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海洋政策研究所ブログ

海洋の総合管理や海事産業の持続可能な発展のために、海洋関係事業及び海事関係事業において、相互に関連を深めながら国際性を高め、社会への貢献に資する政策等の実現を目指して各種事業を展開しています。


海のジグソーピース No.23 <「モアナと伝説の海」を観て、島の将来と移転問題について考えました> [2017年03月22日(Wed)]

 「私たちは、風と空を読む。お日様が高いときには、海の長さにあわせて船をこぐ。海にそよ風が吹いてるときは、夜空の星ぜんぶの名前を言える。私たちには分かる、今どこにいるかが♪」

 最近、公開されたディズニー映画「モアナと伝説の海」の中で、主人公の16歳の少女「モアナ」が海に出るときに流れる曲、「自らの進む道を知っている」“We know the way”の一節です。モアナは、ハワイ語で「海」という意味。勇敢なモアナは、島と海と愛する島の人々を守るために大海原へ航海に出ます。

 モアナの故郷は、南太平洋のサモアという火山島と環礁からなる島嶼国家という設定です。そして、“We know the way”を作曲したOpetaia Foa’iという男性アーティストは、南太平洋のニュージーランド自治領・トケラウ諸島の出身。彼の父母はそれぞれトケラウとツバルの出身です。実は、このトケラウ諸島とツバルに加えて、マーシャル諸島共和国、キリバス共和国の4つの島嶼国家・自治領は、いずれも太平洋の環礁というサンゴ礁の隆起・沈降によりできた標高の低い環状の陸地と、それが取り囲む水面(ラグーン)からなり、地球温暖化とその結果によって起こる海面上昇によって、沿岸域の海水による浸食、さらには国土存続の危機に瀕しているのです。

 今後30から50年の内に、キリバス共和国(人口:92,000人)、マーシャル諸島共和国(人口:52,000人)、ツバル(人口:9,000人)では、気候変動による海面上昇で国土の大半が水没してしまうことが予想されています。迫りくる国家の危機に対して、これらの国々は主に3つの手段を講じて対応しようとしています。一つ目は、防潮堤の建設や国土の埋め立てというハードのアプローチ、二つ目は国内での移転、三つ目は国外への移転です。例えば、キリバスの前大統領アノテ・トン氏は、「尊厳ある移住(Migration with dignity)」政策を掲げ、キリバス国民が、将来スムーズに国外移転できるように、先手を打ってフィジーに土地を購入し、移民先で困らないよう職業訓練プログラムの充実を図るなどの施策を実施していました。

 2016年7月に私自身、現地調査でキリバスの首都タラワがある環礁を初めて訪れました。キリバスの平均海抜は約2mという非常に低い陸地なのです。飛行機の上空から見ると、サンゴ礁の輪から成る指輪のような国土が目に入り、降り立ってみるとその細長い土地に一本道が走り、島をほぼ一周しています。その道を走ると両側に海とラグーンが見えます。土地の横幅は、500m程度のところもあったかと思います。寝ている間に波の音が聞こえると、ホテルごと波をかぶってしまうのではないかと、正直少し怖かったのを覚えています。

 現在のところ、「気候変動難民」に関する国際法上の定義や支援の枠組みは未整備です。今後、移転を余儀なくされると予想されている島嶼国の住民の国際的な移転、移転先のホストコミュニティーとの融和、生活再建などの方法論を確立することは、国際社会にとって実は火急の課題なのです。また、パリ協定などの新しい国際的な枠組みを踏まえて、 移転問題を、気候変動対策の適応策の一環としてしっかりと位置づけ、太平洋島嶼国の地域計画や国家計画に組み込んでいく必要もあるでしょう。当研究所は、東京大学や環境法研究所(アメリカ)、国際自然保護連合(IUCN)オセアニア事務所(フィジー)などと協力して、気候変動と環境避難民問題に関わる課題と支援策についての議論を進めており、2016年12月6-8日に当財団で開催された第2回「島と海のネット(IOネット)」総会・専門家会合でもこの問題を取り上げ、活発な意見交換を行いました。

前川1.jpg

IOネット総会・専門家会合「気候変動と環境避難民問題に係る課題と
事業形成の可能性について」参加メンバー

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キリバス共和国の空撮写真(著者撮影)

 「モアナと伝説の海」では、一人の少女の勇気ある行動によって、命の女神テ・フィティは「心」を取り戻し、偉大なる海と島の自然、そして島の人々は救われました。(これから観る方は、ごめんなさい!)

