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2019年01月17日

農山漁村コミュニティ・ビジネスをはじめるためには、企画書、事業計画書を考えねばならないのだ。では、計画書とは何を記せばよいのか。

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農山漁村コミュニティ・ビジネスを推進するにあたって、最も重要なのは、事業計画の作成である。何を行うかどう行うか、頭の中にあるものを整理し多くの人に理解・協力してもらうためには、記述することが必須だからである。

そこで、農山漁村コミュニティ・ビジネスをはじめるためには、企画書、事業計画書を考えねばならないのだ。では、計画書とは何を記せばよいのか

まず書く前に、考え方として「5W5H」が一番理に適っていると思っている。
この「5W5H」は情報発信のセオリーでもある。つまり出来上がってものを発信するまえに、何をどうするかをはじめる前から常に考えていけば難しくならない。
伝える内容は、「5W5H」でまとめると良いと皆さんも聞いたことがあると思う。私もマスコミ出身の上司にならった。
では5Wとは、
 @ WHO(誰が)
 A WHAT(何を)
 B WHEN(いつ)
 C WHERE(どこで)
 D WHY(なぜ)
さらに5Hは、
 @ HOW(方法)どのように
 A HOW MUCH(価格)いくらで
 B HOW MANY(数)どれくらいの参加者を募集
 C HOW LONG(時)いつ・いつから、いつまでに
 D HOW in FUTURE(将来)今後どうしたいのか等の展開方法
 
である。これを何度も考えながら整理し計画してまとめるためていくのが良いと思う。
例えば、地域振興、地域活性化に向けて、国や民間からの助成金を獲得するためには、公募にチャレンジすることになる。公募の提案書で記す多くの項目は、概ね上記の考えが役に立つ。

例えば、とある中央省庁の地域振興の交付金提案書の項目では、

 1.地域の概要(どこで)
 2.取り組みのポイント(何を)
 3.事業実施主体名(誰が)
 4.組織形態(誰が)
 5.組織概略(誰が)
 6.事業実施主体構成員(誰が)
 7.事業実施主体体制図(誰が)
 8.事業実施主体構成員における役割分担(誰が)(何を)
 9.代表者、運営責任者当の経歴や実績
10.地区の現状・課題 (なぜ)(何を)
11.これまでの取組状況(なぜ)(何を)
12.これまでの取組等の課題(なぜ)
13.課題に対する対応方法(何を)(いつ)(誰が)どのように
14.事業終了後の取組方法(将来)今後どうしたいのか等の展開方法
15.事業推進における合意形成手法 (誰が)どのように (何を)
16.事業推進におけるマーケティング手法 いくらで
17.目標数値 いつ・いつから、いつまでに どれくらいの参加者を募集?
18.評価方法(何を)どのように
19.予算計画

とある民間団体の助成事業の提案書の項目

 1.目的 (なぜ)
 2.地域課題の現状と取り組み (どこで)(なぜ)(何を)どうなっている
 3.地域課題の背景
 4.取り組み概要 (何を)
 5.具体的な実施内容 (何を)(いつ)(誰が)どのように
 6.短期・中長期の成果目標
 7.助成期間終了後の計画
 8.実施体制 (誰が)(何を)
 9.協力者 (誰が)(何を)
10.活動実績 (誰が)(何を)
11.実施体制・関係図 (誰が)(何を)
12.代表者のメッセージ
13.活動スケジュール (何を)(いつ)
14.予算(複数年分)
15.事業投入財源および事業収入 (いつ)(誰が)どのように

では、事業を実施した物が、次の段階で取り組むのが、表彰事業への応募である。取り組んだ事業の成果を第3者から得ることにより、より多くの参加者(利用者)や支援者(協力者)や交流相手からの信頼を勝ち取ることができることから、表彰事業へのアプローチは効果的な宣伝活動ともいえる。世の中には多種多様な取る組みを推進するために多くの表彰事業が存在する。中央官庁が実施するもの、NPOや団体が特定のプロジェクトを推進するための優れた取り組みを事例として募集し、表彰することでより多くの人々へそのプロジェクト(運動)の理解促進と今後取り組むイメージを醸成するものである。
表彰事業への応募にあたって必ず記入することを求められる項目というのも、かなり不変的である。

例えば、表彰事業「オーライ!ニッポン大賞」の応募項目は次の内容である。

 1 応募部門
 2 応募者の名称、代表者等
 3 応募に関する連絡先
 4 応募者の属性(選択)
 5 主な活動内容 (なぜ)(誰が)(いつ)(どこで)(何を)どのように
 6 応募者の概要
  @ 活動年数
  A 主な活動拠点施設
  B 主な活動エリア
  C 活動を担う人材の数 うち専属スタッフ人数
 7 活動の実績・効果
  ・活動日数 直近の年間の活動日数/これまでの累計の活動日数
  ・売上実績 直近の年間の売上実績/これまでの累計の売上実績
  ・参加者数 直近の年間の参加者数/これまでの累計の参加者数
  ・その他の実績
 8 活動資金について
  ・年間の活動費
  ・主な財源(選択)
 9 過去の受賞歴について(受賞したものがあればお書きください。)
10 直近3年間の各種マスコミへの掲載等について(メディアへ名等)
11 活動の詳細
  @ 活動の目的(組織の目的)(なぜ)(誰が)(いつ)
  A 主な活動内容(都市と農山漁村の交流活動を中心)
   (なぜ)(誰が)(いつ)(どこで)(何を)どのように
  B 活動の成果及び効果
12 活動の概要(200文字程度に要約)
13 PRコメント(応募に当たっての意気込み、全国へのメッセージ等要約)
14 過年度の応募について(選択)
15 情報公開の可否(選択)
16 写真の添付について
17 参考資料の添付について

企画書は、始める前、表彰への応募は、事業の成果が出た時と前・後の違いはあるが、他人に取り組みを伝えるには同じ項目が基本にある。
現代は、計画も結果も数値で表すことが求められているが、それに、どう思っているのかなどの感想や感情も上手に盛り込まれているとその取り組みがイキイキしていくと思う。
機械ではなく、人間が行う事業だからこそ、その取り組みへの想いや失敗した悔しさ、困難な山を越えたときの嬉しさなどは、取り組んだ人が得られる貴重な財産だと思うからである。
その経験をより多くの人に伝える、続く人が俺もやってみようと思えるのが表彰事例の役割ではないかと思っている。
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書類を書くのは、誰でも訓練でいくらでも上手になると思います。
企画をひねり出すのに、便利な方法もあります。これについてはまたの機会に。
タグ:5W5H
posted by オーライ!ニッポン会議 at 11:21| コミュニティビジネス