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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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クルーグマンの中国為替政策批判 [2010年01月01日(Fri)]
ニューヨーク・タイムズ1月1日付で、ノーベル経済学賞受賞者のPaul Krugmanが中国の為替政策を厳しく批判しています。

すなわち、今の時代にまだ人民元を人為的に安く維持しているのは重商主義的であり、はっきり言えば略奪的だ。ざっと計算してみると、自国輸出産業を有利にする中国の為替政策は、今後2〜3年で米国の雇用を140万人分も奪うことになるだろう。他方、こうした中国のやり方に対抗するために、保護主義的政策をとる国が出てくるのは当然であり、いわば中国の元安政策がそれを招くのだ、と述べ、

保護主義はいついかなる時にも非難されるべき政策かと言えば、そんなことはない。ポール・サミュエルソンも、失業者があふれる中では通常の理屈は通らないと言っている。中国が方針を改めない限り、保護主義はその勢いを増していくだろう、と言っています。

この論説で注意を引くのは、第一に、中国には米国に対する優位はもはやないと断じていることです。溜め込んだ黒字で米国債を買っている中国に文句など言おうものなら、米国債を投げ売りされて米国が困るという心配はもう過去のことで、ゼロ金利で世界中が金余りになっている中で、中国が米国債を売っても米国金利が上がることなどない、と踏んでいます。

第二に、中国は重商主義的、略奪的であり、米国の雇用だけでも140万人分も奪うことになる、というその決めつけぶりです。特に、140万という数字は、「ざっと計算した」と言っているだけで、証拠は示されていません。つまり、明確な根拠はないのですが、ノーベル賞学者が言っていることだから本当だろうと思わせてしまう面があります。

第三に、保護主義をあっさりと肯定していることです。

こう見てくると、ここにはクルーグマン一流の、市場センチメントを作ってしまおうとする意図が読み取れるように思えます。実は、2割の円高が2年続けば日本の貿易黒字は2割減る、といういかがわしいモデルによって、1995年に日本円が80円超の円高に引き上げられた時も、最初にこれを言い出したのはクルーグマンでした。後にクリントン政権がこれを採用、あるいは採用したと世界が信じたために、実際にそれが現実化してしまいました。

クルーグマンは一流経済学者かもしれませんが、世論が追い詰めていけば、経済は別の現実をとり得る、もしくはとらざるを得ないように仕向けられる、という権力の機制をよく知っているという意味で、政治心理のプロパガンディストでもあると言えるでしょう。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:46 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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