『映画で戦争を考える』
[2006年11月29日(Wed)]

宮崎文化本舗は映画を機軸に文化の香るまちづくりをミッションに掲げるNPO法人である。日本で初めてNPO法人で常設の映画館「宮崎キネマ館」を経営するという事で、設立当初は予想以上の反響が全国からあった。しかし、ここ2年間は郊外に出来た大型ショッピング・モール内のシネコンに押され、観客動員数も減少し経営的には苦しい戦いを続けている。
シネコンでは絶対(多分?)上映されないだろう良質の作品を上映し続け、徐々に映画を愛するファンを開拓している「宮崎キネマ館」は真にNPOが運営する映画館と全国にも胸を張る企画を実現した。
第1弾の『トンマッコルへようこそ』の前宣伝に入ったときに、丁度北朝鮮の核実験が行なわれた。マスコミは企画については非常に好意的に取り上げてくれたが、『トンマッコルへようこそ』という作品にはあまり言及されなかったと思う。題材が「なまなましすぎる」という理由ではなかったと勝手に想像している。だからこそ・・・と思ったのは僕だけではなかったろう。
『映画で戦争を考える』と題して、戦争をテーマにした映画5本が連続で上映されるという企画は、過去の作品ではなく2006年に封切される作品が5本(日本映画4本、韓国映画1本)のラインナップである。太平洋戦争は遠くなりつつあるが、今年このような秀作が国内で4本も封切られる重さを私達は受け止めなければいけないのではないだろうか。
そのチラシには「常に時代を映し出す鏡であり、社会に対するメッセージを表現するもののひとつに、映画がある。なかでも「戦争」は普遍的なテーマであり、今回選んだ5本の作品にも、それぞれ「戦争」に対するメッセージがこめられている。(中略)5本の映画にこめられたメッセージを、どうか受け取ってもらいたい。そしてあなたの隣にいる誰かに伝えてもらいたい。この“負の記憶”を伝えることで、映画が世界を変えられる可能性を夢見てみたいと思う。」とある。
チラシの文章の筆者、猫バス・谷口や「ヨコハマメリー」の監督、中村高寛氏を招聘しトークショウを実現させた映画担当スタッフのスマイル・名田、シネマ大好きっ子・小田原、縁の下・青松、IT・伊福らは20代〜30台の若いスタッフである。時には休み返上で宣伝活動に走り回ったりしている。自分達の大好きな映画をたくさんの人に伝えたいという思いで突っ走る彼らに拍手を送りたい

自分の身内の話ではあるが、つぎつぎに素晴らしい作品を上映してくれるキネマ館のスタッフに心から感謝している。
PS.自分が文化本舗の理事をしていながら、映画にはほとんどノー・タッチなのでヨイショしとかないとね
