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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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中国の法の支配 [2008年12月18日(木)]
ワシントン・ポスト12月18日付で、中国の法制を研究しているジョージタウン大学のJames Feinerman教授が、中国における法の支配の将来について懸念を表明しています。

フェイナーマンは、改革解放の30年間で中国における法の支配は進展してきたが、ここ数年は逆行する傾向が見られる。土地の不法収用や公害等への不満が鬱積しているが、下級審の裁量が制限されているため、暴力しか不満を訴える手段がない状況だ。ところが、今年になってから、最高裁長官が改革派の人間から元警察官僚に代えられ、責任ある政府を求める「憲章 08」を発表した学生も逮捕された、と指摘し、

中国はもはや毛沢東時代の独裁体制ではないが、法支配の国になるにはまだ道遠く、今や岐路に来ている。後進国の中には、経済発展を遂げた中国をモデルとしている国もあるので、なおさら中国は逆行すべきでない、と論じています。

これは中国の法支配の実態を正確に描写した論説と思われ、また、こうした状況に、オリンピック後の中国を占う一つの材料があるかもしれません。

中国では、北京オリンピックに至る数年間は、オリンピックを平穏裡に達成するために、法的締め付けはむしろ強化されました。ところが、オリンピックという国民的目標は去り、その上、2005年に反日暴動が起きてから、政府が愛国主義運動を鼓吹することの危険性が認識されて、反日は抑えられています。また、台湾に国民党政権が出現して、台湾の挑発的言動が少なくなり、台湾解放を掲げて国民の意思統一をはかることも難しくなっています。つまり、江沢民政権以来の自由民主化抑圧、愛国主義高揚路線は曲がり角に来ているように思われます。

となると、民主化、自由化、法の支配の要求が強まって来るのは一つの避け難い方向かもしれません。加えて、米国でも、民主党のオバマ政権とそれを支えるペロシ議長以下の民主党多数の議会が、中国の人権問題を主要議題として取り上げて来る可能性は小さくないと思われます。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 12:04 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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