2007年5月に全国の本人の会50カ所にアンケートをとり、10月には山口県、富山県、新潟県の”本人の会”を訪問し聞き取り調査を行いました。そして、その調査結果をもとに2008年3月23日は調査報告会を行い、それらをまとめたのがこの1冊です。
知的障害のある人の仕事や暮らしに関する調査はこれまでもに実施されてきましたが、当事者である”本人”たちが自ら実施し、その内容をまとめたのは日本初だそうです。
アンケート調査の分析も、当事者の立場で分析されており、わかりやすく、かつ考えさせられる内容になっています。
特に、仕事や職場でのつらいこととして、「いじめ」の問題が具体的な事例も含めて紹介されていますが、これから障害のある人の一般就労が進められていく中で非常に参考になる情報だと思います。
この調査の中では最初のきっかけとして、どのような問題があるのか現状の把握が主な目的になっていると思いますが、次はその問題にどう対応していけばよいのか、具体的には「いじめ」にあった時にどうすればよいのか、そういったことの検討へとぜひ発展していってもらいたいものです。
今回の調査のまとめとして、「さくら会」では以下のような提案をしています。
会社(仕事)と自宅(生活)に、支援者(制度、福祉サービス)が加わっても孤独(孤立)のままである。
そこに友人、仲間と出会って悩みをわかちあえば自立の一歩が始まる。
仕事や地域生活があって、それを支える制度があるだけでは本当のその人らしい人生や生活を過ごすことはできない、そこに喜びや悩みをわかちあえる友達、仲間がいてはじめて自分の人生や生活を充実させることができるということだと思います。
本人たちが「仕事」や「くらし」をしていく上でのいろいろな問題を解決していくためのヒントになりそうです。
本人活動を知る上でも、本人たちの仕事やくらしの現状を知る上でも参考になる1冊だと思いますので、機会があればぜひ購読してみてください。
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Book人にやさしく 山田泰久