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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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中国軍事力に関する米国務省報告 [2007年05月31日(木)]
中国軍事力に関する米国務省報告について、中国外務省は、これは中国の軍事力を誇張し、中国嫌いを煽りたてるものだと批判しています。それに対し、5月31日付のウォール・ストリート・ジャーナル社説は、原因は、中国がその軍事力や戦略を秘密にし、透明性がないことにある、中国は軍事関連の意思決定の透明性を高めるべきだ、と反論しています。

社説は、中国が発表する軍事予算は実際よりも大幅に低いと推定されることや、台湾を脅かす原子力潜水艦が増強されていることなどを指摘し、国務省は中国に甘すぎるのではないか、と言っています。

さらに、核の「先制使用」はしないという原則が必ず守られるのか不明確になってきたという国務省報告の記述を取り上げ、中国の軍事のあり方はアメリカなどとは違ってブラックボックスだ、中国は軍事について透明性を高めるべきであり、それは現代の強国の責務だと言っています。

中国は国務省の「中国の軍事力報告」が発表されるたびに、根拠のない中国脅威論を煽るものだと批判してきており、こうした批判はいわば恒例化しています。しかし中国が着々と軍事力を増強しているのは事実であり、中国脅威論が勢いを得るのは当然のことです。それを中国が驚いてみせても効果はありません。

ただ、中国の軍事力について、あたかも透明性のみが問題であるかのように考えるのも、間違いではないかと思います。(社説もこうした「懐疑派」の考えに触れています。)中国は、場合によっては台湾への武力行使はあると言っていますし、核についても、非核国には使わないと言いつつ、日本のように「核の傘」の下にある国は非核国と認めないようなことも言っています。さらに、中国の海洋戦略はより野心的なものになって来ています。

つまり、透明性の欠如以上の問題があることを認識する必要があり、それに応じた備えをする必要があります。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:24 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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