横湯園子さん(元中央大学教授)の講演録(「子ども・青年にゆったりした子ども時代を:登校拒否・不登校から見えてくるもの」『登校拒否・不登校問題全国連絡会ニュース』128号、3-7頁)を読みました。
焼き芋の話が印象に残ったので紹介します。
受験に大変プレッシャーを感じている子がいました。
ある日、ふと公園に行ったら、焼き芋を焼いているおじさんがいました。
おじさんに誘われて、いっしょに焚火にあたっていると「学校は?」と聞かれました。
「ずっと学校に行っていない。受験もうまくいかない」と答えると、おじさんは「大学に行かなくたって生きていける」と言って、焼き芋をくれました。
これが自分を見つめ直すきっかけになって、落ち着いて学習に取り組み、志望大学に合格できたそうです。
少し前には「ビリギャル」でも合格できるのだから、と奮起を求める人がいました。しかし実は「ビリギャル」は進学校の「ビリ」で、もともと勉強は苦手ではなかったそうです。
「ビリギャル」が本当に勉強が苦手な子だったとしても、ここで挽回できなければ人生終わりだ、とプレッシャーをかけられて空回りしながら勉強するよりも、自分の土台をつくり、落ち着いて学習に臨む方が身につくものは大きいと思います。
「ビリギャル」よりも、焼き芋の話の方が、広く知られるようになってほしいものです。
2017年10月21日
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