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海洋政策研究財団のブログ

海洋政策研究財団は海洋の総合管理や海事産業の持続可能な発展のために、海洋関係、海技関係、国際関係を3本の柱として、相互に関連を深めながら政策等の実現を目指し、各種事業を展開している公益法人です。


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コオリウオの不思議 [2006年07月10日(月)]
●コオリウオの血液の不思議

コオリウオ科の魚には、ヘモグロビンがありません。そもそもヘモグロビンは、血の中にあって体全体に酸素を運搬する役割を担っています。したがってヘモグロビンが無くなれば、体に酸素を運ぶことができませんから、普通の生き物ならば死んでしまいます。

余談ですが、血が赤いのは、ヘモグロビンには鉄を含むヘムという成分があり、それに酸素がくっ付くからなのです(鉄が酸素とくっ付くと錆びて赤くなるのと同じ理屈です)。

ところがコオリウオの場合は、ヘモグロビンではなく、血漿という成分に酸素を溶かして運搬しています。そのためにヘモグロビンなしでも生きていけるのです。

しかし血漿の場合、ヘモグロビンと比べて酸素運搬の効率が悪いので、量で勝負しなければなりません。つまり、たくさんの量の血液を循環させることで、運搬効率の悪さを補う必要があるのです。

そのためにコオリウオの心臓は他の魚より大きめにできていますし、血液もたくさんあります。さらに良く循環できるように血液の粘度が低くなっています(ドロドロの血液よりも、サラサラの血液が良いのは、ヒトだけではありません!)。


●コオリウオが寒さ(マイナス温度)に耐えられる仕組みは?

コオリウオですが、スズキ目コオリウオ科に含まれる魚の総称です。その名前が示しますとおり、水も凍る南極海に分布する魚たちです。今、水も凍ると言いましたが、コオリウオは凍りません。なぜなら血液を凍らせないような特殊なたんぱく質(不凍たんぱく質)が含まれているからなのです。寒冷地では自動車のワイパー液に不凍液を入れていますね。

●コオリウオを見る機会はあるのでしょうか?

コオリウオ科の魚を日本の沿岸でみることはありませんが、意外にも食卓の上でみることが可能です。コオリウオ科の一種であるコオリカマスという魚は輸入されていますし、フライや唐揚げにすると美味とのことです。

食卓の上やスーパーで切り身を見ただけではつまらない方は、東京海洋大学(品川キャンパス)にある水産資料館へ足を運ばれると良いと思います。コオリウオ科の魚類としては、スイショウウオ、クロスイショウウオなどの標本を見ることができます。

(海洋政策研究財団研究員 福島 朋彦)



*海洋政策研究財団では、2005年3月に、学校の授業で海のことを取り上げやすくするネタ本「海のトリビア」を制作しました。

*今年度は「続・海のトリビア」の制作を予定しています。
Posted by 梅木由美子 at 09:56 | 新・海のトリビア | この記事のURL | コメント(2)
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コメント
岩見様
海洋政策研究財団です。

この度はコメントをいただきまして有難うございました。
ご指摘に基づいて、文章を一部訂正いたしました。

これからもご意見をよろしくお願いいたします。
Posted by:梅木 由美子  at 2007年05月18日(金) 11:46
コオリウオ科の記事を拝見し,このグループへの関心を高めていただけるものと嬉しく思います。ただし,一部に間違った記述がありますので,以下に解説を記しました。ご参考いただければ幸いです。
コオリウオ科には現在16種が知られていますが,キタノコオリウオ1種がパタゴニア周辺海域に分布するだけで,他の15種は全て南極海域(亜南極も含め)に分布します。従って,日本の沿岸で見ることは”ないと思われる”というよりあり得ないというレベルです(とはいっても,メルルーサが本州沿岸で獲れたこともあるので100%ないとは申せませんが)。
また,メロは標準和名をマジェランナイナメといい,最近では近縁種のライギョダマシも含め,これら2種の混称となっています。これらは,コオリウオ科と同じくスズキ目ナンキョクカジカ亜目に属しますが,コオリウオ科とは異なるナンキョクカジカ科の魚類です。従って,コオリウオではありませんし,血液も赤い色をしています(筋肉は白いです)。この点で誤解が生ずるような記述は避けた方がよいでしょう。同様に,ホソサラサウオ,コモンサラサウオ,ナンキョクカジカ,ウミタカスズキもナンキョクカジカ科の魚類です。東京海洋大学に展示されているコオリウオ科魚類としては,スイショウウオ,クロスイショウウオなどがありますので,形態的にだいぶ異なることもご確認いただけると思います。
なお,コオリカマスはご説明の通りコオリウオ科の1種です。
Posted by:岩見哲夫  at 2007年04月27日(金) 23:58