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海洋政策研究所ブログ

海洋の総合管理や海事産業の持続可能な発展のために、海洋関係事業及び海事関係事業において、相互に関連を深めながら国際性を高め、社会への貢献に資する政策等の実現を目指して各種事業を展開しています。


Ocean Newsletter No.604発行 [2026年04月20日(Mon)]
No.604(特集:アジアの海)が完成いたしました。

『Ocean Newsletter』は、海洋の重要性を広く認識していただくため、
海洋に関する総合的な議論の場を皆様に提供するものです。 
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●渡り鳥が結ぶアジアの沿岸生態系と国際保全ネットワーク
北海道大学大学院博士後期課程(日本学術振興会特別研究員DC1/豪州クイーンズランド大学)◆清水孟彦

東・東南アジアからオセアニアにかけての地域は、多くの水鳥種の渡りルートになっている。しかし、20世紀以降の沿岸地域での開発など人間活動の影響により、生息地である沿岸湿地が失われ、水鳥の数は大きく減少している。こうした状況を受け、18カ国が連携し、政府や市民団体などさまざまな主体が協力しながら保全活動を進めている。それでもなお、失われた湿地や水鳥の回復には、さらなる取り組みが必要である。

●故郷の海からアジアの海へ
〜ユースの対話と実践がつなぐ海洋プラスチック問題への挑戦〜

九州大学大学院生物資源環境科学府1年、海洋環境学生団体maiPLA会員◆室原一仁

幼少期の原体験を起点に、九州北部を拠点に活動する海洋環境学生団体「maiPLA」での活動に至る歩みを紹介する。国境を越えて流れ着く漂着ごみを、漂着地が処理せざるを得ない構造的課題に向き合い、現場の清掃と東アジアのユースとの国際連携を展開。知識の共有に留まらない「国境を越えた信頼関係」の構築と、次世代への価値観の継承こそが、問題解決の鍵となる。

●アジアから世界へ:ANEMONE Globalの挑戦
東京大学大気海洋研究所准教授◆峰岸有紀

生物多様性の損失を止め、回復へ転じさせるという2030年目標まで、あと4年。私たちはいま、その達成の正念場を迎えている。自然資本を再生しながら成長するネイチャーポジティブ社会への変革を目指す上で、生物多様性情報は必要不可欠である。本稿では、その生物多様性情報を生み出す情報インフラの一例として、環境DNAによる生物多様性国際観測網「ANEMONE Global」を紹介する。

●編集後記
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所所長◆牧野光琢

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Ocean Newsletter No.603発行 [2026年03月26日(Thu)]
No.603(特集:南極の海・北極の海)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●氷の下に眠る未来の海:Antarctic RINGSが開く新たな世界
ノルウェー極地研究所主席研究員◆松岡健一

南極氷床の基盤の約半分は海面下にあり、温暖化に伴う氷床後退は新たな海域の出現をもたらす。しかし氷床下地形の大規模な空白が将来予測の最大の不確実性の一つとなっている。SCAR(南極研究科学委員会)とCOMNAP(南極観測実施責任者評議会)が進めるAntarctic RINGS(南極の輪)は、各国のもつ観測資源を有機的に組み合わせ、この欠落を埋め、未来の海を探る、国際的な枠組みである。

●南大洋の炭素循環研究と長年の宿題
東京大学大気海洋研究所教授◆原田尚美

第33次南極地域観測隊(1991〜1992年)で南大洋にてセジメントトラップ係留観測を行ったが、機器の亡失により成果を出すことは叶わなかった。34年後、研究費を獲得し、若手研究者らの協力の下、第66次隊(2024〜2025年)で、第33次は開発されていなかった新たなセンサー類とともにセジメントトラップ係留システムの設置に成功した。第67次隊(2025〜2026年)で回収されてくる予定であり、東南極南大洋の炭素循環の新たな描像を捉えることを目指している。

