9月4日(木曜日)
朝、ミャンマー外務省元ASEAN局長エルウィンさんがホテルに来てくれ、朝食を一緒に取りながら、サイクロンの被災地の様子、ビザ問題、今後の伝統医療次行の進め方など、色々と相談する。
そのあと、一緒に別のホテルの一室に設けられたASEANのサイクロン被災救援のための臨時オフィスにアニシュ・ロイ代表を訪ねる。明後日の朝、バンコクから到着するASEAN事務局長のスリンさんと落ち合って被災地に向かうための段取りと、日本財団が拠出した資金の使途について協議。
結局、スリンさんの提案による伝統医薬品キットの被災民配布は準備の関係で今回は行わないこととし、外務副大臣提案の仮設住宅支援に切り替えることにする。ホテルに戻り、協議の結果をネピドーの保健省伝統医療局長のティン・ニュントさんに伝える。彼もほっとした様子。彼は明後日保健大臣と一緒にヤンゴン入りする由。 <ホテル内に設けられたASEAN臨時事務所>
ネピドー入りを中止したため一日半の空白の時間が出来てしまったので、国立伝統医療病院のテイン・チョウ事務局長の案内で、民間の伝統薬製薬工場を視察することにする。ミャンマー最大の民間メーカーは明日訪問の段取りと言うことで、今日は別のところへ連れて行ってくれるという。テイン・チョウさんは、盛んに「小さい会社なので」と釈明するが、行ってみるとどうしてどうして。ミャンマーの一般的な企業イメージからは、一歩も二歩もぬきんでた優良企業であった。
訪問先のウ・タ・イン社は、従業員45名の小ぶりの企業。創業は1946年と古いが、生産している製品は麻痺症状を和らげるためのマッサージ薬をメインに、最近追加されたと言う栄養ドリンクの2種類のみ。だが、既に品質管理の国際標準であるISO9000を取得しているのだと、説明役の女性が誇らしげに言う。聞いてみると、何と彼女が社長さん、創業者の孫であると言う。さすがに、内部は極めて清潔で整然としており、品質テストもしっかり行われているようだ。 <きちんと衛生管理のされた民間工場内部>
保健省のテイン・チョウさんによれば、ミャンマーの伝統医薬品はヤンゴンとマンダレーにある2つの国営工場の生産シェアは30%に過ぎず、70%は民間企業によって生産されていると言う。ただ、ISO9000を取得しているのはここと明日訪問する予定の最大手企業の2ヶ所のみの由。やはり、案内してくれるのは民間企業の中でもベストの2つ、ということのようであった。 <しかし、箱詰め作業は人手で>
<テイン・チョウさんと食べたミャンマー式昼食>
8時半 ミャンマー外務省元ASEAN局長エルウィンさん
10時 ASEANミャンマー援助事務所アニシュ・ロイ代表
14時 ホテル出発
14時半 伝統医薬品メーカー(ウ・タ・イン社)工場視察