総務省が推進している地域おこし協力隊制度の任期後の定住状況等を公表している。
平成29年3月31日までに任期終了した地域おこし協力隊員の定住状況について調査を実施しており、546団体における平成29年3月31日までに任期を終了した隊員の累計は 2,230人とされている。
この隊員の60%が活動終了後も定住(同一市町村+近隣市町村に)しているとしている。
「平成29年度 地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果」
http://www.soumu.go.jp/main_content/000508222.pdf
では、いったい活動終了後は、どのように生活しているのだろうか。
農家レストラン、農家民宿、ゲストハウスの開業や特産品の販売・通販、地域資源の案内、地域農林水産資源の加工・特産品化の起業や地域産業への就業、農林漁業への就業が多く、農山漁村コミュニティ・ビジネスの担い手となっている。
同一市町村内に定住した者(1,075人)の約3割は起業しているとしている。
起業の内容は、
1.飲食サービス業(古民家カフェ、農家レストラン 等) 49名
2.小売業(パン屋、鮮魚の移動販売、山菜等の通信販売 等) 30名
3.宿泊業(ゲストハウス、農家民宿 等) 28名
4.まちづくり支援業(集落支援、地域ブランドづくりの支援 等) 26名
5.観光・移住交流業(ツアー案内、日本文化体験 等) 21名
6.出版・広告業(ライター・広報作成 等) 19名
7.クリエイター・デザイナー業(Webデザイン、映像クリエイター 等) 12名
8.6次産業(猪や鹿の食肉加工・販売、ホオヅキの生産・加工・販売 等) 11名
10.整体・ヨガ・鍼灸 7名 ほか
就業では、
1.観光関係(旅行業・宿泊業等) 64名
2.地域づくり・まちづくり支援関係 55名
3.農林漁業関係(農業法人、森林組合等)43名
4.医療・福祉関係 33名
5.移住・交流関係 19名
6.6次産業関係 18名
7.食料品小売業 14名
8.飲食店 13名
9.食料品製造業 11名 ほか
となっている。
さらに、農林漁業には、
1.農業(畜産業を含む)141名
2.林業 6名
3.漁業 2名 ほか
■総務省が推進している地域おこし協力隊制度とは、
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/02gyosei08_03000066.html
http://www.soumu.go.jp/main_content/000610488.pdf
人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域力の維持・強化を図るためには、担い手となる人材の確保が特に重要な課題となっていること、一方、生活の質や豊かさへの志向の高まりを背景として、豊かな自然環境や歴史、文化等に恵まれた地域で生活することや地域社会へ貢献することについて、都市住民のニーズが高まっていることから、人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に誘致し、その定住・定着を図るために「地域おこし協力隊」の積極的な推進を図っている。
地域おこし協力隊員は、おおむね1年以上3年以下の期間、地方自治体の委嘱を受け、地域で生活し、農林漁業の応援、水源保全・監視活動、住民の生活支援などの各種の地域協力活動に従事する者をいう。
対象 となる「地域おこし協力隊員」とは、
@ 地方自治体から、委嘱状の交付等による委嘱を受け、地域協力活動に従事す る者であること。
A @の委嘱に当たり、地方自治体が、その対象者及び従事する地域協力活動の 内容等を広報誌、ホームページ等で公表していること。
B 地域協力活動を行う期間は、おおむね1年以上3年以下であること。
C 生活の拠点を3大都市圏をはじめとする都市地域等から過疎、山村、離島、半島等の地域に移し、住民票を移動させた者であること。
地方自治体が都市住民を受け入れ、地域おこし協力隊員として委嘱し、一定期間以上、農林漁業の応援、水源保全・監視活動、住民の生活支援などの各種の地域協 力活動に従事してもらいながら、当該地域への定住・定着を図る取組について、地方自治体が意欲的・積極的に取り組むことができるよう、総務省として財政的等の必要な支援を行っている。
【コミュニティビジネスの最新記事】
- 「あっしにはかかわりのないことでござんす..
- 地域おこし協力隊員の新たな戦略 3/18..
- 振り返り3.先進的な活動を共に学ぶ農山漁..
- 2024年の農山漁村コミュニティ・ビジネ..
- 【空き家、農業、民泊等の多様な農山漁村資..
- 2024年は、3月から続々と農山漁村コミ..
- 5/24【農村RMOと若者の新規就農】第..
- 4/25【地域振興を図るための住民合意形..
- 【参加者募集】令和5年度地産地消活動報告..
- 2024年3月18日に農山漁村コミュニテ..
- 【立ちはだかる人間らしさ】食料問題は、主..
- 海の六次産業化【第1回海業推進全国協議会..
- 水産庁は「海業の推進に取り組む地区」を募..
- 日本の食料生産とその食料を活かした6次産..
- 全国農林水産物直売サミット(都市農山漁村..
- テーマは、『グリーン・ツーリズム施策につ..
- イタリアにおけるアグリツーリズムの法律と..
- 第20回 全国農林水産物直売サミット 参..
- 農山漁村コミュニティビジネスセミナーに登..
- 撤退事例の分析から【廃校活用】の可能性を..