●北極域研究強化プロジェクトArCS III
東京大学大気海洋研究所教授、国立極地研究所客員教授、ArCS IIIプロジェクトディレクター◆羽角博康

日本における北極域研究のフラッグシップ・プロジェクトArCS IIIが2025年4月に開始した。本稿では、日本におけるこれまでの北極域研究プロジェクトの流れと特長を概観した上で、それらをArCS IIIにおいてどう発展させるか、そのためにどのような取り組みを実施するかについて紹介する。

●北極海航路の経済モデルの実現可能性
フリチョフ・ナンセン研究所上席研究員◆Arild MOE

北極海航路(NSR)は、航海日数を短縮できる潜在力を持つ一方、その経済モデルは深刻な課題に直面している。ロシアは資源開発と連動した航路整備を進めてきたが、西欧制裁や財政制約により投資の見通しは不透明となった。近年は中国との輸送が増えているものの、国際海運全体での利用拡大や持続的な資金確保は依然として困難である。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所研究員◆幡谷咲子

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Ocean Newsletter No.602発行 [2026年02月20日(Fri)]
No.602(特集:島、離島)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●太平洋島嶼諸国─地域連帯化組織PIFの行方
大阪学院大学国際学部教授、太平洋諸島学会会長◆小林泉

太平洋諸島フォーラム(PIF)は近年、組織運営や域外国との関係をめぐり不安定さが目立っている。本来PIFは、島嶼諸国が地域課題を協議し国際社会に発信する場として生まれたが、近年は豪州・NZの主導で「地域統合」が強調されてきた。しかし島嶼諸国の多様性を踏まえれば、統合よりも協議体としての存続こそが現実的である。

●東京大学海洋アライアンス 沖ノ鳥島・小島嶼国プログラム
東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻特任研究員◆茅根創

沖ノ鳥島と太平洋の環礁小島嶼国は、生物が国土を形成してきたという共通の基盤を持ち、海面上昇による水没の危機に直面している。国土を持続的に維持するためには、サンゴや有孔虫などの生物機能を活かす生態工学的対策が不可欠である。東京大学海洋アライアンスの沖ノ鳥島・小島嶼国プログラムは、産官学を横断する枠組みのもとで研究と行政の往還を図り、NbS(Nature-based Solution) を先取りする国土維持モデルの構築とその社会実装を目指している。

●離島航路の現状と課題
九州産業大学地域共創学部地域づくり学科准教授◆行平真也

離島航路は本土と離島、または離島相互を結び、住民の移動や生活物資の輸送を担う重要な交通手段であるが、航路利用者の減少や船員不足など、離島航路を取り巻く環境は大変厳しい状況にある。特に近年、航路運営事業者の撤退や航路の休止、減便など、その影響が顕在化している。

●琉球から東南中国へ、島の考古学の魅力
琉球大学国際地域創造学部教授◆後藤雅彦

琉球列島の南には台湾、その対岸の東南中国沿海地域にも多くの島々が存在する。これらの地域は、貝塚の継続期間が長く、稲作の導入と定着には地域によって時間差が認められる。「弥生時代の琉球列島はなぜ稲作農耕を受け入れなかったか」という問題に対して持続と再生の両側面を示す「島の生活誌」の中で捉えることが必要である。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所島嶼国・地域部部長◆塩澤英之

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Ocean Newsletter No.601発行 [2026年01月20日(Tue)]
No.601(特集:海ごみ)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●全球規模における海洋プラスチックの動態に関する研究
九州大学応用力学研究所海洋プラスチック研究センター教授◆磯辺篤彦

川を経て海に至ったプラスチックごみは、劣化と破砕を経てマイクロプラスチック(MP)へと変化する。海底底質コアからの検出は、海水よりも比重の小さな素材でも、生物膜の形成など生物過程を介して海底へ沈降することを示唆する。北太平洋の亜表層で多層採取した海水からは、長径が数百μm以下の微細MPが数千個/㎥のオーダーで検出された。生物過程で比重が増し中性浮力近くになったものは、長期にわたって海中を漂うらしい。

