CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

親学推進中

こちらは、親学に関わる事務局員の個人ブログです。


メールマガジン16号 [2011年06月12日(Sun)]
 親学に関する資料の紹介
■─────────────────────────────────■

 <子どもの発達段階ごとの課題>乳幼児期から青年中期(高校生)まで
    http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/
             shotou/053/gaiyou/attach/1286156.htm

 先号に続き、文部科学省「子どもの徳育に関する懇談会」報告書からご紹介
 します。発達に応じて子どもの何に関わっていく必要があるのか、簡潔にま
 とめられています。なお、当協会では「子どもの発達と親の関わり方」をテ
 ーマに親学基礎講座を開催しております。

 以下、報告書の抜粋です。


 子どもの成長過程においては、個人差はあるものの、多くの子どもに共通し
 て見られる発達段階ごとの特徴がある。子どもは発達段階ごとに、視野を広
 げ、自己探求を深め、志を高めていくが、各発達段階における特徴を踏まえ
 た成長をそれぞれの段階で達成することで、子どもの継続性ある望ましい発
 達が期待される。

(1)乳幼児期
  ・愛着の形成(人に対する基本的信頼感の獲得)
  ・基本的な生活習慣の形成
  ・道徳性や社会性の芽生えとなる遊びなどを通じた子ども同士の
   体験活動の充実

(2)学童期
 <小学校低学年>
  ・「人として、行ってはならないこと」についての知識と
   感性の涵養や、集団や社会のルールを守る態度など、
   善悪の判断や規範意識の基礎の形成
  ・自然や美しいものに感動する心などの育成(情操の涵養)

 <小学校高学年>
  ・抽象的な思考への適応や他者の視点に対する理解
  ・自己肯定感の育成
  ・自他の尊重の意識や他者への思いやりなどの涵養
  ・集団における役割の自覚や主体的な責任意識の育成
  ・体験活動の実施など実社会への興味・関心を持つきっかけづくり

(3)青年前期 <中学校>
  ・人間としての生き方を踏まえ、自己を見つめ、向上を図るなど
   自己の在り方に関する思考
  ・社会の一員として自立した生活を営む力の育成
  ・法やきまりの意義の理解や公徳心の自覚

(4)青年中期 <高等学校>
  ・人間としての在り方生き方を踏まえ、自らの生き方について考え、
   主体的な選択と進路の決定
  ・他者の善意や支えへの感謝の気持ちとそれにこたえること
  ・社会の一員としての自覚を持った行動
   
メールマガジン15号 資料紹介 [2011年04月16日(Sat)]


「親学の話に活用できるデータを紹介していただけませんか。」

 最近、こんなご要望をいただくようになりました。

詳しく伺うと、親学アドバイザーとして自主的な活動する際に、
『親学の教科書』や『親学アドバイザーの手引き』に掲載されている情報のほかに
活用できるものがほしいとのことでした。

きっとこんなご要望は多いはず。

そこで、今回ご紹介するのは、
2009年に文部科学省で開催された「子どもの徳育に関する懇談会」の資料です。
100ページを超える膨大なデータが揃っています。

いくつか取り上げてみましょう。
 @2-10 保護者は、子育てを通じた付き合いが多い方が子育てを楽しいと感じる傾向にある。
 A3-6  不登校児童数は、増加しており約13万人に及ぶ。
 B5-1  22時以降に就寝する幼児は全体の3割いて、24時以降に就寝する中学2年生は全体の52.5%を占めている。
 C5-3 「朝食と学力調査の正答率の関係」では、毎日食べている小中学生の方が、正答率が高い。
 D5-15 中高生は、子どもの方が楽だからという理由で早く大人になりたいとは思っていない。

などが掲載されています。
他にも、考えさせられる情報がいくつか掲載されています。上記のURLから全文を読むことができます。
メールマガジン14号 資料紹介 [2011年04月10日(Sun)]
幼児脳の発達に複数の過程があることを発見
                  (東京大学新聞 2011年3月3日)

