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2017年03月17日

86号

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『自尊感情の心理学 理解を深める「取扱説明書」』
編著者:中間玲子
発行:金子書房, 2016年

紹介者より-------------------------------------------------------------

 「自尊感情を高める」ことは本当にいいことなのか。本書は、この疑問に挑戦しています。
 では、自尊感情は低い方がいいのかというと、そうではありません。一概にはいえないのです。

 どのような問題意識をもって、何を目指すかによって違うものを指しているにも関わらず、同じものを指しているかのように「自尊感情」という言葉が使われていることに問題があるといいます。また自尊感情を「高める」ことがまるで万能薬であるようにいわれることにも、疑問を投げかけています。

 この本を読むと、自尊感情の負の部分が分かり、問題は「質」なのだと気づきます。そうなると「その子なりの」自尊感情を高めることが大切になりますが、現状はそうなっておらず、自己について「こう思わなくてはならない」という圧力が働いていて、そこに違和感があるというのです。
 自尊感情について詳しく知りたい方、「あの子は自尊感情が低いのでは?」と気になっている方にお勧めの一冊です。

本書より--------------------------------------------------------------

 「あなたのとらえた、気になる子供の姿はどれに近いでしょうか」
<「どうせ」「無理」と言う子。失敗経験が重なっていて自信をつけさせたい>
 自信をつけさせるというよりも、自分自身の実態を捉えられるように取り組ませて、その過程を自分の経験として積み重ねることが大事になるでしょう。

<無気力な子。最初から諦めてしまっていることが多い。前向きに取り組むことがまずない>
 今という時間を過去や未来とつながったものとして感じられないために、空虚感が広がっていることも考えられます。経験の基盤、感情の基盤を有した質のよい自尊感情を育むためには時間も必要です。その子の現在の様子をとらえながらじっくり向き合っていきましょう。

<いつも一人でいる子。人とのかかわりに対する否定的なイメージが強い>
 人に裏切られた経験、いじめられた経験など、人間関係に積極的になれないようなつらい過去の体験がある場合には、レジリエンス(回復する心)の観点をもつことが必要になるでしょう。

<自尊感情を高めるにはどうしたらいいですか>
 自尊感情を高めることでどのような未来が拓けると想像していますか。その未来について考えてみてください。あなたはどのような未来の実現を求めていますか。それに従って、本書を紐解いていただければと思います。
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posted by oyagaku at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書紹介
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