●瀬戸内海から世界へ〜海洋ごみ対策の羅針盤「瀬戸内オーシャンズX」〜
笹川平和財団海洋政策研究所上席研究員、前)日本財団・瀬戸内オーシャンズXプロジェクトリーダー◆塩入同

日本財団と瀬戸内4県による「瀬戸内オーシャンズX」は、日本最大級の閉鎖性海域を舞台に、実践に基づくエビデンスベースの海洋ごみ対策を展開し、知見を蓄積してきた。行政の縦割りを越え、専門技術と地域の連携により物理的・経済的・制度的課題を克服するそのプロセスは、総合的な管理が求められる海洋・沿岸域の問題に実効性ある解決策を提示し、世界の海が抱える課題解決への確かな針路を示すものと期待される。

●プラごみ汚染を減らすためのアプローチ
(国研)国立環境研究所資源循環社会システム研究室室長◆田崎智宏

プラスチックごみ汚染の国際ルールの交渉はなかなか進まないが、対策の手を緩めることは将来世代へのツケ回しとなる。対策は@消費を減らす、A流出抑制する、B代替する、の組み合わせになるが、AとBは政策と技術の役割が大きい。有効な@のために、「計る−気付く−減らす−みんなで取り組む」というアプローチを概説する。

●編集後記
(公財)笹川平和財団海洋政策研究所所長◆牧野光琢

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Ocean Newsletter No.600発行 [2025年12月22日(Mon)]
No.600(特集:気候変動と海)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●1.5℃と2℃の違いと気候変動の見通し
(公財)地球環境戦略研究機関研究顧問◆甲斐沼美紀子

気温上昇が1.5℃から2℃へ進むわずか0.5℃の違いが、社会や生態系に大きな影響を及ぼす。海は人間活動が生んだ熱の90%以上を吸収し、陸上の気温上昇をある程度抑えてきた。一方で、海洋循環の弱化や極域の氷床融解など、「海に潜むティッピング・エレメント」が相次いで指摘され、私たちの未来に深刻な警鐘を鳴らしている。

●日本の気候変動2025〜大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書〜
気象庁大気海洋部環境・海洋気象課大気海洋環境解析センター調査官◆笹野大輔

気象庁は文部科学省と共同で、最新の観測結果や科学的知見を取り入れた『日本の気候変動2025』を公表した。国や地方公共団体等の気候変動対策や影響評価において基盤情報(エビデンス)として利用されることを主な目的としたものである。本稿では、『日本の気候変動2025』の概要等に加え、今回新たに掲載した、海洋生態系への影響が懸念される「貧酸素化」に関する情報を紹介する。

●黒潮大蛇行終息が意味するもの
(国研)海洋研究開発機構アプリケーションラボ主任研究員◆美山透

黒潮大蛇行は日本南岸で発生する大規模な海流の蛇行現象であり、2017年8月から2025年4月まで約7年9カ月続いた。これは過去最長の大蛇行となった。大蛇行の発生は気候や海洋生態系、漁業に広範な影響を及ぼし、沿岸水温の上昇による海洋生物資源への影響が報告されている。また、海洋熱波による蒸し暑い夏や降水量増加など、天候への影響も確認された。大蛇行終息により、今後の生態系や漁業資源の回復が期待されるが、温暖化の進行で楽観はできない。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所海洋政策実現部部長◆渡邉敦

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Ocean Newsletter No.599発行 [2025年11月20日(Thu)]
No.599(特集:海洋汚染とジオエンジニアリング)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●ロンドン議定書における海洋地球工学に関する議論
日本エヌ・ユー・エス(株)環境事業本部環境調和ユニット◆大河内優美
日本エヌ・ユー・エス(株)シニアアドバイザー◆岸本幸雄

ロンドン議定書は廃棄物の海洋投棄を原則禁止しつつ、例外的に二酸化炭素(CO2)など特定の廃棄物については許可の下で投棄を認める国際条約である。本稿では、CO2の海底下地層への貯留および海洋地球工学(ジオエンジニアリング)に関する改正内容や近年の議論の状況について紹介する。また、これらの分野における今後の課題についても述べる。