 <子供への接し方に違いが必要>

 □概要 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  開一夫教授らは、幼児の脳機能発達過程に複数のプロセスがあることを同
  じ幼児を複数の時点で調査して変化を調べる縦断的研究から世界で初めて
  明らかにした。
  教育の現場で子どもに画一的に接するのでなく、個々の発達の速度に応じ
  て関わり方を変える必要性を示唆した。

 □内容詳細 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  http://www.u-tokyo.ac.jp/public/pdf/230210_01.pdf

  幼児に認知課題を与え、3歳時点と4歳時点における下前頭領域の活動を
  近赤外分光法を用いて計測した結果、3歳時点で認知課題を解ける幼児(
  グループA)は右の下前頭領域を活動させたのに対して、解けなかった幼
  児(グループB)はその領域を活動させなかった。つまり、同じ課題にお
  いても、早くから解ける子どもとそうでない子どもの脳の発達プロセスに
  は違いがある。
  これらの結果は、幼児の脳の発達には複数の経路が存在することを示して
  おり、子どもに対する画一的な教育的関わりでは不十分で、子どもに応じ
  て関わりを変える必要性があることを示唆している。

 □紹介者から 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  
  かつて新渡戸稲造は、次のように述べました。
  「科学上驚異すべき発見は、皆その発見のあるに先んじて、すでに久しく
   人の心に覚知されたるものなるがごとし。語を変えて言わば、科学は常
   に、人の予覚の後へに遅々として来るものなりと。」
                   (『随想録』「我が教育の欠陥」)

  皆様は、このニュースをどのように捉えましたでしょうか。
 
メールマガジン13号 図書紹介 [2011年04月10日(Sun)]
『カウンセリング練習帳』
     著者:水野修次郎  
     出版:ブレーン出版(2001年)

 □親の学びを支える皆様へ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  当協会は、親学の基本的な考え方と基礎的なコミュニケーションスキルを
  学ぶ「親学基礎講座」と、親支援の視点から事例検討を行いさらに深い学
  びをめざす「親学アドバイザー認定講座」を開講しています。
  なかでも認定講座で扱う事例検討は好評です。
  そこで、今回はさらに学びを深め、かつ読みやすい本書をご紹介いたしま
  す。

 □内容 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  練習問題と解説、ときに模範例が示されながら進みます。
  親学アドバイザーの皆様は、講座を振り返りながら、ご自分の関わり方を
  振り返ることができ、これから受講される皆様には親支援の関わり方の予
  習になると思います。次に二例をご紹介いたしましょう。

  Q1:初めての出会いを安心できる雰囲気にし、信頼関係を形成するため
     に大切なことはなんですか。 (P1一部改)
  Q2:相談者はどのようなプロセスで行動を変えるでしょうか。
                   (P63一部改)

  この問いに次の5段階説Prochaska(1992)をあげて解説しています。

  第一段階 熟考前  自分に問題があることに気がついていない。
  第二段階 熟考   自分に問題があることに気が付いているが、行動を
            変化させるまでにはいたらない。
  第三段階 準備   行動を変化させる準備をしている。
  第四段階 行為   自分を変化させるために行動する。
  第五段階 終結とフォローアップ 


  これまでの学びの整理とさらに深いレベルで人間支援の手引きになること
  でしょう。
メールマガジン12号 図書紹介 [2011年04月10日(Sun)]
図書紹介「家庭は心の庭」森隆夫・工藤秀幸(編)、ぎょうせい(2008) 
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□