 果たして、私たちは、自らの進むべき道を知っているのでしょうか? ♪♪♪

海洋政策チーム主任研究員 前川美湖

海のジグソーピース No.22 <公法学との出会い> [2017年03月15日(Wed)]

 わたしが現在専門にしている公法学との「出会い」はいつかということからお話ししますと、常に「出会い」の連続なので、特定の時点を挙げるのは難しいのですが、興味をもち始めたという意味では、大学法学部の学生の頃、偶然に手に取った憲法の教科書の裏表紙に書かれていたニーチェの言葉を見た時が初めての「出会い」だったような気がします。もう20年近く前のことなので、どなたが書いた教科書だったかは忘れてしまいましたが、そこには「怪物と戦おうとするものは、そのために、自らも怪物と化さぬよう心せよ」という言葉が引用されていました。その解釈は人それぞれでしょうが、当時、その言葉を初めて目にしたわたしは、ナイーブにも、その中に自分の私生活における教訓を見出すとともに、民主主義を標榜し、抑圧的な政府の打倒を目指して戦ってきたはずの人たちが、自らが権力を手にすると途端に、同じくまたはそれ以上に抑圧的な政治を行ってきた歴史的事例(程度の差こそあれ、今でも多く見られる事実かもしれませんが)を思い浮かべました。その時から、漠然と、公法とは何を規律し、それを研究対象とする公法学とはなにを目指すものなのか、真に知りたいと思うようになったと記憶しています。

 公法とは、国家とその国民との関係を重要な規律対象の一つとする法分野です。その中には人間が生まれながらにして有しているとされる基本的人権の保障も含まれています。よく私人の間でも人権侵害が問題とされることがありますが(例えば、雇い主からの不当な解雇や近隣の住民からの住環境の侵害等)、原則として、公法は私人間には適用されません。ただし、国家と国民といった権力関係を前提としなくとも、実際に他人の生活や意思決定に影響を与える立場にある私人の行為を公法の側からも規律しようとする流れが、憲法学における人権の私人間効力論に見られるように、近年多くの法領域で見られるようになってきているように感じます。そのような発見が、わたしと公法学との新たな「出会い」と呼べるかもしれません。

 わたしの専門は国際公法ですが、それは伝統的に「平等な」主権国家間の関係を規律してきたという意味では、わたしは私法的性格が強いのではと考えていますが、あらゆる国家とその国民との関係に関する規律が拡大してきている点で、やはり公法の一分野なのだろうと思います。特に21世紀に入って、情報技術が発達し、グローバル化が進行する中で、主権国家以外のアクターが私人に対して直接・間接に一定の権力を行使する場面が増えてきています。その代表的なものが国際機関で、特に世界銀行をはじめとする国際金融機関の政策は、具体的なプロジェクトを通じて、現地の先住民族の人権や環境といった利益に大きな影響を与えます。現在、スタンダードな国際法の教科書では国際機関は一般的に取り上げられており、近年では国際機関と私人の関係についての研究も進んできていると思われます。

 他方で、例えば、NGOのような私的団体が、利益追求という目的にかかわらず、環境や人権という価値に基づいて、製品の認証を行うというように、従来国家が行ってきた任務を私人が行うという現象もいたるところで見られます。いわゆる「海のエコラベル」等のような、持続可能な形で生産された産品の購入を促すために実施される認証制度は、世界中で400以上あるといわれています。そのような私人による事実上の規制の結果、影響を受ける人たちの救済をどのようにはかることができるか、それが今のわたしの主たる関心です。

 以上、雑駁ですが、公法学との「出会い」にはじまり、わたしの最近の関心についてお話ししました。

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国際的な法律問題に判断を下すICJの法廷 (出典:国際司法裁判所(ICJ))

海洋政策チーム 村上 悠平


海のジグソーピース No.21 <国家管轄権外区域の海洋生物多様性(BBNJ)をめぐる外交交渉の現状とその展望> [2017年03月08日(Wed)]

 現在、海洋政策研究所が取り組んでいる事業の一つに「国家管轄権外区域の海洋生物多様性(BBNJ)に関する国際動向の調査・研究」があります。当研究所がこれまで実施・関与してきた活動については、当研究所ホームページにて紹介されておりますのでそちらを参照いただければと思いますが、今回は、自身の研究及び外交交渉を含む実務での経験を踏まえ、BBNJをめぐる外交交渉の現状とその展望に関して若干の解説をしたいと思います。

 現在、国連ではこの「BBNJの保全と持続可能な利用」に対応するため、国連海洋法条約(UNCLOS)の下に新しい国際条約を作るべく交渉が続けられております。BBNJに関する問題のため国連(総会)が決定したことは次の3点です。(1)政府間の条約交渉に先立ち、国連の下に準備委員会を設置し、2016年から2017年末にかけて、新条約案の要素(elements)を検討すること。(2)準備委員会の進捗を踏まえ、国連総会の第72会期(2017年9月〜2018年9月)の終了までに、実質的な条約交渉を行うための政府間会合の開催の可否・日程を決めること。そして(3)交渉のパッケージとして、@海洋遺伝資源(利益配分を含む)、A区域型管理ツールのような措置(海洋保護区を含む)、B環境影響評価、C能力開発及び海洋技術移転のトピックを総合的に検討することです。

