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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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NATOの危機 [2008年02月11日(月)]
インターナショナル・ヘラルド・トリビューン2月11日付で、コラムニストのWilliam Pfaffが、NATOがアフガニスタンに十分派兵をしていないのは、NATOがもはや軍事同盟として機能していないことを示すものだ、と論じています。

それによると、NATO欧州諸国はアフガニスタンに派遣する部隊の確保に苦労している。それに対して米国は、欧州世論に正しい情報を与え、さらに、圧力を加えれば、こうした状況は是正しうると考えているが、これは全く見当違いだ。アメリカと違い、欧州諸国は基本的に、アフガンでの戦闘を世界的なテロとの戦いは考えていない。軍事同盟の条件は、強力な共通の見解と利益があることだが、米欧は対テロ戦争に関してはその条件を欠いている、と言っています。

これは、軍事同盟としてのNATOの存在意義に疑問を呈しているものです。

NATO首脳会議を前に独仏ベルギーなどがアフガニスタンへの増派の意向を表明しており、またアフガン情勢が好転すれば、米欧の亀裂が弱まることも予想されます。しかし問題の根本は、大多数の欧州諸国の政府や世論は、ロンドンやマドリッドのテロ事件にも関わらず、テロを自国の安全保障上の脅威と認識していない、あるいは、アフガンを対テロの最前線とは見ていないと思われることです。パフの指摘の通り、米欧間にこのような基本認識のずれがあるかぎり、NATOの危機は今後も続くでしょう。

いずれにしても、NATOも加盟国がこう増えてくると、軍事的脅威を共有するのは容易ではありません。共通の対象となりうるのはテロとロシアですが、テロについては、上述のように共通の認識は生まれ難く、またロシアについても、受け止め方は国によってまちまちでしょう。ソ連の軍事的脅威があった冷戦中の状況には及ぶべくもありません。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:11 | 欧州 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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