家庭、それは人生におけるベースキャンプ。心の庭は、たのもしさの芽を育む「場」
なのである。

本書は、家庭は「心の庭」をテーマに投稿された論文を掲載しています。
年の初めにあたり、家庭、家族、団欒・・・などと思いを巡らせてみるのはいかがで
しょうか。

第一章 喧嘩、仲直りの後の団欒
第二章 朝餉、夕餉の当たり前の風景
第三章 独楽にみる人生のゆとりとあせり
第四章 心の箒目 庭掃除で心の調律を

<本書より>
家庭は、その愛の深さゆえに束縛と煩わしさがあり、家族間の葛藤や喧嘩が絶えない
ものだ。
最大の癒しの場であると同時に、最も深い苦悩の源泉である。それでもなお人は家庭
に執着する。

<紹介者より>
体験を通した言葉に、重みを感じます。
割り切れない気持ちを常にもちながらも、つかず離れずの家庭生活。それが現実の姿
なのでしょう。
それでもなお、よりよい家庭を築くために、積極的に親学を学ばれようとするみなさ
まに、心からの敬意を抱かせていただきながら、本年も本稿を担当いたします。
メールマガジン11号 図書紹介 [2011年04月10日(Sun)]
図書紹介『脳神経科学リテラシー』 信原幸弘ほか 勁草書房 2010
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□
大学の講義にも活用できるよう著され、脳科学の知見を十分に活用するための運用能
力(リテラシー)を養成することができます。脳神経科学の専門家の視点から説かれ
ていますので、まずは一読して、その後、親学の立場から読み直してみると面白いと
思います。親学を学んだ皆さまには、二度味わえる内容です。
次に教育の部分(一部要約)をご紹介します。

<第12章 教育:神経神話を問い直す>
 これまでの脳神経科学研究で示されたのは、成長期には通常の刺激が必要不可欠で
あるということで、通常以上に複雑な刺激が通常以上の発達をもたらすことまではわ
からない。感覚能力など一部の能力には明確な臨界期が存在するが、すべての機能に
同じような明確な臨界期が存在するとはかぎらない。また、臨界期に通常以上の刺激
を与えたからといって脳の機能が通常よりも優れたものになる証拠はない。高度な知
的能力を担う前頭前野などは思春期から成人までさらには一生変化を続けている。そ
れゆえ三歳以降の教育は、三歳以前と同様あるいはそれ以上に重要である。

※日本学術会議で開催された「脳と教育」シンポジウム(12/4)に参加してまいりま
した。この会は「脳科学に関する正しい知見を日本学術会議から発信する(大隈典子
氏閉会の挨拶より)」ことを意図して一般向けにわかりやすく公開しています。我々
もこうした会に積極的に参加して、より正確な情報を集めることが大切だと感じまし
た。日本学術会議をはじめとする学術団体のホームページを定期的に訪れてみてはい
かがでしょうか。
メールマガジン10号 資料紹介 [2011年04月10日(Sun)]
「情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会報告書」
(文部科学省 平成17年)
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□

これまで、子供を育てることに関する「科学的」な知見を鵜呑みにすることなく冷静
に判断してほしい、という専門家のメッセージをご紹介してきました。
今回は、その専門家が集まった文部科学省の検討会の報告書をご紹介いたします。
(こちらから全文を読むことができます
 
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/027/siryo/06021607/074.htm)

子どもの情動等に関してある程度明らかになっている知見:
(1) 家庭教育や親子関係等に関わる提言等:
「子どもの対人関係能力や社会的適応能力の育成のためには適切な『愛着』形成が重
要である」
「子どものこころの成長のためには基本的生活リズムの獲得や食育が重要である」、

