困難な時を生きるすべての人たちに
精神科病院での稀有な芸術活動の記録
精神科病院の中にある造形教室。このアトリエには様々な困難を抱えながら生きている人たちがやって来る。アトリエを主宰する安彦講平さんは、彼らに寄り添って40年、共に在る、かけがえのない創作の場を作りだしてきた。カメラは、彼らとの10年以上にわたる交流を経て、現代に稀にみる”魂の営みの場”を捉えた。
”病んでいる”と言われている人たちの描き出す作品群は、現代社会が見失ってしまったもの、私たちにとってかけがえのないものをくっきりと浮かび上がらせています。この映画は、彼からの作品群と彼ら自身の生き方を通して”病む”とは何か、”表現”とは何か、そして”生きる”とは何かを静かに問いかけます。
アトリエでの創作活動にスポットをあてながら、その創作活動のもとになっている、ここに通う作家の生活を映し出し、あるいはかつての精神科病院での入院生活や闘病生活に関するインタビューを行い、作家たちの創作活動と生き方を描き出しています。
何人かの方が中心となって描かれていますが、その作品は絵画あり、コラージュあり、パフォーマンスありで、またテーマも各人各様です。そして、そのバックグランドや生活も人それぞれです。
その創作活動の源として、ある人は自らの精神障害の自己カウンセリング、あるいは趣味として、あるいは自らの存在を確かめるために、あるいは仲間への思いを伝えるために、と、様々な理由から創作活動を行っています。
そんな中でこの映画は何を伝えようとしているのでしょうか。
非常に考えさせる映画です。
この映画を見る前に、ICCの「ライト・[イン]サイト」展、東京オペラシティギャラリーでの「蜷川実花」展と立て続けに見てきました。
アートとか、表現とか、多種多様です。
「ライト・[イン]サイト」展は光をどう表現するかというかなりコンセプチュアルな企画展でした。
「蜷川実花」展は、生命そのものきらめきを表現するような作品でした。
そして、この映画で紹介されている作品は、作家の生き方の一部を”表現活動”で具現化している作品でした。
また、福祉関係の仕事をしているせいでしょうか、アトリエの表現活動と同じくらい、作家の人たちの日常生活に関心を持ちました。
精神障害のある人の生活のしづらさというものをあらためて知ることができました。
ぜひ機会があれば多くの方に見ていただきたい映画です。
上映情報などはこちらをご覧下さい。
http://www.geocities.jp/hahennokirameki/index.html