これまでも、地域福祉の中で高齢者などの災害時要援護者の防災対策をどのようにすべきかなどはよく話題に上っていたと思いますが、要援護者の対象になりうる障害のある人たちの問題については、障害者団体も地域行政もあまり注目していなかったように思われます。しかし、中越地震や中越沖地震などで被災にあった方や救援にあたった人の話しなどを聞く機会が度々あり、非常に重要な問題だと思っています。
今回、障害のある方の防災について考えるフォーラムに参加して、非常に参考になりました。特に感じたのは、災害という非日常的なことだけを想定しての対策ではなく、普段の生活の中から困っている人を支える仕組みが地域の中で必要で、それがあってはじめて緊急時の支援ができるということです。
以下は、フォーラムの中で、参考になった話を中心にメモしたことです。
ご参考まで。
基調提起「防災は私たちの課題」
徳田靖之・在宅障害者支援ネットワーク代表
障害者の防災を考える時に必要なもの
1.要援護者の対策がとられていないとやさしい街づくりはできない。
2.要援護者の対策がとられていないと、防災対策ができていないのと同じ。
3.災害時だけではなく、普段から安心して暮らせる街づくり、ネットワークが必要。
4.行政に頼りすぎている。自分たちにできることを考えておく。
このフォーラムでは、明日からこんな取り組みをすべきだということを考えたい。
被災現地の報告と提言
栗田暢之・震災がつなぐ全国ネットワーク代表
教訓を次に活かす。
大分にはこれまで大きな災害がない。2006年に群発地震があり、みなが心配していた。大分も活断層があり、いつ大きな地震が起きるかわからない。
いろいろ被災地に行っても、やはり「神戸のことは他人事だった」という声を聞く。阪神大震災での死因は、家具・家屋の転倒・倒壊による圧死・窒息が83.7%。震災から何を学ぶのか、本当に考えてきたのか?国内において、水や乾パンがなくて死んだ人はいない。家屋の倒壊など、本当にその理由を考えなければいけない。
集中豪雨の被害が増えている。
S51-60 S61-H7 H8-17
201回 234回 268回 1時間に50mm以上の雨が降った年間回数
2.2回 2.3回 4.7回 1時間に100mm以上の雨が降った年間回数
行政がしっかり対応できた現場はない。地域の人が助けてくれる仕組みが必要では。
阪神大震災で、マンションに取り残された車いすの重度障害者5日間閉じ込められていた。市役所に助けての電話をされたが、無視された。そのことが後でマスコミ報道され行政がバッシングされた。しかし、被災地で行政が機能するのか、地域での支援の枠組みが必要だったのでは。
内閣府で「避難支援ガイドライン」が設定されている。避難準備情報、避難勧告を出す前に、避難に時間がかかる人向けに伝えるもの。ほとんど知られていない。
課題
1.他人事ではない。
2.「名簿づくり」ではなく、「地域づくり」が大事。行政任せではなく自分たちで。
3.自らの判断・備え、地域の理解・助け合い 声をあげよう、耳を傾けよう
現状報告−当事者・施設・自治体の今と課題
障害当事者より
福祉課より災害時の支援者を登録する制度の紹介があったが難しい。その人も被災者になる。要支援者マップが必要。
民間のマンションで一人暮らし。災害が起きてからあれをつけておけばよかったなどというが誰がつけるのか、費用は?
ユニバーサルマンションで火事。近くの人もそんな人が住んでいるのかということを知らなかった。これでいいのか?
施設で暮らしていたほうがいいのか?地域で暮らすためにはどうしていけばよいのか。
事件があった時はあれこれ考えるが時とともに風化する。一人一人が防災を考えなければならない。
視覚聴覚障害について、被災時の情報障害をどうするか。
シンポジウム「障がい者の防災を考える」より
普段の防災も、避難所でも、プライバシーの問題がでてくる。
行政では、全体的な把握が中心となり、個別のニーズの把握は難しい。
被災した地域では関心が高まるが、その他の地域の人では防災にあまり関心がない。それを自らの身において考えるべき。また、地域でどんな人や組織(例えば民生委員)がいて、どんなことを行うのか、普段から考えネットワークしていなければならない。
行政が場のセッティングして、後は民間の人で話し合うスキルが必要。
別府市内で、要援護者の登録は、高齢者628名、障害者52名。登録には、本人の同意方式。障害があることを知られたくない人もいるので、同意しないケースもある。制度自体が知られていないことも登録が少ない原因。また、登録には、支援してくれる二人の健常者の名前を書かないといけない。
障害の実態調査の中に、防災に関する項目を入れるのもいいのでは。
以上
Shop人にやさしく 山田泰久