「子どもが安定した自己を形成するには、他者の存在が重要であり、そのためには特
に保護者の役割が重要である」

(2) 教育全体に関わる提言等
「情動は、生まれてから5歳くらいまでにその原型が形成されると考えられるため、
子どもの情動の育成のためには乳幼児教育が重要である」
「成人脳にも高い可塑性を示す領域があり、この点を意識した生涯学習が重要であ
る」
「前頭連合野や大脳辺縁系の機能が子ども達の健やかな発達に重要な役割を果たして
いる。前頭連合野の感受性期(臨界期)は、脳科学の知見から推論すると8歳くらい
がピークで20歳くらいまで続くと思われ、その時期に、社会関係をきちんと教育・学
習することが大切である」
メールマガジン9号 図書紹介 [2011年04月10日(Sun)]
資料紹介「脳の「神話」にご注意を!」(ニュートン、2010.10月号)
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□
「神経神話」と呼ばれる科学的な根拠の薄い俗説を見分けるにはどうしたらいいので
しょう。私たちの見識が問われています。

坂井克之准教授(東京大学大学院医学系研究科)は、専門家でない私たちでも脳に関
する基礎的な知識があれば大きな誤解をせずに済む。
そして「脳科学にもとづく」という表現に出会ったら、その意味するところを冷静に考えてみてほしいと述べています。
あまりに大胆な解釈や論理の飛躍には注意が必要です。
また、当協会では親学基礎講座のなかで脳の基本的な構造や働きをお伝えしております。

本誌には神経神話の例として次のようなことが挙げられています。
・3歳までに脳の重要な能力がすべて決まる
・男女の脳は違っている
・脳は10%しか使われていない
・人は右脳型、左脳型に分けられる
・睡眠しながら学習ができる
・DHAが人の頭をよくする

今回ご紹介したこの記事のほかにも、次のような図書も参考になります。
坂井克之『脳科学の真実-脳研究者は何を考えているか 』河出ブックス
池内了『疑似科学入門』岩波新書

「科学的知見」の文句を鵜呑みにすることなく、冷静に賢く活用していきたいものです。
メールマガジン8号 資料紹介 [2011年04月10日(Sun)]
―子どもの頃の体験が豊富な大人ほど、やる気や生きがいを持っている人が多い―
独立行政法人国立青少年教育振興機構「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」(中間報告)
2010.5

この調査は、子どもの頃の体験を通じて得られる資質・能力を検証して、人間形成にとってどの時期
にどのような体験をすることが重要になるのかを明らかにするために行われました。小学校高学年か
ら高校生までの青少年約11,000人、20代から60代の成人5,000人を対象にしています。
 
報告書によると、子どもの頃に「自然体験」や「友だちとの遊び」などの体験が豊富な人ほど「もっ
と深く学んでみたい」といった意欲・関心、「電車やバスに乗ったとき、お年寄りや身体の不自由な
人には席をゆずる」といった規範意識、「社会や人のためになる仕事をしたい」といった職業意識が
高くなる傾向や、「あきらめずにがんばればうまくいく」、最終学歴が「大学や大学院」と回答した
割合が高く、現在の年収が高くなる傾向がみられました。また、「憧れる大人がいる子ほど働くこと
に意欲的」には考えされられました。

次のアドレスから読むことができます。
http://www.niye.go.jp/houkoku_srch/chosa_cts.php?insid=110
図書紹介 [2011年02月02日(Wed)]
※これまでメールマガジンで取り上げてきた図書をこちらでもご紹介いたします。

図書紹介(No.1)

今後、みなさんのお役に立つと思う図書を、順次、ご紹介していきます。
最初は、定番『親学の教科書―親が育つ子どもが育つ―』のご紹介から。

本協会講座のテキストに使用していますのでお持ちの方も多いと思いますが、さっと目次をご紹介します。
本書では、親学の基本的な考え方とそれに基づいた実践方法を紹介するとともに、子どもの発達段階やその特徴、適切な関わり方についてもわかりやすく解説しています。

<本書の内容>
「親」として、学ぶべきことがここにあります!

