平和構築におけるコミュニティ・メディアの役割 Vol.2 [2011年04月22日(Fri)]
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Q:メディアの平和構築者として、あなたは何にチャレンジしていますか?
M:私たちにとっての大問題は、私たちの感情です。 タイ人は感傷的なので筋道だった平和対話を進めることが難しいのです。偏見が表に出ないように細心の注意を払います。そこで、みんなの関心があることを話す草の根の集まりをもつようにします。問題になっていることがとても単純なこともよくあります。例えば、仏教徒はこの地域の多数派であるイスラム教徒が権力をとると、イスラム教でのタブーである豚肉を食べることが禁止されてしまうのではないかと心配していました。しかし草の根の会合に出て、イスラム教徒は禁止を求めてはいないので、自分たちの疑いに根拠がなかったことを知ったのです。 自治というテーマのように問題が政治的に微妙な場合、同じ民族集団に属する小グループでの議論から始めます。人びとの気持ちを尊重しなければならないからです。他の民族集団と一緒に話すのは、次の段階です。もう一つ私たちが挑戦しなければならないのは、上から平和を求める圧力です。資金提供機関や政策立案者が平和を指図してはならないのです。人びとが望まないかぎり、持続的な平和は達成できません。現場の人びとが支持できず時間の浪費になることさえあるような課題を平和プロセスに持ち込んでくる海外の資金提供団体がいるのです。学術的な調査は普通の人びとが話していることに客観性を与えるものだということを、ふつうの人たちに学習・理解してもらうことも、私たちの直面している問題です。私たちのメディアは情報を提供しているだけではありません。人びとに知識をもたらし、非暴力に基づく新しい考えと構想を共に作りあげていくことを、私たちは望んでいます。多様な意見を尊重することは信頼を作りだすので生産的であることも、人びとに理解してもらいたいことです。権力者たちはこれまで宗教間の対話を行なってこなかったので、私たちの目標は簡単なものではありません。だからこそ、私たちの平和プロセスは長い道のりと多くの実践を必要としているのです。 Q:組織の構造と編集システムを教えてください。 M:私たちのストーリーは状況から作られます。事件が起きた時、私たちのレポートと分析はその事件を全てカバーします。それから外部の様々な人々に執筆を依頼します。三人の常勤スタッフを雇用しています。 研究者や記者、プログラマーなどはボランティアです。私自身もボランティアです。バンコクにも事務所があり、情報提供で大事な役割を果たしています。私の目標は、いろいろな民族集団に属するメディア組織や記者のネットワークをつくることです。そうなれば、ディープ・サウス・ウォッチはタイ南部に平和をもたらすための多様な情報と考え方を示すことのできるメディアとなり、平和構築における重要な活動体となるでしょう。 ソラヤ・ジャムジュリーさんへのインタビュー Q:どんなお仕事をしているのですか。 ソラヤさん(以下、S):タイ南部の紛争は主流メディアでは死者数のみ報道されます。しかしバンコクのジャーナリストが人びと、とくに暴力に直面し続け苦しんでいる女性たちの声や表情を記録することはめったにありません。私のラジオ番組は、このギャップを埋めています。この番組はディープ・サウス・ウォッチのウェブサイトとリンクされていて、紛争下にある女性たちの声を伝えています。番組を制作するために、地域に住む女性たちにどうすれば平和をもたらすことができるかを考えるためのトレーニングをしなければなりません。スタッフはボランティアで、働く時間はパートタイムです。畑などで働き、ラジオ局で仕事をした後は家族の世話をする普通の女性たちです。その日取り上げる問題、例えば暴力が勃発した時の女性たちの安全保障について議論した後、みんなはマイクロホンを手にして、そのテーマについて女性たちの意見を集めてきます。 Q:何が達成できましたか? S:このラジオ放送は、安全を脅かされている女性たちの間で人気があります。私たちのメディアは女性たちが自分で身を守るためにつながり始めることをめざして、恥ずかしがりやで口数の少ない女性たちの声を記録してきました。このようなネットワークができたのは初めてのことです。人びとの安全保障を育てることは平和構築の重要な一部です。良インタビューアー:地域メディア組織がどういう形で平和に貢献しているかを教えて下さったお二人に感謝します。 (翻訳:越田清和) |





