自動車を運転する時に、聴力は必要ですか?
どんな時に必要ですか?
こう聞かれて即答できますか。
実は、日本の運転免許制度では、聴覚障害があると免許が取得できないそうです。
この話しをすると、たいていの人が驚きますよね。
山田も少し前までは、聴覚障害によって運転免許が取得できないなんて知りませんでした。
本日の午後、財団ビルで運転免許と聴覚障害に関するシンポジウムが開催され、山田も参加して、いろいろ話しを聞いてきました。約200名の方が参加されていました。
内容を、かな〜り手短にまとめてみましたので、ぜひご一読ください。
公開シンポジウム
運転に聴力は必要ですか?!
〜欠格条項見直しと運転免許〜」
今年4月に警察庁から、ワイドミラー装着などを条件に、聞こえない人の普通免許取得を認める方針との報道発表がありました。免許制度は今後どうなるか、正確な情報をもとに討論し、障害当事者の思いや望むもの、課題を明確にしようと、このシンポジウムを開催します。
主催3団体は昨年度に「聴覚障害者と運転免許」アンケート調査を行いました。1475人が回答された調査結果も報告します。
報告・説明
・「聴覚障害者と運転免許」アンケート結果から
臼井久実子(なくす会事務局長)
・警察庁委託調査研究結果等について
園田 清(警察庁交通局運転免許課課長補佐)
シンポジウムと会場とのディスカッション
シンポジスト
・運転50年 ろう者として発言し続けて 黒崎信幸(前全日ろう連副理事長)
・難聴者・中途失聴者の立場から 清成幸仁(全難聴理事)
・欠格条項見直し−政府の取組から 高倉恵子(内閣府参事官補佐・障害者企画担当)
・弁護士として相談をうけて 田門 浩(弁護士)
コーディネーター
松本晶行(全日ろう連副理事長)
主催:
財団法人全日本ろうあ連盟(略称 全日ろう連)
社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会(略称 全難聴)
障害者欠格条項をなくす会(略称 なくす会)
協賛:日本財団
以下、山田がシンポジウムで聞いて、気になった部分をまとめたものです。
歴史の部分
・1954年、運転免許取得に関して、「道路交通取締法施行令」で、「つんぼ」「おし」を欠格条項に。
・1960年、「道路交通法」制定、88条で、「耳が聞こえない者または口がきけない者」に免許を与えない。(聴力に関する適性検査に合格しないと、免許が取得できない)
・1973年の警察庁通達、1975年の「道路交通法施行規則」改正で、補聴器をつけて適性検査を受けることが可能になった。「10m離れて90デシベルのクラクション音を聞く適性検査で、補聴器使用を認める。」
・これによって、運転免許を取得する聴覚障害者が急増した。
・1997年、政府が障害者に係る欠格条項を見直し、63制度を整理。そのうちの一つに免許取得の聴覚の欠格条項も含まれる。
・2001年、道交法88条の欠格条項は削除されたが、施行規則の聴力の適性検査はそのまま。
まとめると・・・
・聴覚障害のある方や難聴の方は、補聴器をつけて聴力の適性検査を受けて合格しないと運転免許が出来ない。運転する際も、補聴器をつけないといけない。
・しかし、主催3団体が実施したアンケートによれば、「視認や操作ができ、運転に必要な注意力、判断力があれば、聴力に関係なく安全に運転できる」。
・会場では、実際に耳が聞こえなくても長年無事故で運転されている聴覚障害者の方が体験談を話されていました。
・試験場によって、適性検査の判定が結構微妙らしいです。
・運転免許を取得できないことによって、就職などで不利をうけることがある。
・免許を取得しても、耳が聞こえないことで、いろいろ心配されることがある。
・実際に、運転に聴力が必要か疑問がある。例えば、現在の車は機密性があったり、音楽を流していたりして、外の音(サイレンやクラクションなど)がもともと聞こえにくい。それでも、健常者は普通に運転している。耳が聞こえないから危ないという発想は疑問。
・2006年4月、警察庁が運転免許が取得できない重度聴覚障害者にも普通免許を認める方針を決めた。但し、ワイドミラーの装着や聴覚障害者の運転車両であることを示すマークの表示義務などの条件を検討する。
・制度の変更は早くても2年後(2008年度)。
・自動車の運転に聴力が必要かどうか疑問がある中で、ワイドミラーや表示マークの義務化は本当に必要があるのか。必要と思う人だけがつければいいのでは。
本当に手短にまとめてみたので足らない部分がありますが、聴覚障害と運転免許の関係について知っていただく機会になったと思います。
各団体のホームページ等でシンポジウムの内容の詳細がのちほど掲載されることと思いますので、またあらためてご紹介します。
Shop人にやさしく 山田
日本財団の先輩でもある山田さんのブログ「Shop人にやさしく」の記事「運転に聴力は必要ですか?!」を読んで、す... [Read More]