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2010年03月18日

<育てられる者>から<育てる者>へ

*文字数制限のため、協会のブログに掲載することができなかった全文です。

図書紹介<こんな本はいかがでしょう>

<図書情報>
鯨岡峻「<育てられる者>から<育てる者>へ-関係発達の視点から-」
NHKブックス,2002

<はじめに>
前号で紹介した「親学の教科書」の副題は、「親が変わる 子どもも変わる」。
これを親学では「主体変容」といい、大切なキーワードの一つになっています。

<主体変容とは>
 私たちは、何か自分の思い通りにならないことが起きると、自分以外の何かに原因を求めがちです。
特に、子育ての場面では、子供を変えよう、周りの環境を変えようとすることが多いようですね。
 そこで、親学では「主体変容」をキーワードに自分以外の人や環境を変えようとする前に、
自分が変わることを大切にしています。

<何を変えるのか>
 では「自分が変わる」とは、自分の何を変えることなのでしょうか。
当協会理事長の高橋史朗は「観」の転換だと述べています。
子供観、社会観、教育観、発達観、そして自分観など、
「観」つまり見方を変えることが「主体変容」の第一歩だというのです。

<関係発達の視点から>
本書は、「育てられる者」から「育てる者」への関係発達の観点、
そして「育てる者」と「育てられる者」の相互関係に焦点を当てています。

<目次>
一章「育てる者になる難しさ」
二章「育てられる者から育てる者へ」
三章「乳児期、幼児期の関係発達」
四章「学童期、思春期、青年後期、成人前期の関係発達」

<内容>
著者は、これまでの発達心理学の問題点として、
@人間の生涯全体を視野に収めていない、
A世代から世代へのサイクルを見据えていない、
B「育てる」ということを重要視していない、など3点を挙げています。

そのうえで、育られる者から育てる者への転換、新しい関係発達心理学を提案しています。
そして、社会的役割や責任の自覚、生き方や態度を根本的に変える点を強調し、
人生の一大転換という意味で「コペルニクス的転回」と呼んでいます。

<親学の立場から>
本書を親学の立場から読むと「主体変容」について関係性や発達の観点から詳述している点と、
発達段階に応じた分析と対応に触れている点で参考になります。

親学とは「親になるための学び」と「親としての学び」の意味ですが、
言い方を変えれば「育てられる者から育てる者へ」の学びだといえるのかもしれません。

<最後に>
最後に心に残った部分をご紹介いたします。
「育てる者になることの困難さを抱えながらも、その立場になったとき、育てられてきたことに気づき、
育ててくれた人たちの思い気づくことができる。そのようにして、育てる者として熟していくのです。」(本書p105)
【図書紹介の最新記事】
posted by oyagaku at 10:51| Comment(1) | TrackBack(0) | 図書紹介
この記事へのコメント
興味深い本だと思いました。
Posted by 無記名 at 2010年03月18日 10:58
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