●海洋の二酸化炭素吸収能力の強化技術とは
(国研)海洋研究開発機構地球環境部門上席研究員◆本多牧生

大気の約60倍の二酸化炭素(CO2)貯蔵能力をもつ海洋は、地球上のCO2濃度を調整する役割を果たしてきた。しかし、産業革命以降、自然の貯蔵力を超える量のCO2排出が続き、地球沸騰化とも呼ばれる状況を招いている。本稿では、積極的な温暖化緩和策の一つとして、もともと高い海洋のCO2吸収能力を人為的にさらに高めるための技術(mCDR)を紹介する。

●医薬品による河川・海洋の汚染〜生態系への影響は?〜
長崎大学海洋未来イノベーション機構 機構長/教授◆征矢野清

われわれは、日常の中で多くの医薬品を使用している。これらの医薬品は、下水処理場を通して水域に放出されており、そこに暮らす生物に影響を及ぼすことが明らかになりつつある。中でも神経系に作用する医薬品は、魚類の行動や繁殖に異常を引き起こす。医薬品は、人々の健康維持に欠くことができないことから、その生物影響を正しく理解し、共生のあり方を考える必要がある。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所主任◆藤井麻衣

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Ocean Newsletter No.598発行 [2025年10月20日(Mon)]
No.598(特集:海洋生物)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●「知ること」からはじまる海の未来
〜深海洞窟から子どもたちへつなぐ、いのちの多様性〜

(国研)海洋研究開発機構地球環境部門臨時研究補助員◆鳴島ひかり

深海洞窟探査チーム「D-ARK(Deep-sea Archaic Refugia in Karst)」は、沖縄県大東諸島を舞台に、深海洞窟を探査し、その周辺に生息する生物多様性の調査に取り組んでいる。アウトリーチにも力を注いでおり、航海調査中の調査船と島の小中学校をオンラインでつなぐ特別授業や、水族館での展示企画を通じて、調査成果の発信に努めている。

●石灰藻サンゴモ類の研究最前線:生物多様性からブルーカーボンまで
広島大学瀬戸内CN国際共同研究センター准教授◆加藤亜記

サンゴモ類は、体を石灰質で石のように硬くする「石灰藻」の代表的な存在である。約20年前から、海洋酸性化の影響を受けやすい生物として研究が盛んになり、最近では主にサンゴモ類で形成される藻場が、生物多様性を維持し、ブルーカーボンとしての可能性を持つ重要な沿岸生態系の1つであることが理解され始めた。本稿では、サンゴモ類に関する近年の研究について概説する。

●水族館発、都市圏での里海づくりの挑戦
(一社)須磨里海の会会長◆吉田裕之

須磨海浜水族園で漁業者とともに2010年から始めた里海活動は、市民や地域の多様な主体との信頼関係を築く端緒となった。それは須磨里海の会の結成につながり、里海活動はアサリの再生や藻場づくりを通して、恵み豊かな海を目指している。また、里海で得た海の生き物や環境の情報が、市民への環境教育と啓発活動に活かされることで、養浜された須磨海岸の価値向上につながり、里海を長く続ける意義となっている。

●水産都市気仙沼の課題とデジタル化の取り組み
気仙沼漁業協同組合組合長◆齋藤徹夫

生産年齢人口が激減する地方の水産都市は近年、海洋環境の大きな変化の荒波にさらされている。不確実性を増す漁業、水産業の効率化、省力化、生産性の向上をデジタル化によって目指す取り組みが気仙沼で始まっている。

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●トランプ政権の外交政策の太平洋での航路
笹川平和財団海洋政策研究所 島嶼国・地域部客員研究員◆Jenna J LINDEKE

2025年1月の就任以来、米大統領は自国が直接的利益を得る「取引型外交」へと大きく方針転換した。新たな関税制度、米国国際開発庁(USAID)の解体、開発・気候関連予算の大幅削減が行われ、太平洋島嶼国では、国内バリューチェーンの損傷、信託基金の縮小、援助機関での大量解雇、緊急対応資金の大幅な制限を招いた。中国を含む他のドナーがこの空白を埋める可能性は低く、今後は創意と協調が不可欠である。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所主任◆藤井麻衣

