アフガン政策に残された道
[2009年09月24日(Thu)]
USA Today 9月24日付で、CIA出身の情報専門家Bruce Riedelとブルッキングス研究所のMichael E. O'Hanlonが、小規模の人員で無人機などを使ってアフガン戦争を続ける、という提案が実行不可能なことを論じています。
即ち、これは、ラムズフェルドのlight footprint戦略と同じであり、それがうまく行かないのが現状だ。なぜなら、@敵は携帯電話を使わなくなったので人工衛星では情報が集まらないが、人間情報は人手が要るし、現状ではアフガン人はタリバンに脅迫されて情報を提供できない、A米軍支配地域が縮小すると無人機を飛ばすのに必要な基地が失われる、B兵力を削減すれば、アフガン人は米国に見捨てられたと思うからだ、と述べ、
アルカイダはどっち道さほど聖域を必要としないと言う向きもあるが、聖域を持っている場合といない場合とでは大きな違いがある。結局はオバマが3月に言ったように、アフガンの治安部隊が増強されるまで米国がアフガン人の安全を守るしかない。これは時間と金がかかるが、それ以外の選択肢は無い、と言っています。
実はオハンロンは、この論説が出た2日前の9月22日付ファイナンシャル・タイムズで、Jane Harman 民主党下院議員と連名で、アフガン政策で最も大事なのは、汚職や腐敗を失くすことであり、そのためにはオンブズマンの設置や汚職官吏の懲罰的罷免などを実施すべきだと論じています。両論とも、オハンロンらしい、核心をついた、現実的、建設的な提案です。端的に言えば、今のままではアフガンでは敗けてしまう。ここまで来たら、米国は、アフガン治安部隊が自力で治安を守れるように増強されるまで、兵力と資金を増やしてもう一息頑張ってみるしかない、という主張であり、これは全く正しい議論だと思われます。というよりもそれしかないと言えるでしょう。
汚職腐敗の問題も、米国内政治を考えれば、最優先の課題と思われます。ベトナム撤兵も、サイゴン政府の腐敗と無能に米国民や米議会に嫌気がさしたことが大きな理由の一つでした。当時、現地の米軍としては、自由を享受しているサイゴン市民を見捨てるのは断腸の思いでしたが、ベトナム政府が米議会の信用を失ってはどうしようもありませんでした。ベトナムのボート・ピープルのような悲惨さを、現在自由を謳歌しているカブール市民に味わわせないためにも、米議会のアフガン政府への信用を高めることが急務でしょう。増派するなら、汚職腐敗対策を講じるべきだ、というオハンロンの議論は、これまた、正鵠を射ていると言えます。
即ち、これは、ラムズフェルドのlight footprint戦略と同じであり、それがうまく行かないのが現状だ。なぜなら、@敵は携帯電話を使わなくなったので人工衛星では情報が集まらないが、人間情報は人手が要るし、現状ではアフガン人はタリバンに脅迫されて情報を提供できない、A米軍支配地域が縮小すると無人機を飛ばすのに必要な基地が失われる、B兵力を削減すれば、アフガン人は米国に見捨てられたと思うからだ、と述べ、
アルカイダはどっち道さほど聖域を必要としないと言う向きもあるが、聖域を持っている場合といない場合とでは大きな違いがある。結局はオバマが3月に言ったように、アフガンの治安部隊が増強されるまで米国がアフガン人の安全を守るしかない。これは時間と金がかかるが、それ以外の選択肢は無い、と言っています。
実はオハンロンは、この論説が出た2日前の9月22日付ファイナンシャル・タイムズで、Jane Harman 民主党下院議員と連名で、アフガン政策で最も大事なのは、汚職や腐敗を失くすことであり、そのためにはオンブズマンの設置や汚職官吏の懲罰的罷免などを実施すべきだと論じています。両論とも、オハンロンらしい、核心をついた、現実的、建設的な提案です。端的に言えば、今のままではアフガンでは敗けてしまう。ここまで来たら、米国は、アフガン治安部隊が自力で治安を守れるように増強されるまで、兵力と資金を増やしてもう一息頑張ってみるしかない、という主張であり、これは全く正しい議論だと思われます。というよりもそれしかないと言えるでしょう。
汚職腐敗の問題も、米国内政治を考えれば、最優先の課題と思われます。ベトナム撤兵も、サイゴン政府の腐敗と無能に米国民や米議会に嫌気がさしたことが大きな理由の一つでした。当時、現地の米軍としては、自由を享受しているサイゴン市民を見捨てるのは断腸の思いでしたが、ベトナム政府が米議会の信用を失ってはどうしようもありませんでした。ベトナムのボート・ピープルのような悲惨さを、現在自由を謳歌しているカブール市民に味わわせないためにも、米議会のアフガン政府への信用を高めることが急務でしょう。増派するなら、汚職腐敗対策を講じるべきだ、というオハンロンの議論は、これまた、正鵠を射ていると言えます。
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