アール・ブリュットへの冒険の旅へ、ようこそ。
この展覧会を見た後で、異なる自分になっていることに気づく。アール・ブリュットの作品は、それほどのパワーがある。
アール・ブリュットとは何か?
アール・ブリュットの作家・作品の特徴は、
・独学で製作を行っている
・伝統文化とはかけ離れている、その影響を受けない
・美術的なルールから外れている
・それらのことによって、自由への翼を持っている
・既存の規範、慣習から離れて自由に創作
・従来の価値観を超えている
彼らの創造性はすごい。
題材・テーマ、表現方法、作っていく視点、遠近法、道具、すべてが自由。何から何まで自由。
アール・ブリュットの3つのキーワードは、「沈黙」「秘密」「孤独」。
アール・ブリュットの作品を見るときには、これを覚えていてほしい。
彼らは、社会的評価されることを考えていない。反逆的表現者。他者の目・評価とは無関係。
社会に対して何かを期待して作っているわけではない。社会の評価から無関心。
自分で自分のために作っている。誰かに頼まれているわけではない。
展示されるということを夢にも考えていない。従って、ごまかしも気取りもない。
作家は創造的な活動をしていると知らない。
アーティストであることを知らない。
どこからもサポートを受けずに創作している。
アール・ブリュットの作家は?
アウトサイダー、孤立した、社会から排除された人たちである。
精神を病んでいる人、障害者、受刑者、霊媒者、高齢者や恵まれていない社会的階層の人。
悲劇的な体験をしている。戦争や亡命、虐待、家族の死など。
心の傷を負っている人たち。
狂気や精神的に病んでいるということが、決してアール・ブリュットの要素ではない。誤解がある。
作家の狂気や、精神的に病んでいるということは、作品の評価基準とは違う。アール・ブリュット美術館の収蔵品の多くの作家がそうなのも事実だが、だからアール・ブリュットの作品というわけではない。精神病院に入院している人が作家ということであるが、そうでない人も多くいる。
存在自体、創作活動がアウトサイダーということが重要。
アール・ブリュットの作家は、独学であり、文化的影響を受けておらず、独創性、自分の作品の将来について無関心、作った後どうなるか考えていない。
ジャン・デュビュッフェによるアール・ブリュットの発掘
フランス人画家であるジャン・デュビュッフェは、プロではなく、独学の人の作品を収集した。最初は精神病院を廻って収集した。
1930〜50年代、そういった施設に入れられることは、幽閉、外の世界から隔離、断絶、孤独の中にいるということだった。
その中では、一日の半分を寝ているような人もいた。そのため、空想を膨らませ、独自の世界感を築いていった。そのような状況の中で、絵を描くのは生きるための手段だった。
精神病院に入院している人は、社会から排除された、反発している人、社会に適応できない人達だった。逆に、いかなる制約を受けない。こういった状況がアールブリュットを生み出した。
現代アート作家
現代アート作家の中で、アール・ブリュットに興味を持っている人たちがいる。
彼らは、アール・ブリュットに創作の原点を見ている。
多くのアーティストがアール・ブリュット美術館を訪れる。
アール・ブリュットと鑑賞者
アール・ブリュットは、独創的で、似通ったものがない。
アートの潮流とは無関係に存在している。
しかし、そこには普遍性がある。
作品とあなた(鑑賞者)の個別の関係を作ってほしい。
ジャン・デュビュッフェの言葉
最後にジャン・デュビュッフェの言葉で終わりにする。
『芸術とは、芸術のために用意されたベッドに横たわるものではない。名を呼べばすぐに逃げてしまう。芸術はその名を忘れられた時が芸術にとっての至福の時だ。』
続く!