 2017年3月現在は、(1)にあるBBNJ準備委員会の第3回会合を控えた状況であり、残すところそれも2017年7月に開催予定の第4回会合の1回となりました。その後は、国連総会での決定を受け、2018年早々には条約交渉のための政府間交渉会合が設置されるのではないかと考えられております。そのBBNJ交渉の論点と外交交渉における主な構造は以下のとおりとなります。

 @の海洋遺伝資源(利益配分を含む)に関して、国連海洋法条約は、「(海洋)遺伝資源」及びその「利益配分」に言及をしていないことから、新条約における資源の定義と法的位置づけが論点とされています。やや乱暴に整理をすれば、魚類等と同じく基本的には誰でも自由に利用できるのか、それとも深海底の鉱物資源のように「人類の共同財産」として国際的に管理されるべきか、ということです。この点をめぐっては、深海底の鉱物資源と同様に人類の共同財産であるとして、その利益配分と国際管理を主張する途上国グループ(G77+中国)と、海洋遺伝資源に対する人類の共同財産原則の適用を否定する主要海洋先進国、並びに、人類の共同財産への言及は避けつつも、海洋遺伝資源の利益配分に肯定的な見解を示すEU等との間で意見が対立しています。

 Aの区域型管理ツールのような措置(海洋保護区を含む)とは、特定の活動を規制するためにより高い保護措置を講じることを目的とした空間管理や特定の活動規制などの手段のことを指し、「海洋保護区」はその代表的な手段の一つとされています。問題は、その管理措置の対象や基準、管理・監視の方法であり、公海や深海底に誰が、何を基準に設置し、どのように管理をしていくのかが論点とされています。この点をめぐっては、EUや豪州、ニュージーランド、米国等が海洋保護区の要素を積極的に支持していますが、G77+中国や漁業先進国は、海洋保護区を全面的に否定はしないものの、漁業規制を目的とした海洋保護区に対しては否定的な立場を取っており、地域漁業管理機関(RFMOs)といった既存の枠組みの下での取り組みを尊重すべきであると主張しています。

 Bの環境影響評価に関しては、新しい要素ではなく、既に国連海洋法条約の第204条から第206条において言及されていますが、国家管轄権外区域の活動に対する環境影響評価についてはその評価の基準や方法が確立していないため、BBNJに関連していずれの活動が対象となるのか、その実施主体、事前事後の実施を含め多くの点が不明確なままです。環境影響評価に関しても、既に国連海洋法条約に根拠があることから正面から反対を主張する国はいないものの、BBNJ新条約が全ての枠組みに優先すべきであると主張するEU及び一部の途上国と、既存の枠組みの下での取り組みとの重複を避けるべきであるとして、あくまで補完的役割を主張する一部の先進国との間で意見が分かれています。

 Cの能力開発及び海洋技術移転に関しては、既存の枠組みでの取り組みが不十分であるとして、主に途上国(G77+中国)が強く要請している要素でありますが、どの範囲までの能力開発・海洋技術移転を言うのか(BBNJに限定されるのか否か)、財政支援も含めるのか、知的財産権の保護との調整をどのように図るのか等含め、未だ意見は収れんしていません。

 このように、4つの主要論点をめぐる各国(各グループ)の立場は多様であり、様々な取引(deal)が成立しうる状況にあります。また、これら主要論点以外にも、新しい条約の組織事項や遵守メカニズム、紛争解決手続きといった「分野横断的事項(cross-cutting issues)」についても多数の論点が挙げられており、BBNJ交渉をめぐっては、未だ条約の文言交渉に入れる程には議論が収れんしていないように思われます。

 BBNJ条約交渉の今後の展望ですが、実際のところは、4回の準備委員会会合での議論の結果、どのような条約案の要素が採択されるかによるため、現時点では何とも言えないというのが実際のところです。2017年3月現在、2回の準備委員会での議論を踏まえて作成された非公式のテキスト案では100ページ以上、1000個以上の要素が提起されており、これを条文案として精緻化するのは容易なことではないことが予想されます。なお、合意形式や参加国の数、交渉背景が異なるため、単純に比較はできませんが、国連海洋法条約や生物多様性条約といった関連条約の採択に要した時間を考えると、近年の傾向からは、たとえ長い条文案であったとしても比較的短い期間で条約が採択される可能性もあります。

(参考:条約交渉期間の比較)
・国連海洋法条約
 交渉期間:1973年から1982年の約10年間、計11回の会期、延べ93週間の交渉
・深海底実施協定(第11部実施協定)
 交渉期間:1990年から1994年の約5年間、計16回の非公式協議(非公式協議のため延べ
 日数は不明)
・公海漁業実施協定
 交渉期間:1993年から1995年の3年間、計6会期、延べ12週間
・生物多様性条約
 交渉期間:1988年から1992年の5年間、計13会期、延べ18週間(政府間交渉会合のみで
 言えば、1991年から1992年までの2年間、計5会期、延べ10週間。)
・名古屋議定書
 交渉期間:2008年から2010年の3年間、12回の関連会合、延べ約13週間(条約案が提示
 された2010年3月からの場合、わずか1年足らず、約5週間。)
(※いずれも、条約案の構成要素の作成段階を基準に算定。)

 海洋の科学的調査や漁業、鉱物資源開発含む、公海や深海底の積極的な利用を進める我が国にとって、このBBNJ交渉の影響は決して小さなものではありません。他方で、海洋空間や海洋資源の管理強化が主流となっている現在、かつてのような自由放任を主張することはもはや受け入れられない状況にあります。今後は、利用・管理・規制のバランスを考慮しつつ、「BBNJの保全と持続可能な利用に関する新しい条約」の策定という国際立法によって何を実現するのか、具体的かつ現実的な提案をしていくことが必要になるでしょう。その意味で、当該分野における技術、知見、実行を有する数少ない国として、我が国の役割が期待されます。

海洋政策チーム 本田 悠介


Ocean Newsletter No.399 [2017年03月06日(Mon)]
No.399が完成いたしました。

『Ocean Newsletter』は、海洋の重要性を広く認識していただくため、
海洋に関する総合的な議論の場を皆様に提供するものです。 
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●大震災から持続可能なまちづくりを目指して
宮古市議会議員◆橋本久夫

東日本大震災や台風10号からの復興に向かって、震災の歴史を「正しく伝える」
努力を継続しながら、今後のまちづくりの中で地域文化の創出に取り組むことが重要である。
地域の歴史・文化は風土に根ざし、人々の暮らしと関わることで形づくられてきた。
社会の変化、災害からの復興の中で歴史の重層性を踏まえて、さらなる文化振興につなげていきたい。

●共生の可能性を問う〜東日本大震災の記録と津波の災害史〜
リアス・アーク美術館学芸係長◆山内宏泰

リアス・アーク美術館常設展示『東日本大震災の記録と津波の災害史』では、
津波災害を被災地域の歴史的、文化的、社会的要因によって被害規模が変化する
人災的災害と認識する必要性を説いている。
「自然災害との戦い」という意識を捨て「地球環境と分け合う」生き方、
防災構造物に頼らない生き方を学び、新たな価値観として定着させ、
文化を進化させる方法を考えるための展示とはいかなるものか、その可能性を問う。

●三陸から水産業に革命を起こす
(一社)東の食の会事務局代表 ◆高橋大就

東北地方の水産業は、震災で壊滅的な被害を受けた。
岩手、宮城、福島の水産業者が地域の枠を超えて連携する「フィッシャーマンズ・リーグ」は、三陸を復興させ、水産業全体を自ら変えようと、次世代を担うリーダーたちの育成と
「三陸ブランド」の確立を目指している。

●編集後記
ニューズレター編集代表
山梨県立富士山世界遺産センター 所長◆秋道智彌

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Posted by 五條 at 17:15 | Ocean Newsletter | この記事のURL | コメント(0)
海のジグソーピース No.20 <全国アマモサミットと沿岸域総合管理 (ICM)> [2017年03月01日(Wed)]

 今回は全国アマモサミットと沿岸域総合管理【Integrated Coastal Management(ICM)】モデルサイトとの関係について紹介したいと思います。

 「全国アマモサミット」とは、「アマモ」と「アマモ場」を象徴的なキーワードとして、海の自然再生・保全を目指して2008年に開始された会議で、これまで全国各地の海とその沿岸地域が“抱える課題”をテーマに、市民、高校生、地域団体、行政、研究機関など職業や立場、世代が異なる様々な分野の皆さんの活動紹介と意見交換が行われているものです。

 アマモ(甘藻(学名:Zostera marina))とは、「海草」の一種で、海中に生育する種子植物を指し、胞子で増える「海藻」とは異なります。別名に「リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ(龍宮の乙姫の元結の切り外し)」という長い和名を持つことでも知られています。アマモは波浪の影響を受けにくい内湾の静穏な砂泥域に群生し、アマモを中心とした海草の群落を「アマモ場」と呼びます。アマモ場は付着生物や底生生物の生息場、それらを餌とする魚類の産卵・摂餌・保育場、地下茎を張ることによる地盤の安定化などの多様な機能を有すると考えられています。

 全国アマモサミットのこれまでの9回(9か所)の開催のうち、当研究所で展開している「沿岸域総合管理」のモデルサイト事業と協力関係にある都市での開催は2ヵ所で、2012年の福井県小浜市における「第5回全国アマモサミット2012 in 若狭」と2016年の岡山県備前市における「第9回全国アマモサミット2016 in 備前(テーマ:備前発!里海・里山ブランドの創生〜地域と世代をつなげて〜)」です。そして、本年11月には、上記の2ヵ所に加えて、三重県志摩市で「第10回全国アマモサミット2017 in 伊勢志摩」が開催される予定となりました。

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全国アマモサミット開催地


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備前市(左)から志摩市(右)への引継ぎセレモニー


 私自身は幸運なことに志摩市での開催準備に向けて、イベント自体を学ぶことを前提に2016年備前市での開催に参加させていただきました。初日の学術色の強い「沿岸環境関連学会連絡協議会ジョイント・シンポジウム」から始まり、日生(ひなせ)中学校生徒による演劇『海に種まく人々』、最終日の高校生サミットまで、関係の皆さんの漲る熱い思いやパワーと一体感は本当に凄かったという一言です。詳細はとても語り尽くせないので、全国アマモサミット2016 in 備前の実行委員長である田中丈裕氏に当財団発行のOcean Newsletter386号にもその模様をご報告いだいており、詳細はそちらをぜひご参照ください。

 全国アマモサミットは会議としてのイベントの意味合いが強いこともあり、その活動自体が沿岸域総合管理そのものではありません。全国アマモサミットの開催後、備前市では、全国アマモサミットの開催を活かし、活動を発展・継続していくことを念頭に2017年2月6日に「備前市里海・里山ブランド推進協議会 with ICM」が立ち上がりました。

 この協議会は、沿岸域総合管理【Integrated Coastal Management(ICM)】の手法を用いて、様々な関係者が集い協議できる組織で、備前市が保有する「資源を生かしたまちづくり」を推進していくための事業計画や方針を協議していくこととされています。

 このように全国アマモサミットの開催を契機として、関係者が話合う場をつくることで、さらに活動を拡大しながら継続していくための場としての協議会を立ち上げる機運につなげたいという地元の方々の思いがあってこそ、沿岸域総合管理の手法を用いた地元の活動につながっているのです。

 今年の開催都市である、三重県志摩市では既に里海創生推進協議会という沿岸域総合管理の手法を用いた協議会が立ち上がっています。今回は全国アマモサミットを通じて地元の方々にこれまでの活動を浸透させていきたいという思いが沿岸域総合管理の手法の中で活かされていくことになります。そこで、2017年1月31日に全国アマモサミット2017 in 伊勢志摩 実行委員会が立ち上がりました。また、2017年3月20日にキックオフイベントも予定されております。
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全国アマモサミット2017 in 伊勢志摩』キックオフイベント
「豊かな海の再生に向けて〜みんなでやろや!〜」

2017年3月20日(月・祝)13時00分〜16時45分
阿児アリーナ・ベイホール(詳細はこちらをご覧ください)

『全国アマモサミット2017 in 伊勢志摩』
開催予定日:2017年11月11日-12日 


 ぜひ全国アマモサミットを通して、沿岸域総合管理の手法も知っていただければと思います。当財団が行う沿岸域総合管理の取り組みについては、「海を活かしたまちづくり〜沿岸域総合管理(ICM)の実践を目指して〜」ブログでも紹介しています。ぜひご覧になってください!

海洋政策チーム 藤重香弥子

海のジグソーピース No.19 <北極国際ワークショップ「Workshop on Arctic Governance in Tokyo 2017」を開催して> [2017年02月22日(Wed)]

 トランプ政権は地球温暖化に対し否定的な見方を示しているようですが、気温の上昇が大きな影響を与えている地域のひとつが北極域です。地球温暖化によって氷が減り、新しい北極海航路の開通や、豊富な石油・天然ガス・鉱物資源の開発が活発化するなど、可能性が広がっていることはご存じのとおりです。ただし北極は環境変化に脆弱で、ダメージからの回復力が弱いうえ、影響が全地球的に及んでしまうことが分かっています。今後産業活動を進めていく過程では、北極で暮らしている先住民の生活や生態系を脅かさないよう、細心の注意を払わなければなりません。北極を持続的に開発していくためには北極海沿岸の国だけでなく、欧州や我々日本のようなアジアの国々も含めた国際協力が求められています。

 我が国では2015年10月に北極政策が策定されましたが、当研究所でも20年以上前から北極海の持つ可能性に注目し、日本財団の支援のもと、これまで様々な事業を行ってきました。14か国約400人の研究者による国際共同プロジェクトや、ロシアの氷海商船により横浜からノルウェーまで試験的に航海を行った様子は、当研究所のウェブサイトに掲載されている報告書からご覧いただけます*。また2013年からは、前年に北極海の海氷面積が過去最少となったことを受けて北極海航路セミナーを開催し、毎年多くの皆様に参加していただきました。

 そういった北極関連事業のひとつとして、2017年2月2日〜3日にかけて、北極圏7か国と日本を含むアジア5か国、計12か国から専門家を招いて、国際ワークショップを開催しました。このワークショップは、北極域の持続的な開発と急速に変化している環境の保護に向け、我が国を含むアジア諸国がどのような考えを持っていて、具体的にどのような貢献・協力をしていけるのかなどについて議論・発信を行う場として、今後継続的に開催する予定としています。
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北極国際ワークショップの様子

 第1回目となる今回は、最新の情報共有、北極諸国とアジア諸国の相互理解・関心事項の確認、今後の協力に向けた基盤づくり等を主な目的として掲げ、2日間にわたって議論を行いました。今回のワークショップは招待者のみによる会議でしたが、開催概要については取りまとめができ次第、ウェブサイト等で発信していく予定です。

 さて、以下の写真はワークショップ終了後に設けた都内ミニツアー(浅草)での様子です。当日は2月3日、ちょうど節分だったので豆まきが行われており、大変賑わっていました。豆まきの由来や豆の種類、また観音さまの前には鬼はいないという考えから浅草寺では通常の「鬼は外」とは唱えない、といった豆知識が説明されると、参加者は興味深く耳を傾けていました。難しい議論も必要ですが、たまにはこういった日本の文化に親しんでもらい、また日本に来たいと思ってもらえるような時間をつくることも重要です。お薦めのスポットなどご存じでしたら、ぜひともご紹介ください。

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都内ミニツアー(浅草)の様子


*当研究所の北極域事業に関するページおよび報告書等はこちらのリンクからアクセスできます。

海事チーム 藤川 恵一朗

Ocean Newsletter No.397 [2017年02月20日(Mon)]
No.397が完成いたしました。

『Ocean Newsletter』は、海洋の重要性を広く認識していただくため、
海洋に関する総合的な議論の場を皆様に提供するものです。 
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●海域に浮遊するマイクロプラスチック研究の最前線
九州大学応用力学研究所教授◆磯辺篤彦

海洋に浮遊するプラスチックゴミは、劣化と破砕を繰り返して、
マイクロプラスチックと呼ばれる微細片になる。
これらを海洋生物が誤食すれば、表面に吸着した汚染物質の移行や
成長阻害をもたらす可能性がある。
東アジア海域は、マイクロプラスチックの浮遊量が、他と比較して
一桁多いホット・スポットである。
今後はモニタリング手法を標準化・統一化させ、各国が協調して
浮遊量の現況把握や将来予測に取り組まねばならない。

●海洋酸性化の海洋環境・資源への影響
(国研)海洋研究開発機構地球環境観測研究開発センター研究開発センター長代理◆原田尚美

海洋酸性化は、近年、温暖化に加えて深刻な全球規模の環境ストレッサーとされ、
その進行の把握や海洋生物並びに海洋生態系への影響把握が喫緊の課題となっている。
温暖化による水温上昇、貧酸素化など他の要因と合わせて複合的な海洋環境
ストレッサーに対する海洋生物の応答を定量的に評価するために、
外洋や沿岸域の特に酸性化の懸念される場所を中心に監視観測を実施することが急務である。

●鹿児島水産高等学校の教育活動〜海洋立国推進功労者表彰の受賞にあたって〜
鹿児島水産高等学校校長◆新屋敷盛男

鹿児島水産高等学校は2016年8月、海洋教育活動を評価され、
海洋立国推進功労者表彰を受賞した。
本校では、生徒と指導教官によって海洋観測およびまぐろ延縄資源調査が
行われているほか、上級資格取得への積極的な取り組みに務め、
漁業・海運分野全体の振興・活性化の一端を担ってきた。
今後も海洋教育の活動を発展させ、地域に貢献していきたい。

●編集後記
ニューズレター編集代表
国立研究開発法人海洋研究開発機構アプリケーションラボ 所長◆山形俊男

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Posted by 五條 at 15:48 | Ocean Newsletter | この記事のURL | コメント(0)
海のジグソーピース No.18 <COP22での「オーシャンズ・アクション・イベント」開催について> [2017年02月15日(Wed)]

 本シリーズのNo.13でも話題に上がっておりましたが、当研究所は、昨年にあたる2016年11月に、国連気候変動枠組条約第22回締約国会議(COP22)にてサイドイベントを開催致しました。COP22の本会議場の様子を中心にお伝えできればと思います。

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COP22会場の外側から。奥に会場となるテントが見えます。

 当研究所が主催した「オーシャンズ・アクション・イベント@COP22(Oceans Action Event at COP 22)」は、UNFCCC*の枠組みにおけるパリ協定の公式実施プロセス「グローバル・クライメート・アクション・アジェンダ」の中に位置づけられるイベントの1つです。

 2020年以降の気候変動対策を定めるパリ協定は、前年のCOP21で採択されました(なお2020年までの対策は、京都議定書が定めています)。COP22を待たずにスピード発効したことで日本でも話題になりましたので、ご存知の方も多いかと思います。

 パリ協定が直接拘束するのはもちろん協定を批准した国家ですが、近年の気候変動に関するデータ(IPCC**報告書など)によると、国家の計画する対策だけでは不可逆的な損害が発生するまでに間に合わない可能性があるという見解が出されております。それでは、国家だけではなく産業界や学術界、NGOの力も借りながら気候変動対策を推し進めねば!ということで、UNFCCCでは公式のパリ協定実施プロセスの一部に政府関係機関、国際機関、産業界や学術界、NGOなどを組みこむことの重要性が認識されていました。

 COP22では、このような公式の実施プロセスの一環として各種のイベントが開催されました。公式プロセスによらないサイドイベントも沢山あるなかで、当研究所が本会議場「ブルー・ゾーン」にて開催した「オーシャンズ・アクション・イベント」は何といっても公式実施プロセスのイベント!朝9時半から夜9時まで、まるまる1日をかけて、複数の会場を使って大々的に行われました。そのときの議論の内容は、こちらのサイトで見ることができます。総勢70名にも上る世界各国のスピーカーは、それぞれの立場から提言や研究成果等を報告し、会場では活発な意見交換とネットワークの構築が行われていました。その後公式プロセスには、イベントの成果として「海洋と気候に関する戦略的行動計画:2016-2021」を含めた報告書が提出されています。こちらのページやこちらのページで成果を見ることができますので、ぜひご覧になってみてください。

 今回の出張では、このようなサイドイベントのさなかに新しい協力体制が決定していくのを間近で見ることができました。今後も、当研究所が提供する研究成果とイベント等を通じて、世界的規模の問題解決へ向けた活動を後押ししていけたらと思います。

*UNFCCC:国連気候変動枠組み条約(United Nations Framework Convention on Climate Change)

**IPCC:国連気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)

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サイドイベントの様子。


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ランチ会場。
お昼時はとても混んでいます。

海洋政策チーム 樋口 恵佳

海のジグソーピース No.17 <学校への海洋教育支援制度:パイオニアスクールプログラム、そして海洋教育に思うこと> [2017年02月08日(Wed)]

 海洋政策研究所では2016年度から新しく、学校における海洋教育の支援(助成)制度「海洋教育パイオニアスクールプログラム」を、日本財団・東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センターとの共同で開始した。初年度である2016年度は北海道から沖縄まで28都道府県64校(小・中・高校・特別支援学校)が参加している。各学校からは海洋教育カリキュラム案が申請されるが、防災・漂流物調べ・漁港見学と魚食・干潟観察といった全国共通に設定可能なプログラムから、北域でのサケ学習・地域連携のアマモ場再生活動・伝統製塩・海山の繋がったイカ漁床づくり・サンゴ礁の伝統漁船サバニによる追い込み漁体験など地域の特性を活かしたプログラムまで多種の応募があった。プログラムを見ているだけで、日本列島がいかに南北に長く立地しているかを知らされる。研究所からもいくつかの小学校へ伺って活動を見学したが、磯学習で捕ったカニの生態や、水槽飼育しているサンゴの名前を一生懸命教えてくれる皆さんの姿が印象的だった。教室では大人しく目立たない子が干潟観察では素晴らしいリーダーシップを発揮していた、と先生が話された。

 活動成果の一端は、2月5日東京大学で開催された第4回全国海洋教育サミット「海洋教育の新たな潮流」(東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センター・日本財団主催)にて発表された。当日は全国から教育委員会や内陸部を含む学校、社会教育施設などを含め360名もの参加があり、会場は熱気に包まれた。パイオニアスクールからも13校23件のポスター発表があり、首都圏ほか岩手県洋野町や気仙沼市、那智勝浦町など遠方からも小・中学生の皆さんが参加して真剣に発表していた。大学の先生や他の学校から質問を受けて高校生がハイレベルな議論する場面も見られ、サミットが大変貴重な場であると感じられた。また鹿児島県南さつま市や、始発の新幹線で石川県から参加された熱心な先生達とお話し、人から人へと伝わる熱で海洋教育が浸透していく様に圧倒された。パイオニアスクールではすでに遠く離れた学校どうしが交流して情報交換し、相互にプログラム開発協力する自発的な動きも見え始めている。さらにパイオニアスクールプログラムから周辺地域を巻き込んだ社会教育へと広がりも見せ、大きな可能性が期待される。

 <参考資料>サミットで展示されたポスター:2016年度海洋教育パイオニアスクールプログラム採択校.pdf


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第4回全国海洋教育サミット ポスター発表会場の様子
手前は岩手県立種市高校が展示した南部もぐりに使用する装備一式

 このところの「海洋教育の新しい潮流」は確かに目に見え始めている。けれどもパイオニアスクールの打ち合わせに於いては今でも、議論が進むにつれ「そもそも海洋教育とは何か?」という本題に立ち戻ってしまうことが少なくない。人により海洋に持つイメージや背景は違う。海洋の包括するものは非常に多様なのだ。では私にとって海洋教育とは何だろう?

 私は地球科学の出身で、大学生に地学や生命史の話をする。まだ地球に海洋のない時代から話は始まり、約40億年をかけてヒトにまで繋がる一連の地球と生命の共進化ドラマは感動的だ。その中で印象に残るトピックスが何かと学生に聞くと「生物の海からの上陸」という回答が多い。はるか昔の生物と自分との接点を見つけて感動するという。植物・昆虫・動物は順を追って海からの上陸を果たすが、私たちのはるか祖先もその時に陸上での多くの障害を克服するために体のつくりを変えてきた。しかしそれまで暮らした海の環境を全て捨て去ることは決してなかった。四肢動物は体の中に海の環境を持って上陸したのだ。

 陸上動物が自らの体に持つ海−それは骨。筋収縮や生理活性物質放出などを制御する細胞内情報伝達物質として重要な役割を持つカルシウムイオン。その不足に備えて骨の海にカルシウムは貯蔵されている。またヒト細胞内のイオン濃度は原始の海の、血液中のイオン濃度はカンブリア紀の海の、イオン濃度を反映している。46億年の地球の歴史の中で海水のイオン濃度は何度か大きく変わり、5 億5000万年前のカンブリア紀直前にはカルシウムイオン濃度が飛躍的に増大した。その背景には中央海嶺の拡大速度との関連が言われている*。この時期、豊富な材料を使って炭酸カルシウムの殻をつくり武装した生物が登場する。地球史の時代ごとの海水の化学組成が、多細胞動物の体の方々に記憶・反映されている。

 そのことを知れば「海とともに生きる」と叫ばなくとも、人はずっと昔から既に海と共にある。それなのに海を体に持つその感覚が、今の私たちにはない。だから海洋環境との繋がりも遠く不連続になってしまう。宇宙飛行士は、地球の環境を宇宙服に閉じ込め、それを身につけて初めて宇宙に進出する。今の私たちは、あたかも宇宙滞在が長過ぎて、宇宙服着用の意味を忘れてしまった飛行士のように感じられる。海洋を知ることは、自己を知ること。学校で、その感覚を取り戻すのはどの時間だろう?社会科における海洋教育に偏ることなく**、自然科学と芸術文化を大切にして、子どもが自らの力で気づいて欲しいと願っている。

海洋教育チーム 中村 修子


* 中央海嶺の拡大速度が速い時期とは、玄武岩で構成される海洋プレートの増産時期を意味し、大規模な火山活動と温暖期に相当する。この時、玄武岩の変質によるカルシウム(Ca)の海水への放出と、マグネシウム(Mg)の海水からの取り込みが増加して、海水の Mg/Ca 比は小さくなる(Stanley 2006)。

** 2016年12月の文科省中教審の学習指導要領改訂に関する答申では「社会、地理歴史、公民」の中に「海洋や国土の理解… 等諸課題に対応して必要な内容を見直す」とある。


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顕生代を通じた海洋の化学組成(カルシウムCaとマグネシウムMgの比)の変遷
炭酸カルシウムの結晶構造にはカルサイト(方解石)とアラゴナイト(アラレ石)の2種があり、時代により石灰化生物のつくる殻の結晶構造が異なる

Ocean Newsletter No.396 [2017年02月06日(Mon)]
No.396が完成いたしました。

『Ocean Newsletter』は、海洋の重要性を広く認識していただくため、
海洋に関する総合的な議論の場を皆様に提供するものです。 
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●船舶バラスト水管理条約の発効と課題
(公社)日本海難防止協会海洋汚染防止研究部主任研究員◆水成 剛

船舶のバラスト海水に含まれる生物が沿岸国の生態系を侵害するという船舶バラスト水
問題に関し、2017年9月8日よりIMOのバラスト水管理条約が発効することが確定した。
本稿では、船舶バラスト水問題に関しての説明と今後の課題について述べる。

●21世紀における日本沿岸の海面上昇:そのメカニズムと将来予測
北海道大学教授、第9回海洋立国推進功労者表彰受賞◆見延庄士郎

地球温暖化のさまざまな側面の中でも、社会に大きな影響を与える問題が海面上昇である。
わが国の周辺および沿岸において、21世紀末までにどのような海面上昇が生じるのか、
またそのメカニズムは何であるのかを紹介する。


●楽じゃないけど楽しい未知への挑戦〜手作り水族館から有明海の再生へ〜

やながわ有明海水族館館長◆小宮春平

柳川掘割の在来魚や筑後川のソウギョなど有明海の生き物などを集めた「やながわ有明
海水族館」が2016年10月に福岡市にオープンした。
やむを得ない事情で閉館することになった水族館を、有明海の再生を目指す学生が主体の
「有明海塾」が引き継いだ。
小さな水辺の水族館を中心とした若者の繋がりを、自然環境を守る輪に成長させていきたい。

●編集後記
ニューズレター編集代表
山梨県立富士山世界遺産センター 所長◆秋道智彌

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Posted by 五條 at 14:12 | Ocean Newsletter | この記事のURL | コメント(0)
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