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Ocean Newsletter No.597発行 [2025年09月24日(Wed)]
No.597(特集:アフリカの海)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●アフリカ開発会議と持続可能なブルーエコノミー
笹川平和財団上席研究員◆小林正典

日本財団とササカワ・アフリカ財団の協力のもと、笹川平和財団は、2024年の夏から日本の政府機関や民間企業の幹部等を交えたハイレベル専門家会議を計4回開催し、在京アフリカ外交団との協議を経て、提言書を作成した。この夏の首脳会議の議論を踏まえて、私たちが目指すべき連携のあり方を見極め、ブルーエコノミー分野での日・アフリカ協力の進展に繋げていきたい。

●アフリカ南部の脱炭素化の取り組み
南アフリカ国際海事研究所戦略プロジェクト・国際化担当ディレクター◆Nwabisa MATOTI

ナミビア、アンゴラ、モザンビーク、南アといったアフリカ南部諸国は、代替燃料と再生エネルギーへの移行策を進めている。脱炭素化への道のりは、化石燃料に大きく依存してきたアフリカ諸国にとってインフラ・資金・合意形成など多くの課題を伴い、アフリカと他地域の国際連携が気候変動緩和の鍵となる。

●西インド洋(WIO)の海洋食料危機回避に向けた協調
ネルソン・マンデラ大学(南アフリカ共和国)/サウサンプトン大学(英国)教授◆Michael ROBERTS

西インド洋では温暖化や海洋熱波により漁獲が各地で減少中で、海洋・沿岸生態系は15年以内に崩壊し、人が得られる海産食料は大幅に減少すると見込まれる。このような気候危機を防ぐには、国際的な注目とリーダーシップが欠かせない。今後、2回の国際サミット開催により、各国政府と国際機関へ科学的証拠を提示し、緊急実行向けの国際緩和行動計画の策定を目指す。

●セネガルにおけるJICA水産事業の軌跡とこれから
元JICA経済開発部農業・農村開発第一グループ第二チーム ジュニア専門員◆石井潤

(独)国際協力機構(JICA)は約50年にわたりセネガルで水産分野の協力事業を実施してきた。特に技術協力を通じた漁民と行政による共同管理において顕著な成果を上げており、周辺国にも展開されている。2024年に策定したJICAクラスター事業戦略「水産ブルーエコノミー振興」に基づき、2025年6月からは流通・販売面の改善を図り漁民の生計向上に資する新たな協力事業を開始し、セネガルを主とした西アフリカにおいて水産ブルーエコノミーの振興に取り組む。

●マダガスカルにおける環境意識の高まり
国立民族学博物館教授◆飯田卓

グローバルな気候変動や生活近代化による漁獲圧の高まりは、日本から遠いマダガスカルにも影響を及ぼしている。この国の村落部では、情報環境が日本などと異なるため、科学に対する信頼性が日本ほど高くない。しかし科学はおおいに期待されている。そのニュアンスを伝えるため、本稿では、マダガスカルの人々による環境保全の取り組みについて述べよう。

●事務局だより
瀬戸内千代

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第18回海洋立国推進功労者表彰

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Ocean Newsletter No.596発行 [2025年08月20日(Wed)]
No.596(特集:海底資源開発)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●深海底の鉱物資源開発における環境影響評価義務
法政大学兼任講師◆菅野直之

深海底の鉱物資源開発においては、開発と環境保護を両立させるための環境影響評価(EIA)が重要であり、その実施は国際法上の義務となっている。本稿は、深海底の鉱物資源開発を管轄する国際組織である国際海底機構(ISA)が定めたEIAの手続の概要を紹介する。また、BBNJ協定が深海底の鉱物資源開発におけるEIAに与えうる影響についても若干の検討を行う。

●国際海底機構による環境しきい値作成の取り組み
(独)エネルギー・金属鉱物資源機構金属担当審議役、神戸大学海洋底探査センター特命教授、国際海底機構法律技術委員◆福島朋彦