【第1章】親学とは
1.親学の必要性
2.親学の理念と基本
3.親学の目指するもの
【第2章】親学の基本的な考え方
1.親について
2.子どもについて
3.家族・家庭について
4.子育てについて
【第3章】親学の実践
1.親自身が成長するために
2.子どもの人間性をはぐくむために
3.愛のある家庭をつくるために
【第4章】子どもの発達段階に応じた特徴と、親へのアドバイス
1.胎児期
2.乳児期
3.幼児期前期
4.幼児期後期
5.児童期
6.思春期

<図書情報>
PHP親学研究会(編)
PHP研究所 2007年発行

2号<図書情報>
鯨岡峻「<育てられる者>から<育てる者>へ-関係発達の視点から-」NHKブックス,2002

前号で紹介した「親学の教科書」の副題に込められたメッセージは、「親が変わる 子どもも変わる」です。これを親学では「主体変容」といい、大切なキーワードの一つとしています。今回は、「主体変容」を関係発達の視点から学ぶことができる図書をご紹介いたします。(関係発達:育てられる者と育てる者の関係の変容。詳しくは本書pp105〜107参照)
<目次>
一章「育てる者になる難しさ」
二章「育てられる者から育てる者へ」
三章「乳児期、幼児期の関係発達」
四章「学童期、思春期、青年後期、成人前期の関係発達」
本書を親学の立場から読むと「主体変容」を関係性や発達の観点から詳述している点と、発達段階に応じた分析と対応に触れている点で参考になります。
最後に、心に残った部分を紹介いたします。
「育てる者になることの困難さを抱えながらも、その立場になったとき、育てられてきたことに気づき、育ててくれた人たちの思いに気づくことができる。そのようにして、育てる者として熟していくのです。」(p105、一部要約)

3号<図書紹介>子育て法の移り変わりと各国の「母親」事情
@品田知美『〈子育て法〉革命 親の主体性をとりもどす』2004,中公新書
A長坂道子『世界一ぜいたくな子育て 欲張り世代の各国「母親」事情』2005,光文社新書

 今回は子育て方法に焦点を当てた図書をご紹介いたします。

@子育て方法は、時代とともに移り変わる
子育て方法を1900年代から調査した品田は「1930年代から科学的な子育てが推奨されていた」といいます。その後風習による子育てと科学的な子育ての情報が混在するなかで1980年代におこった「子育て法の大転換」により、現在では極端な子ども中心の子育て期にある。これからは親の主体性を取り戻して親子対等の関係に終着できるような子育て法を模索すべきだと主張しています。

A文化によって異なる
長坂は、日本を含め8カ国10人の母親を取材し、国ごとに異なる文化のなかでそれぞれの奮闘ぶりを現代女性のホンネを交えながら軽快に綴っています。
 「育児に精を出し喜びを見出すには、なんらかの思想的バックアップが必要(p48)」
親育ち支援である親学の役割はこうしたところにあるといえましょう。

4号<図書紹介>−子育て川柳−
@和光堂編『ハッピー子育て川柳』金の星社,2006
Aコンビタウン編『子育てママのハッピー川柳』生活文化出版,2008

もうすぐサラリーマン川柳傑作選が発表される頃ですね。最近では家庭編の他に育児編もあり、「ママの機嫌(キゲン) パパより先読む 一歳児」や「子の宿題 難しくなり 「自己責任」」など思わずニヤリとしてしまいました。
さて今月は「子育て川柳」をご紹介いたします。@AともにWEBと連携して作品の募集と公開をしています。この機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。

@和光堂編『ハッピー子育て川柳』
・這えば立て 立てば寝てての 親心
・「これなあに」 答えりゃすぐに 「あれなあに」
・ペラペラと よくしゃべるのに まだオムツ
・行き「歩く!」 帰り「抱っこ!」の 散歩道
・はじめての 言葉は「よいしょ」 ママ赤面
<和光堂:http://www.wakodo.co.jp/world/senryu/index.html>

