昨日は、セミナー・デーでした
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午前中は、笹川記念保健財団主催の「ハンセン病とCBR」に関する勉強会。午後は、世界銀行と障害分野NGO連絡会(JANNET)共催の「
南インド−アンドラプラデッシ州における障害者の貧困削減事業:障害者の自助グループとその連合体の構築 」という、CBRセミナー。
どちらも、刺激的でございました。
途上国の政府は財力がないので、いくら政策提言をしても限界があります。だから、地域が自助努力として、小さくてもいいからできることをコツコツと積み重ねていく。Community Based Rehabilitationは時間も手間もかかるが、これこそ問題の根本的解決につながる手法なのだ・・・というお話。
CBR的な取り組みはすでに多く行われてて、効果をあげているとこもありますね。銀行やNGOから少額の融資を受けて養豚や小さなお店を経営し、生計を立てられるようにするマイクロ・クレジット事業。クラフトや食料品を作り、それに付加価値をつけて売り出すフェアトレード事業。
医療のないところに病院を、教育のないところに学校をという支援も大切ですが、ドナーが引き揚げた後も彼らの手で持続できるシステムを作らなければ意味がないわけで、「ドナーは支援事業+地元の生計創出に結びつく投資を行うとよい」、という意見には心動かされました。
助成金の一部は持続性確保のための投資活動に使ってください、なんて契約があってもいいかもですね。もともとマイクロ・クレジットもフェアトレードも万能ではないので、損や失敗もあることを覚悟の上で。
よし、次回の語り場で(職員が直接会長に事業案など披露できる会)
ただ、こういう生計創出事業ってかなり難しいんですよね。障害当事者団体やNGOが同じマーケットのなかで企業やプロのビジネスマンと伍して戦うのは、そりゃ限界もありますわ。
「持続性」確保には、もう一段プラスアルファが必要な気がします。
そこで現在大注目してるのが、BOPビジネス。
BOP=Bottom of Pyramidは、最貧困層をねらったビジネスです。
実は知らないうちに日本財団もこの世界に参入しつつあって、今度ミッドタウンで大きなセミナーをやるとか。流れに乗って私も参入〜〜
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BOPで有名なのは、ユニリーバ社によるインドでの石鹸ビジネス。インドは13億の人口を誇る国。手を洗うことがどれほど感染症予防に役立つかの啓発活動から始め、値段をおさえ、農村部を中心に石鹸を売り出し。1個1個の利潤は小さくとも、積もれば大きいですよね。
実際には賛否両論ある戦略ですが・・・。一歩間違えば搾取につながりますからね。しかし、最貧困層に安い商品をたくさん、しかも永続的に売るという手法が成り立つとは、言われてみればそんな気もするけど意外な盲点だった、というのも確かです。
障害当事者団体や草の根NGOとBOPビジネス企業が結びつけば、持続性のあるWin-Win関係を築ける可能性がありますね。
ただ、そのためには、仲介役となるコーディネーター組織が絶対的に必要です。それは、情報や人材のバンクを持ち、一方通行にならない仕組みを作れる組織でなければなりません。
CSRの先を行くもの。CBRを補完するもの。
面白い可能性に、心をはせてみる。