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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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パキスタンのムシャラフ政権批判 [2006年09月05日(Tue)]
米国際政策センターアジア研究部長のセリグ・ハリソンが、9月5日付のロサンジェルスタイムズで、パキスタンのムシャラフ政権を批判しています。

ハリソンは、ムシャラフはイスラム政党と手を結ぶ日和見主義者であり、アルカイダやタリバンをおざなりに取り締まっているだけだ。アメリカは来年の大統領選挙に向けてムシャラフに圧力をかけ、ブット元首相やシャリフ元首相の帰国を認めさせ、またムシャラフ自身が出馬するなら、軍参謀長を辞任させるべきだ。さらに選挙管理内閣に権力を譲るよう迫るべきだ、と提案しています。

そしてムシャラフを擁護するアーミテイジ前国務副長官を批判し、民主的な選挙を通じて世俗政党が力をつければ、イスラム政党の力も削がれる、と論じています。

アメリカ国内で、ムシャラフ支持派と批判派の間で論争が起きているわけですが、今後この論争がどうアメリカの政策に反映されるかは、アメリカは伝統的に軍事政権に対して否定的な姿勢があることもあって、良く見通せません。

しかしいずれにしても、ムシャラフが一時的にせよ自分の退陣を求めるハリソンの提案に同意するわけはなく、こういう提案が勢いを得るようになると、米=パキスタン関係は急速に悪化しかねません。

ムシャラフがアフガン戦争の遂行、アルカイダ幹部シェイク・ムハンマドの逮捕、そして最近ではイギリスのテロの未然防止に貢献したことを考えれば、彼が日和見主義者でイスラム勢力と組んでいるかどうかよりも、必要な協力をしてくれているかどうかの方が、重要ではないかと思われます。

つまりパキスタンの内政はパキスタン人にまかせ、国際政治上の配慮からムシャラフ政権との関係を維持していくのが賢明ではないかと思われます。

なおハリソンは民主選挙を強く推していますが、選挙で世俗政党が勝つとは限らないのは、最近のパレスチナやレバノンの例からも明らかです。



Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:44 | 中央・南アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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