海底鉱物資源開発による環境影響の懸念からグローバル企業、科学者・専門家、保険会社そして一部の国から否定的な意見が示されている。一方で国際海底機構もさまざまな取り組みを通じて開発と環境の調和を図るために努力してきた。そのひとつが環境しきい値の策定である。環境しきい値は、実効性、具体性、透明性などの点で期待されているが、適切な値を生み出すのは容易ではなく、関係者が知恵を絞っているところである。

●日本のレアアース資源確保への挑戦
内閣府SIP第3期「海洋安全保障プラットフォームの構築」プログラムディレクター◆石井正一

内閣府のSIP第3期「海洋安全保障プラットフォームの構築」では、海洋国家である日本にとって安全保障上重要な海洋の保全や利活用を進めている。研究開発の成果を社会実装するとともに、海洋の各種データを収集し、資源の確保、気候変動への対応などを推進するプラットフォームの構築を図る。本稿では、3年目を迎えた同プログラムの取り組み状況を概説する。

●地球深部探査船「ちきゅう」が目指すもの
(国研)海洋研究開発機構研究審議役(COP3)◆江口暢久

地球深部探査船「ちきゅう」は、地球生命科学目的で海底下を深く掘削する大型探査船である。50年以上続いてきた国際海洋科学掘削に貢献し、多大な成果を上げてきた。また「ちきゅう」は科学掘削に加え、レアアース採取技術を開発し資源探査にも貢献している。

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公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所主任◆藤井麻衣

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Ocean Newsletter No.595発行 [2025年07月22日(Tue)]
No.595 海の日記念号 (特集:SDG14)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●海洋科学と政策の結節点─国連海洋会議からその先へ
米国ウッズホール海洋研究所(WHOI)所長◆Peter B.de MENOCAL

ウッズホール海洋研究所(WHOI)は世界最大の民間海洋研究機関であり、基礎・応用の両面から海洋に関わる根本的課題の理解を深め、その知見をもとに喫緊の課題に挑んでいる。現在は、炭素循環の解明や海洋二酸化炭素除去(mCDR)といった課題の最前線で研究を進めている。

●東京科学大学が推進する「スマートオーシャン」の未来
東京科学大学副学長◆阪口 啓
東京科学大学特任専門員◆渡邉文夫

東京科学大学では、目指す社会変革の姿を「よき地球・よき社会・よき生活」の3つのビジョンで示している。「スマートオーシャン」では、漁業などのフィジカル空間とAI・デジタルツインのサイバー空間の連携により、地球環境・未来産業・食料安定供給・健康安心生活などが連鎖して「よき未来のオーシャン」に貢献できるエコシステムを超スマート社会推進コンソーシアムと共に構築することを目指している。

●ITで海洋ごみ問題に挑む〜データの可視化がもたらす変革〜
(株)ピリカ代表取締役◆小嶌不二夫

海洋ごみの問題は、ごみの流出経路や分布が十分に把握されていないことが課題である(株)ピリカではITを活用して、ごみの流出や分布を可視化し、国内外にて効率的かつ効果的なごみ回収とデータに基づく施策を促進している。収集データを公開することにより、地域住民の環境意識向上や環境教育プログラムの策定にも役立てている。企業・自治体・市民が連携して、それぞれの役割を果たすことが重要である。

●佐久島の海を守る〜子どもたちが主体で行うアマモの保全活動〜
愛知県西尾市交流共創部佐久島振興課 課長補佐◆三矢由紀子

愛知県三河湾に浮かぶ人口170人の佐久島では、本土側からの通学者が半数以上を占める小中一貫の義務教育学校「しおさい学校」において、子どもたちが主体となってアマモ再生活動に取り組んでいる。この活動は2025年度で23年目を迎え、海の保全・再生と学びの場を同時に創り出してきた。人口減少に直面する離島振興の柱の一つとして、この灯を絶やさず、共に歩み続けたい。

●編集後記
(公財)笹川平和財団海洋政策研究所所長◆牧野光琢

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