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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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中国の戦争継続能力 [2008年01月05日(Sat)]
アメリカの軍事専門誌Strategy Page が石油供給の面から中国の継戦能力を論じています。

同誌は、中国軍は通常、1日3000トンの石油を消費するが、台湾攻撃となると、1日30万トンが要る。しかし中国は石油を自給できず、海上覇権もない。そしてアメリカは直ちに中国への石油供給を絶つだろう。これは1941年の日本の事情と似ている。そのため中国は、現在の30日分の石油備蓄を75日分にしようとしているが、それには5-10年かかる。

さらに、石油供給が途絶えることは、軍事的困難という以上に、大変な経済問題を引き起こすだろう。中国が独裁制を維持する正統性は、経済の繁栄にかかっており、石油の輸入が途絶して経済が維持できなくなれば、台湾どころではなくなるだろう、と言っています。

これは石油供給という観点から、中国は長期戦は戦えないと言っている論説です。

従来、中国は国内の政治的不満をそらすために、台湾で事を起こす可能性があると言われてきましたが、これはその逆のシナリオです。

戦争と、その結果の経済封鎖――考えてみると、大いにあり得ることです――による、中国の経済的社会的混乱は、今まで誰も考えていなかったシナリオです。先端企業は外国から部品が入らず、輸出企業は輸出先を失い、燃料原料食料の輸入は止まり、企業活動が低下して大量の失業者が出た場合、中国はどうするのでしょうか。

戦時中の日本のように、一億総動員の超完全雇用の時とは、経済構造が全く違うことが改めて認識されます。また資産凍結をされると、せっかくの膨大な外貨も使い道がなくなってしまいます。それを愛国主義で克服することが出来るのか、一時は出来るとしても、長引けば持たないのではないかと思われます。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:04 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(1)
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» 市場解放から始まった中国の繁栄と弱点 from ngtのblog
中国の軍事についての,学生によるたわいない感想です. [Read More]
Tracked on 2008年01月18日(Fri) 22:09
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