CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

2011年02月02日

1-7号

※これまでメールマガジンで取り上げてきた図書をこちらでもご紹介いたします。

図書紹介(No.1)

今後、みなさんのお役に立つと思う図書を、順次、ご紹介していきます。
最初は、定番『親学の教科書―親が育つ子どもが育つ―』のご紹介から。

本協会講座のテキストに使用していますのでお持ちの方も多いと思いますが、さっと目次をご紹介します。
本書では、親学の基本的な考え方とそれに基づいた実践方法を紹介するとともに、子どもの発達段階やその特徴、適切な関わり方についてもわかりやすく解説しています。

<本書の内容>
「親」として、学ぶべきことがここにあります!

【第1章】親学とは
1.親学の必要性
2.親学の理念と基本
3.親学の目指するもの
【第2章】親学の基本的な考え方
1.親について
2.子どもについて
3.家族・家庭について
4.子育てについて
【第3章】親学の実践
1.親自身が成長するために
2.子どもの人間性をはぐくむために
3.愛のある家庭をつくるために
【第4章】子どもの発達段階に応じた特徴と、親へのアドバイス
1.胎児期
2.乳児期
3.幼児期前期
4.幼児期後期
5.児童期
6.思春期

<図書情報>
PHP親学研究会(編)
PHP研究所 2007年発行

2号<図書情報>
鯨岡峻「<育てられる者>から<育てる者>へ-関係発達の視点から-」NHKブックス,2002

前号で紹介した「親学の教科書」の副題に込められたメッセージは、「親が変わる 子どもも変わる」です。これを親学では「主体変容」といい、大切なキーワードの一つとしています。今回は、「主体変容」を関係発達の視点から学ぶことができる図書をご紹介いたします。(関係発達:育てられる者と育てる者の関係の変容。詳しくは本書pp105〜107参照)
<目次>
一章「育てる者になる難しさ」
二章「育てられる者から育てる者へ」
三章「乳児期、幼児期の関係発達」
四章「学童期、思春期、青年後期、成人前期の関係発達」
本書を親学の立場から読むと「主体変容」を関係性や発達の観点から詳述している点と、発達段階に応じた分析と対応に触れている点で参考になります。
最後に、心に残った部分を紹介いたします。
「育てる者になることの困難さを抱えながらも、その立場になったとき、育てられてきたことに気づき、育ててくれた人たちの思いに気づくことができる。そのようにして、育てる者として熟していくのです。」(p105、一部要約)

3号<図書紹介>子育て法の移り変わりと各国の「母親」事情
@品田知美『〈子育て法〉革命 親の主体性をとりもどす』2004,中公新書
A長坂道子『世界一ぜいたくな子育て 欲張り世代の各国「母親」事情』2005,光文社新書

 今回は子育て方法に焦点を当てた図書をご紹介いたします。

@子育て方法は、時代とともに移り変わる
子育て方法を1900年代から調査した品田は「1930年代から科学的な子育てが推奨されていた」といいます。その後風習による子育てと科学的な子育ての情報が混在するなかで1980年代におこった「子育て法の大転換」により、現在では極端な子ども中心の子育て期にある。これからは親の主体性を取り戻して親子対等の関係に終着できるような子育て法を模索すべきだと主張しています。

A文化によって異なる
長坂は、日本を含め8カ国10人の母親を取材し、国ごとに異なる文化のなかでそれぞれの奮闘ぶりを現代女性のホンネを交えながら軽快に綴っています。
 「育児に精を出し喜びを見出すには、なんらかの思想的バックアップが必要(p48)」
親育ち支援である親学の役割はこうしたところにあるといえましょう。

4号<図書紹介>−子育て川柳−
@和光堂編『ハッピー子育て川柳』金の星社,2006
Aコンビタウン編『子育てママのハッピー川柳』生活文化出版,2008

もうすぐサラリーマン川柳傑作選が発表される頃ですね。最近では家庭編の他に育児編もあり、「ママの機嫌(キゲン) パパより先読む 一歳児」や「子の宿題 難しくなり 「自己責任」」など思わずニヤリとしてしまいました。
さて今月は「子育て川柳」をご紹介いたします。@AともにWEBと連携して作品の募集と公開をしています。この機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。

@和光堂編『ハッピー子育て川柳』
・這えば立て 立てば寝てての 親心
・「これなあに」 答えりゃすぐに 「あれなあに」
・ペラペラと よくしゃべるのに まだオムツ
・行き「歩く!」 帰り「抱っこ!」の 散歩道
・はじめての 言葉は「よいしょ」 ママ赤面
<和光堂:http://www.wakodo.co.jp/world/senryu/index.html>

