CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« Princeton ネレウスフェロー | Main | ベーリング海の珊瑚礁 »
<< 2014年01月 >>
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
カテゴリアーカイブ
最新記事
マグロは大丈夫? Duke大学ネレウスフェロー [2011年09月28日(Wed)]
先週から、自分自身の研究に割く時間があり、「魚と文化」についての調査を少しづつ進めている。

魚資源管理におけるHuman dimension (人間的側面)の研究は地域的な視点から行われている取り組みが多く、魚資源を共有財産やコモンズ(Ostromのカテゴリーについては深くは言及しない、民族学的な事例を見る上でそのカテゴリーにどれほどの意味があるのかについては考察中)として地域共同体の管理制度に言及する報告が多い。

そこには、成功の要素としての『リーダーシップ」等が焦点としてあげられるが、『??さんが立派だったから」というは説明として成り立つのか、少なくとそのリーダーシップを可能とした社会的枠組みについてより深い理解を得たいと考えている。

本日は、Duke大学のAndre Boustany博士とスカイプ会議、集中した1時間の長く楽しい会話だった。Andreとは、先週のDukeチーム(Patrick Halpin, Daniel Dunn)との会議で話をしたが、面と向かうのは初めてである。

今回は、彼のこれまでの研究と今後の予定について話をした。Andreは博士号をスタンフォードで終え、魚に発信器をつけて生態等を探る研究を行ってきた。マグロやサメ等の大型回遊魚が対象として国際的な若手マグロ(サメ)エキスパートである。

海に関わったきっかけは、学部を終えて漁船に監視員として混穫の実態(対象となる魚種ではなく大型の海洋ほ乳類等を網にかけてしまう事)とその取り締まりの仕事を行ったのが始まり、その経験から魚の生態とともに漁業について興味を抱いたという。

珍しく、複雑なモデル分析をするにもかかわらず、漁師との関わりの中で漁業管理の実践の難しさを肌で感じてきた若手海洋科学者である。もう十数年毎年海に出てマグに発信器を取り付ける調査を行ってきたため、海とそこに棲む生物についてはネレウスフェローの中で一番『実践的経験知」が高い。

漁業管理における科学の役割について、漁業管理が長期的な視点に立つ必要性は、早急に漁師に受け入れられなくても、科学者として、研究結果を常に発表し、実態と問題を指摘し続けるべきだと彼は言う。

本マグロに関しても、「其の危機については1999年から指摘されてきた。最近 その指摘を受け入れた管理政策が提示され始めた。時間はかかる」という。学際的なネレウスの取り組みに参加出来た事を嬉しく思うといい、他機関のフェローと共に 、『科学的結果」が受け入れられる(政策に反映される)時間を縮める工夫を考えていきたいと話してくれた。

マグロについて、プリンストンのJames Watson博士との橋渡しをし、今後は漁業経済、管理政策学に関わるネレウスフェローも含めた一連のマグロの流れ(自然から食卓へ)についての共同研究を今後の計画として進めていくつもりである。

Andreにマグロに関して聞いた所。「本マグロは絶滅はしないと思うが、資源量はかなりまずい事になっている」と話してくれた。我々がやるべき事は、本マグロには手を出さずにビンチョウやキハダを食べているのが良いと言うのが、Andreからのメッセージである。

最後に、CITESの件について話し、それが「本マグロの問題に一般の関心が向いた事が今後の資源保全にとっては、ポジティブな出来事であった」と述べ、「日本で築地に行きたい」と嬉しそうに話してくれた。バランスのとれたマグロ話の出来る若手研究員の参加に、心強く思った。
この記事のURL
http://blog.canpan.info/otanereus/archive/7
コメントする
コメント
プロフィール

ネレウス太田義孝さんの画像
ネレウス太田義孝
プロフィール
ブログ
リンク集
http://blog.canpan.info/otanereus/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/otanereus/index2_0.xml