5月24日(土曜日)
朝7時半にアウンミンさんと一緒にホテルを出てソルヤ君の車に乗り込む。先ずは、盲人マーッサージクリニック、Seeing Handsへニガさんを訪ねる。アウンミンさんをニガさんに紹介する。予め、前開の訪問時に日本財団がミャンマーで、ミャンマーの伝統医療に基づく盲人用の医療マッサージ専門学校を準備中であることは説明済み。
今回は、そのための教育カリキュラム作りの相談に、この事業の責任者になってもらっている元国立伝統医療大学学長のアウンミン博士を案内して来るのでよろしくと頼んであったので話はスムーズ。すると、中年のカンボジア人女性が入って来た。英語は通じない。すると、ニガさんが私の母です、と紹介してくれる。アウンミンさんが医療用マッサージのカリキュラムについて質問をしている間じゅうニコニコしながら座っていた。
Seeing Handsでのインタビューを終えて、今度はアウンミンさんをカンボジア義肢装具士養成学校(CSPO)へ案内した。
<Seeing Handsでニガさんに説明を聞く>
彼には、ミャンマー第2の都市、マンダレーの国立病院でExceedが始めようとしている義肢装具装着サービス事業を色々手伝ってもらっている。そのために、Exceedの活動の原点となったCSPOを見てもらおうということになったのだ。
ただ、今日は土曜日なので、本来は学校はお休み。併設するクリニックも今日は開いていないので患者さんもいない。
しかし、校長のシサリーさんに相談したところ、自分が特別に案内するから問題ないと言ってくれたのでアウンミンさんを案内することにしたもの。アウンミンさんと一緒にCSPOに行ってみると校長のシサリーさんが待っていてくれた。各部屋の鍵を開けつつ、丁寧に説明しながら案内してくれる。
アウンミンさんは元々は内科のお医者さんで、保健省を退職後、マンダレーで開業しているのだが、本格的な義手や義足作りの作業所を見るのは初めてらしく、興味深そうに質問しながら時間をかけて見学。
<CSPOに日本財団のロゴの付いたトラックが停まっていた>
CSPOの開設は20年前。現在の学生総数は37名。うち、留学生が19人と、半分以上を占める。きっと、カンボジアで唯一の留学生が過半を占める学校の筈。シサリーさん自身もこの学校の第一期の卒業生。成績優秀だったので、その後、イギリスに留学し修士号を取るなど研鑽を重ね、2年ほど前から母校の校長に就任したという才女である。
その後、日本財団がExceedと組んでヤンゴンの国立医学技術大学に、来年早々に開設する予定の義肢装具士養成学科の実習助手となるためにミャンマー保健省が派遣した6人と、モン州の国際赤十字が運営するクリニックから派遣された女学生など7人のミャンマー人学生たちと懇談。
その後、私とアウンミンさんは、シサリーさんの自宅へ。昼食に招待されたのだ。空港にほど近い新築の2階建てが彼女の自宅だった。前回、CSPOで彼女がだっこしているのを見た時は生後数ヶ月だった坊やが3歳になっていたのにはびっくり。
<7人のミャンマーからの留学生>
シサリーさんの手作りの料理の数々をご馳走になった。運転手のソルヤ君もご相伴。彼曰く、「カンボジア人でも、ここまで料理の上手な主婦は中々いない。シサリーさんは本当に料理が上手だ」
決して、お世辞ではない。本当に、レストランを開けるほどの腕前だった。
ご主人のウドムさんも満足そうだ。彼は、シサリーさんとはCSPOでの同級生。今は、彼もCSPOの講師陣の一人としてシサリー校長をサポートする立場。
午後一時半。デザートまでご馳走になって、シサリーさんの家を出た。プノンペンは初めてというアウンミンさんに市内を案内する。ミャンマー保健省の伝統医療局長OBである彼に、カンボジア保健省の伝統医療研究所を外からでも案内しようと、保健省の裏側にある建物の入り口に案内すると、しまっている筈の門が開いており、中で何やら作業中。
覗き込んでみると旧知の顔が見えた。CaTHA(カンボジア伝統医療師協会)の幹部の人だったので中に入れてもらうことが出来た。
<とても美味しいクメール料理>
すると、アウンミンさんが来ていることを知ったカンボジア保健省で伝統医療を担当していたスンナさんから会いたいとの連絡。そして、2時半にホテルにスンナさんがやって来た。懐かしい顔が見える。何と、前伝統医療研究所長のプンレーさんだった。しかし、少し昔話をしただけで、私とアウンミンさんは障害者ビジネス・インキュベーションセンターへ向かった。
この日は、トーマスさんから紹介されたIT会社の社長のエルヤさんがラオスから帰国したばかりというのに、センターの運営をアドバイスすべく、打合せに加わってくれるというのだ。我々が10分ほど遅れて到着すると、エルヤさんがウドムさん、や4人の学生の代表委員たちと待っていてくれた。
話し合いの後,一旦ホテルに戻り着替えてからESCの北野事務局長に予約してもらっていたクメール料理のレストランへ。北野事務局長がラジオ事業の資料を持って待っていてくれた。元々、医科大学教授でミャンマーの教育問題に興味があると言うアウンミンさんは、ラジオを使った英語教育事業についての説明に聞き入っていた。
<インキュベーションセンターで打合せ>
07時半 ホテル出発
08時 Seeing Handsニガさん訪問
11時 CSPO訪問
12時15分 シサリーさん宅訪問
14時半 前伝統医療研究所長のプンレーさん
15時 PPDBICインキュベーションセンター打合せ
18時 夕食