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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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ライス北朝鮮政策失敗 [2008年12月16日(火)]
ウォール・ストリート・ジャーナル12月16日社説は、ライス国務長官の北朝鮮政策は失敗だったと論じています。

社説は、ブッシュ政権は10月、北朝鮮から非核化査察について口頭の約束を得たことを理由に、北朝鮮をテロ支援国家リストから外した。ところが北朝鮮は最低限の査察措置を文書化することにさえ同意せず、テロ支援国家リストから除外するという米側の譲歩をただ取りしてしまった、

これは北朝鮮の常套手段であり、約束したふりをして相手から譲歩を引き出すと、約束を実行せずに威嚇して、相手から更なる譲歩を引き出す。しかもこうしている間も、北朝鮮の人々は食糧不足に苦しみ、中国に逃亡する者も増えている、と述べ、

ライスは、「北朝鮮への関与はだめだというなら、代替策はレジーム・チェンジしかない」と言うが、それはまやかしであり、彼女の失敗の原因は、真の軍縮より表面上の外交的成果を追い求めたことにある、と批判しています。

これは、6ヶ国協議に関する主要紙による最近の論評として初めてのものと思われますが、協議が不調に終わることは予想済みであり、この社説もブッシュ政権の対北朝鮮政策への墓碑銘の感があります。

米国も、マカオの銀行口座を閉鎖して北朝鮮に譲歩を迫ったあたりまでは良かったのですが、それ以降は時間との戦いによる焦りが目立ちました。一方、今回honest brokerの役をうまく勤め上げた中国は、今後も「アジアにおける米国の代理人」として遇されることが何回もあると思われます。

その中国は、韓国との間の「緩衝国」としての北朝鮮の存続を望んでおり、脳卒中で倒れたとされる金正日の後継者決定を早め、北朝鮮の安定化を促進しようとするかもしれませんし、中国自身も、できれば北朝鮮の非核化を実現したいと思っているでしょう。

他方、軍や諜報機関を抑え切れないパキスタン新政権や、極東における中国の潜在的脅威を抑止する必要性を意識し始めたロシアが、北朝鮮への核技術供与を考え始めるかもしれません。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:41 | 日本 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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