Aコンビタウン編『子育てママのハッピー川柳』
・朝かわいい お迎え行けば 落ち武者に
・早く這えー 前言撤回 じっとしてー
・妊娠中 思い返せば 最終休暇
・いいかげん 家事と子育て 「いい加減」
・笑ったよ! あぁ俺を見た! わたし見た!
<コンビタウン:http://www.combibaby.com/c/75/>

5号図書紹介−有吉忠行『すばらしき母親の物語 母と子の感動42編』(モラロジー研究所 2009)−

よそのご家庭では、どんな風に子育てをしているのだろう。そう思うのは私ひとりではないはずです。

今回ご紹介する図書は「今の日本にも、こんな母親がいる!」と帯にあるような、心が温かくなる母と子の物語42編。著者が見聞きした実話をもとに展開していきます。一つひとつが短いので時間の合間に少しずつ読み進めることができ、お勧めです。

一 子供の“支柱”を育てる自主・自律
二 心を豊かにする他への思いやりの心
三 母と子の心の結び合い
四 母親のあり方・生き方

母と子の物語が語られたあと、筆者の想いが綴られます。私のお気に入りは13話「お母さん、うれしいなあ」でした。三、四歳の男の子とお母さんのスーパーでの話です。買い物を終えて、小さなリュックに荷物を入れてもらうと、男の子はうれしくなりました。重い物や長い物を入れてもらうと、もっとうれしくなった。さらに「お母さん、うれしいわ」の言葉を聞いて「まだ、軽いよー。もっと入れてもいいよー」と笑顔。

42編の親モデルから、自分のタイプを見つけてみてはいかがでしょうか。

6号図書紹介
木原武一『父親の研究』新潮選書、1999年

「父親になること、そして、父親であることとは、いったいどういうことなのであろうか」

「父親」を取り上げた本書は、このような問いからはじまります。
筆者の考えが述べられているところをご紹介いたしましょう。

「あるべき父親像を考えることは、要するに、あるべき人間像を考えることであって、理想の人間がありえないのと同様に、理想の父親もありえない。さまざまな人が存在して、それなりに全うな人生を送っているのと同じように、さまざまな父親がそれなりに父親の役割をはたしているにすぎない(p18)」

「父親に必要なのは、わが子にたいするゆたかな感受性であり、生命にたいする驚きの感覚であり、それを慈しむ心である。これが親あるいは父親の基本条件で、これに付随してさまざまな営みが親子のあいだで展開されるにすぎない(p18)」

そして「親となって子供を育て、子供とともに過ごす時間を持つことこそ、人間がこの世で体験できる最大の幸福である(p13)」と述べています。

このような考えをもとに、森鴎外をはじめ6人の父親をどのようにまとめたのか。手にとってみたくなりませんか。

7号図書紹介
加藤尚武『子育ての倫理学 少年犯罪の深層から考える』丸善、2000
−少年犯罪の根本原因には乳幼児期の子育てが深く関係している−
本書は、実際の少年犯罪事件を挙げながら、倫理学の視点から解決に向けた指針を示しています。出版された10年前には、ここで主張されている内容を(特に少年犯罪の事例を挙げて)取り上げたものは少なく、その意味でも先駆的な図書だといえます。
近年では2009年に共著で『「徳」の教育論』(芙蓉書房出版)を出版されていますが、著者の主張は本書から一貫しており、@「家庭教育の基本的な指針を立てること」、A「育児にかかわる専門家が集まって、「ここだけはしっかり守る」という育児ガイドラインを作り、すべての子どもをもつ両親に知らせるべきである」と述べています。
今後の課題は「道徳を教えることで人間性の維持が可能になる」という立場が正しいのか、「道徳は人間が生活のなかで自生的に形成するもので、道徳を意図的に教えることは、不要・無益である」という立場が正しいのか、この本質的な問題を解くことだといいます。この夏は、子育ての倫理学について考えてみたいと思います。
【図書紹介の最新記事】
posted by oyagaku at 16:13| Comment(1) | TrackBack(0) | 図書紹介
この記事へのコメント
おもしろそうな本がたくさんありますが、できれば、みじかく区切ってあると読みやすいです。
Posted by men at 2011年02月03日 14:48
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.canpan.info/tb/191267
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック