文部科学省のホームページの「特別支援教育に関すること」の中に「発達障害」の用語の使用について≠ニいう項目があるのを見つけました。
平成19年3月15日に文部科学省初等中等教育局特別支援教育課から出されたものです。
そこには以下のように書かれています。
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1. 今後、当課の文書で使用する用語については、原則として「発達障害」と表記する。
また、その用語の示す障害の範囲は、発達障害者支援法の定義による。
2. 上記1の「発達障害」の範囲は、以前から「LD、ADHD、高機能自閉症等」と表現していた障害の範囲と比較すると、高機能のみならず自閉症全般を含むなどより広いものとなるが、高機能以外の自閉症者については、以前から、また今後とも特別支援教育の対象であることに変化はない。
3. 上記により「発達障害」のある幼児児童生徒は、通常の学級以外にも在籍することとなるが、当該幼児児童生徒が、どの学校種、学級に就学すべきかについては、法令に基づき適切に判断されるべきものである。
4. 「軽度発達障害」の表記は、その意味する範囲が必ずしも明確ではないこと等の理由から、今後当課においては原則として使用しない。
5. 学術的な発達障害と行政政策上の発達障害とは一致しない。また、調査の対象など正確さが求められる場合には、必要に応じて障害種を列記することなどを妨げるものではない。
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特に注目したいのは5番目に書かれている「学術的な発達障害と行政政策上の発達障害とは一致しない。」というところです。
えっ!?
それってOKなのですか?
つまり、文科省をはじめ教育委員会や学校などが使う「発達障害」という言葉と医学的に使う「発達障害」という言葉の意味が違うということですよね〜。
学校で何か問題があるとみなされた子どもに対して担任の先生たちが「お母さん、お子さんは病院でみてもらった方がいいですよ。」とすぐに病院にかかるように勧められるという話を最近耳にします。
先生の言うことを聞かない子どもだということだけで、簡単に障害を疑われて病院を勧められているのではないかと思ったりするようなケースですが、学校と病院で「発達障害」の定義が違ったら混乱しないのでしょうか?
「平成17年度特別支援教育体制推進事業報告書」(平成18年3月沖縄県教育委員会発行)がたまたま手元にあるので見てみましたが、この中の調査研究運営会議の構成は医師などの医療関係者が入っています。
また、沖縄県教育委員会及び各教育事務所単位で設置される広域特別支援連携協議会・地域特別支援連携協議会の中にも医療関係者が入っています。
「発達障害」という障害であれば、当然医療関係者の意見を聞きながら、事業を行わなければいけないだろうと思います。
でも、文科省が思う「発達障害」と医療関係者たちが思う「発達障害」の意味が違っていて、うまく特別支援のための話し合いができるのでしょうか。
私は医療の関係者でもないし、「障害」についてはど素人なので、まったく単純な疑問です。