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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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オバマ氏の政治哲学の限界 [2009年09月24日(Thu)]
創刊まもないナショナル・アフェアーズ誌で、ハドソン研究所のWilliam A. Schambraが、オバマ大統領の政治哲学とそれに基づく政策はなぜ失敗するかを分析、大ベテランの政治評論家David S. Broderがワシントン・ポスト9月24日付でそれを取り上げています。

それによると、シャンブラは、オバマは一度に多くの問題を取り上げ、ホワイトハウスのスタッフの管理下にそれらを集中させようとするが、これは彼が政策主導型の大統領であることを表している。オバマにとって国家の統治とは、個別の問題が発生する度に取り上げるのではなく、社会制度全体や社会そのものに合理的で一貫した形や機能を与える政策を形成することを意味する。つまりオバマを含めて進歩派は、統治に社会科学の新たな英知を投影すれば、イテオロギーの衝突や狭い利害は克服できると信じている、

確かにオバマはあらゆる問題に対し同じアプローチをしているが、これは、問題を個別のものと捉えず、長期的な全体構造の中で見て、客観的なデータに基づいた国家政策を構築すれば、効果的かつコストの低い解決策に達することができる、と考えているからだ。しかしカーターやクリントンがそうだったように、このやり方はこれまで成功していない。なぜならこうした非常に合理的で包括的なアプローチは、政策の個別部分に関心のある様々なプレーヤーに権力を分散する米国の政治体制と上手く合致しないからだ、と述べており、

ブローダーは、このシャンブラの分析に賛成し、民主主義や代議政府というのは、オバマたち進歩派が認めたがるよりははるかに混沌としたものであり、だからこそ彼らはしばしばフラストレーションに苦しむのだ、と言っています。

指導者の根底にある信念や哲学、国家観を捉えると、全ての政策の方向性や意味合い、国民の反応、政策の成否を決める要因が突然はっきり見えてくることがありますが、ブローダーにとってシャンブラの論文はまさにそうしたものだったのでしょう。

建国の父たちが創った米国の三権分立という政治制度は、権力集中を嫌い、チェックス・アンド・バランセス、競争、有権者の幅広い意見の反映を重視するものであり、よほどの国家危機でない限り、三権が協力して政府が上手く機能するようにはできていません。ところがシャンブラが解説するオバマの理想はまさにその逆で、中央に権力を集中し、理性と合理的理論で国家の形を作ろうというものであり、米国のように個の独立を重視する、混乱した草の根民主主義のお国柄にはそぐわないものです。

このシャンブラの分析は、オバマ政権の国内政策のみならず外交政策を理解する上でも役立つものと言えるでしょう。米国の政治体質がオバマ政権の理想に合致しないように、他国との交流においても、理論や合理性に重点を置きすぎれば、ロシアやイランだけでなく、同盟国との関係も上手く行かなくなる可能性があります。



Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 13:52 | 米国 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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