空軍ヘリでプレアビヒアへ [2010年11月24日(Wed)]
11月24日(水曜日)
ホテルの厚意で、本来は6時からしか開かないレストランを、我々のために5時半から開けてもらう。早めの朝食を済ませたところへ、ブンサンボ官房副長官や教育省の次官らカンボジア政府の幹部も合流。昨晩一緒だった日経の高橋支局長やテレビ朝日の西支局長に、朝日新聞の古田記者、読売新聞の若山支局長、共同通信の植田記者らも加わり20人以上の大部隊だ。 6時20分にホテルを出発。昨夜と同様に憲兵隊のパトロールカーが先導してくれたこともあり、予定の7時より15分ほど前に、ヘリポートに着いてしまう。そのまま、待っていた大型ヘリに乗り込み出発。近衛師団から派遣されたソペアック少佐と女性秘書官のソッキーナ少佐ら二人の将校も一緒だ。 25人乗りと聞いていたのだが、座席があるのは10人分ほど。あとは、床に座るしかない。機種名を後から尋ねたところ、MI17というソ連製。カンボジア空軍所有のものだ。国軍の厚意で今回は燃料代も無料。 <MI17というソ連製の25人乗りヘリで移動> 出発まで空けてあった丸窓はさすがに、飛び立って間もなく閉められてしまったが、左前方の入り口は大きく開いたまま。パラシュート部隊などの降下用に開けっ放しの構造だったのかも。 兎も角、お陰で風が入り涼しいのは良いが、耳を聾する爆音で機内では話すこともままならない。皆ほとんど押し黙ったまま二時間近く飛び続けたあと、ヘリは見る見る高度を下げて山の麓の草むらに着陸。プレアビヒアだった。 ただ、ヘリコプターなら遺跡を上空から見ることが出来るのではないかと期待していた記者さんたちはがっかり。しかし、パイロットに理由を聞いてびっくり。タイ側から見えるような形で飛行すると砲撃を受ける危険があるためだったとのこと。現実に、ヘリコプターを狙った攻撃があったのだとか。 <4輪駆動車で500メートルの落差の急坂を登る> ここからは、4輪駆動のランドクルーザータイプの車に乗り換え、待ち構えていた国軍の兵士や、警察官らに先導され、陸路で500メートルの落差の急坂を登る。前回9月に来たときと同じ道だが、大雨のせいか、ところどころ大きく崩れており、クレーンやショベルカーなど大型の重機を使っての修理が行われていた。 頂上に着き、一帯に広がるアンコール時代のヒンズー寺院跡を見、タイ側との衝突の最前線の様子を視察して山を下る。 前回9月に下見したときと同様、兵士は女房子供を従えての展開で、緊張した様子はない。特に子供たちは屈託がない。私は専らそのような子供たちの姿を写真に取っていた。 <プレアビヒア遺跡を視察する一行> 記者さんたちに遺跡警備の軍隊の装備などを取材してもらったりしたため、予想以上に時間がかかり、予定時間を30分ほど遅れてプレアビヒア遺跡を跡にした。山の麓から再びヘリに乗り、今度は30分の短いフライトでロルエト村の空き地に着陸。ヘリコプターの巻き上げる砂埃に驚いて牛が逃げ出す姿が見える。 ここでも大勢の兵士が我々を出迎え、憲兵隊のパトカーの先導でチェアンムック中学校に向かう。20分ほどの道。ここは、ラジオによる英語教育放送事業(https://blog.canpan.info/ohno/archive/755)の現場である。 校長先生以下の教員と、生徒たちが整列して拍手で我々を迎えてくれた。先ずは、教員室で父兄も交えての歓迎会。双方のスピーチの後、隣の教室でラジオ放送を使った英語授業の様子を見学。 <チェアンムック中学校を訪問する> 中学校の視察の後、近くの食堂で昼食。再び、待たせていたヘリに乗り、今度はコンポンチュナンにあるクメール焼き復活事業(http://cafekhmer.at.webry.info/)の現場へ一行を案内。ここで、教育省の幹部と、日経と朝日新聞の記者さんたちはヘリでそのままプノンペンに行ってもらい、我々はクメール焼き復活事業を視察して、ここからは車でプノンペンに戻ることに。 ヘリの着陸地点に我々を出迎えてくれたこの地域を管轄する軍司令官や県副知事も加わり現場のオンドルセイ村へ向かう。彼らも出来上がった作品を手にして、その出来栄えに大変感心した様子。 笹川会長らはこの村の近くにいるハンセン病の元患者を訪ねるというので、私は焼き物事業の取材を続ける記者さんと一緒に暫く村に残ることに。 <軍司令官や県副知事も見学> 帰りは、ハンセン病患者訪問から帰る会長一行と合流し、NyoNyumショップの焼き物ショウルームへ、一行を案内。パトカー先導の物々しい行列でホテルに戻ったのは7時頃だった。 5時半 朝食 6時20分 ホテル出発 6時45分 プノンペンヘリポート発 8時半 プレアビヒア着 9時 プレアビヒア寺院視察 11時 プレアビヒア発 11時半 ロールエット村着 12時 チェアンムック中学校訪問 12時半 昼食 13時半 ロールエット村発 15時 コンポンチュナン着 15時15分 クメール焼き事業現場 18時 NyoNyumショップ、焼き物ショウルーム訪問 19時半 夕食 |