのために朝礼暮改
Posted by ピアファーム at 17:30 | 私の想い | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
就労支援で農業に特化、葡萄と梨の魅力にとりつかれて A 〜農福連携20史〜 [2019年07月04日(Thu)]
就労支援で農業に特化・葡萄と梨の魅力にとりつかれて 〜農福連携20年史〜

1.はじめに
 時々、B型事業、A型事業を立ち上げたいと相談がありますが、障がい者就労支援に情熱と信念をもって事業を立ち上げる気持ちがない、経営力がいつも問われますと話をすると不満な顔をして帰っていきます。就労支援は障がい者の可能性を追求すること、物や人を活かす能力がない人は事業に手を出すべきではないと思っています。新聞をにぎわしているA型事業の破綻。福井県内にはA型事業所68ヶ所、B型事業所が88ヶ所ありますが、本当にこれだけの事業所の社会的ニーズがあるのか、やはり税金の無駄使い、どこかがおかしい。
 農業に特化した就労継続支援B型事業に取り組んで12年目ですが、近年「農福連携」がとても注目を浴びて、光栄にも平成30年度の農業白書にも取り上げて頂きました。
 私はこの事業を始める前は、知的障害者福祉工場で、事業開拓の業務を担当していました。これまで部品加工の下請けが福祉工場の主な職種でしたが納期に追われること、折角補助金を活用して入れた設備機器も加工が変わることで使えなくなることの限界を感じていました。新規事業開拓で農業、ナシ園の栽培を企画提案して始めたところ、思ったより好調で販売収益が上がったことや売り方で収益の上がり方の差が出ることが分かり、目からウロコで懸命に取り組みました。
 そんなこんなで今の事業に結びついていますが、いつも農園で作業しながらこれから何が必要か、これまでの取組を振り返りながら次のステップを考えたいとの思いを昨年から思っていました。
 ピアファームの経営理念は「働くこと、学ぶこと、かかわることを大切にしていきます」で障がい者福祉・就労支援の思いを表しました。「地域の人たちと共に農業の振興、活性化を図ります」は農業に特化することの宣言です。「良質で安全安心な商品(ナシ、ブドウ、野菜等)つくりをめざします」は環境に優しい農業から良質で安全は農産物を栽培することを目標にすることです。「働くことで収入が増え生きがいと働きがいのある職場にします」は障がいのある人たちの所得保障で、工賃給与の向上をめざすことを事業のテーゼとしてきました。そして、事業スローガンは「@さりげなく あたりまえに はたらく A開墾と挑戦・エバーオンワード(たゆまざる前進)B感謝と誠意、そして謙虚に向き合う」として私たちが実践する方向性を出しました。
 この場をお借りして、これまでの実践を振り返りながら、これまで耕し育んできたことを明らかにすることで、次のステップにしたいと思います。「2.通所授産施設で稲作に取り組む3.福祉工場で本格的な農業そして農業生産法人へ 4.ピアファームを立ちあげる 5.法人を立上げて分かったこと 6.ブドウに取り組む 7.次の時代へ」の項目で振り返ります。 

2.その前に
 1)昭和50年代には多くの障がい福祉施設で農業が取り組まれでいました。
 昭和53年に知的障がい者入所施設に勤務しましたが、当時はほとんどの福祉施設で農業が取り組まれていました。施設の周りに農地がたくさんあり、生活日課に畑で野菜やスイカ、メロンを作って、収益よりは、園芸療法、生活日課で体を動かす作業として取り入られていたようです。
 県内の大規模施設の授産棟では、稲作や野菜等の栽培、加工の大きな設備が導入されて、トラクターやビニールハウス等規模には小規模な福祉施設では真似できないもので、羨ましいと思ったものです。働く場の就労支援事業(通所授産施設等)が昭和50年代より増えてくると、授産工賃の稼げる委託加工等の導入が多くなり、これまで取り組んでいた農業も少しずつ授産科目から消えていきましいました。
 中国や東南アジアでの委託加工等、工場移転の前の段階でしたので、電子部品加工等、色々な部品加工、組み立ての仕事は増えていき、通所授産施設が工場化してきました。その当時、勤務していた授産施設でメンバーの工賃が1ヶ月7万、8万円あり、納期に間に合わせるために必死になっていた記憶もあります。
そうした事業が中国等に工場を移すようになり委託加工の事業は減り、就労支援の職種少しずつ変化してパン等の加工販売が多くなり、お菓子、ケーキ等の製造加工販売に結びついているようです。こうした変遷のなかで、福祉施設で農業から離れて行く事業所が多くありました。そのなかでも農業を創業以来から取り組んできた事業所が今、とても注目されているようです。私は障がい者福祉に関わった40年を振りえると、障がい者の就労支援事業の内容も経済状況や地域的格差で随分変わってきたように感じています。今後、人口減少、地域格差、産業の空洞化等が進んできますが、それを就労支援事業と組み合わせていくことが今、一番必要な事なのかも知れません。

2)農福連携を進めるために
@就労支援事業所が単独で農業で収益を上げるのは難しい
 就労支援事業所が農業で野菜を栽培や販売をしても、収益につなげることが殆ど難しいと思われます。イオン等の大企業の関連で野菜づくりを始めたところは今も継続が出来ていますが、ピアファームの農場近くで県の補助金を受けて大規模で野菜等の栽培と加工をしていた農業生産法人の幾つかは倒産しました。

A福井県での農福連携推進は新たな形で進められるのではないか
 集落営農等の稲作が大規模に進められ個人農家の減少、メガファーム等の100ha規模の営農組織が農政として進められる一方で、中山間地域の耕作放棄地の増大、農業人口の高齢化、担い手不足が深刻になっている。また、福井県は園芸がとても弱く、スーパーマーケットなどで販売されている福井県内産の園芸農産物が少ない
 農福連携はどうしても人手の課題であり、園芸振興が伸びていくと農福連携推進していくように感じています。障がい者が農業で働くことを「知られていない」「踏みだしにくい」「ひろがっていない」現状を行政側等がどのように打開する政策提言ができるかに依拠しいているようにも感じます。早い、遅いことを気にすることなく、福井県の農業に障がい者等の就労支援事業をどのように活かしていけるか、就労支援事業関係者は工賃向上、職種の拡大等を農業でどのようにしていくか、5年、10年を見据えていく議論と施策を進めていく必要があります。
 福井県内のA型事業所68ヶ所、B型事業所88ヶ所が有機的に機能していく方策を京都府のノウフク推進策を参考にしていくことも必要です。