Aコンビタウン編『子育てママのハッピー川柳』
・朝かわいい お迎え行けば 落ち武者に
・早く這えー 前言撤回 じっとしてー
・妊娠中 思い返せば 最終休暇
・いいかげん 家事と子育て 「いい加減」
・笑ったよ! あぁ俺を見た! わたし見た!
<コンビタウン:http://www.combibaby.com/c/75/>

5号図書紹介−有吉忠行『すばらしき母親の物語 母と子の感動42編』(モラロジー研究所 2009)−

よそのご家庭では、どんな風に子育てをしているのだろう。そう思うのは私ひとりではないはずです。

今回ご紹介する図書は「今の日本にも、こんな母親がいる!」と帯にあるような、心が温かくなる母と子の物語42編。著者が見聞きした実話をもとに展開していきます。一つひとつが短いので時間の合間に少しずつ読み進めることができ、お勧めです。

一 子供の“支柱”を育てる自主・自律
二 心を豊かにする他への思いやりの心
三 母と子の心の結び合い
四 母親のあり方・生き方

母と子の物語が語られたあと、筆者の想いが綴られます。私のお気に入りは13話「お母さん、うれしいなあ」でした。三、四歳の男の子とお母さんのスーパーでの話です。買い物を終えて、小さなリュックに荷物を入れてもらうと、男の子はうれしくなりました。重い物や長い物を入れてもらうと、もっとうれしくなった。さらに「お母さん、うれしいわ」の言葉を聞いて「まだ、軽いよー。もっと入れてもいいよー」と笑顔。

42編の親モデルから、自分のタイプを見つけてみてはいかがでしょうか。

6号図書紹介
木原武一『父親の研究』新潮選書、1999年

「父親になること、そして、父親であることとは、いったいどういうことなのであろうか」

「父親」を取り上げた本書は、このような問いからはじまります。
筆者の考えが述べられているところをご紹介いたしましょう。

「あるべき父親像を考えることは、要するに、あるべき人間像を考えることであって、理想の人間がありえないのと同様に、理想の父親もありえない。さまざまな人が存在して、それなりに全うな人生を送っているのと同じように、さまざまな父親がそれなりに父親の役割をはたしているにすぎない(p18)」

「父親に必要なのは、わが子にたいするゆたかな感受性であり、生命にたいする驚きの感覚であり、それを慈しむ心である。これが親あるいは父親の基本条件で、これに付随してさまざまな営みが親子のあいだで展開されるにすぎない(p18)」

そして「親となって子供を育て、子供とともに過ごす時間を持つことこそ、人間がこの世で体験できる最大の幸福である(p13)」と述べています。

このような考えをもとに、森鴎外をはじめ6人の父親をどのようにまとめたのか。手にとってみたくなりませんか。

7号図書紹介
加藤尚武『子育ての倫理学 少年犯罪の深層から考える』丸善、2000
−少年犯罪の根本原因には乳幼児期の子育てが深く関係している−
本書は、実際の少年犯罪事件を挙げながら、倫理学の視点から解決に向けた指針を示しています。出版された10年前には、ここで主張されている内容を(特に少年犯罪の事例を挙げて)取り上げたものは少なく、その意味でも先駆的な図書だといえます。
近年では2009年に共著で『「徳」の教育論』(芙蓉書房出版)を出版されていますが、著者の主張は本書から一貫しており、@「家庭教育の基本的な指針を立てること」、A「育児にかかわる専門家が集まって、「ここだけはしっかり守る」という育児ガイドラインを作り、すべての子どもをもつ両親に知らせるべきである」と述べています。
今後の課題は「道徳を教えることで人間性の維持が可能になる」という立場が正しいのか、「道徳は人間が生活のなかで自生的に形成するもので、道徳を意図的に教えることは、不要・無益である」という立場が正しいのか、この本質的な問題を解くことだといいます。この夏は、子育ての倫理学について考えてみたいと思います。
| 次へ
プロフィール

さんの画像
リンク集
http://blog.canpan.info/oyagaku/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/oyagaku/index2_0.xml