ちょっと前になりますが、green drinksというエコ・社会起業系のネットワーク飲み会で、雑誌「
広告」の編集長・永井一史さんのお話を聞く機会がありました。
広告会社である博報堂が、雑誌を出した。それも、すごく面白い。
ということで、職場の同僚、
千葉さんが貸してくれたのが、この雑誌を知ったきっかけ。
上の写真の「新しい価値観をもつ若者たち」は、去年の10月号ですが、がつんとインパクトのある面白い企画です。
とかく、無気力、無関心、消費もしなければ恋愛にも消極的・・・と揶揄される若者ですが、実はこれまでにないユニークな価値観で生きているのではないか。2010年代の若者像とは何なのか、というテーマです。
社会貢献業界にいると、今、若者って熱いんですよね。起業家も、ボランティアも、みんな強い意志と行動力を持ってる。それどころか、社会貢献業界から遠かったはずの分野にいる人たちも、独自の方法で国際協力したり、寄付したり、キャンペーン活動に参加する方法を編み出してる。あきらかに、今までとは違う盛り上がりを見せてますね。
日本の経済を牽引してきた、消費文化。どんどん作り、どんどん消費することが国も個人も豊かにしてきたけど、時代は今や、サステイナビリティ。買うことよりも捨てることに、時には安さよりもメーカーの社会責任に、より人々の関心が向くようになりました。
ブランド物や車の所有がステータスとなった、バブル時代。それも遠く消え去り、自身のライフスタイルを映す商品を自分にあった方法で有する、「オーダーメイド」が価値を持つ時代へ。
ボルヴィックが、「1リットル for 10リットル」プロジェクト(水1リットルの買上げにつきアフリカに清潔で安全な水が10リットル生まれる)を発表すれば、その水を買う人が増えるし、フェアトレードというビジネスの後ろ側にあるストーリーが公開されれば、フェアトレードチョコやコーヒーを選ぶ人が増えていく。
車がなければ、カープールすればいいし、部屋が高いなら、シェアを呼びかけてみるのもいい。平日は都会で働き、週末は田舎で農業をしてみたり。副業を起業家にして、リフォームした廃校に自分用のオフィスを持ってみるのはどうだろう。
日常で選ぶ食品が、服装が、交通手段が、職業が、休暇の使い方が、ライフスタイルを形作るもののすべてが、個人の「生き方」を示す社会的メッセージになる。
その分、昔のように同じものを選ぶ人が少なくなり、選択肢は多様化していく。成功パターンがひと通りではなく、無限化していくそのプロセスは、とてもとてもいいことだと思います。
これが可能となったのも、「自分はこういう人間です」ということを発信する場が増えたからかな。ソーシャル・メディア時代の若者は、今までとは違うセルフプロデュースの世界に生きている。特に、2010年はFacebookもTwitterも世界的にメジャー化したから、インターネット誕生時に次ぐコミュニケーション革命期だったと言えるかもしれない。
私自身は特に若いわけでもないが(笑)、こんな時代の大きな変わり目にいられてラッキーだなと思います。
前はもっとエスカレーター式だったんだよね。私が10代の頃は何もかも今より制限されていて、選択肢が少なくて、一回転んだら後が大変だった。
商品の背後にあるストーリーなんて知らなかったし、自分の考えを世界中の人とシェアするなんてありえなかったし、成功か失敗かを決めるのは、今よりもっと、自分ではなく周囲だった。今なら、なんだって自分次第だ。
どんどん委縮して保守的になっていく流れと、外に溢れだそうとする革新的な気運と。最終的にはどっちが勝つのかなあ。とりあえず、どっちが面白いかといえば、チャレンジだろう。就職活動中の若者も、これで死ぬわけではないのだから、思いっきりやればいいと思う。何度でもチャンスはある。
中年どころも、がんばらねばね。