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犬山城 (01/18)
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サブリエ・テンバーケンさんが始めた学校IISE [2009年06月09日(Tue)]
6月9日(火曜日)
スリランカへの出張の最大の問題は飛行機の時間。発着とも何故か、利用者の都合何て全く考えていないと言わざるを得ない時間が多い。今回はまだましな方とは言え、7時半の出発。深夜3時半に起きて、4時半にホテルを出発。南インドケララ州の州都、ティルバナンタプラムへ。盲人のドイツ人女性サブリエ・テンバーケンさんが始めたIISE(International Institute for Social Entrepreneurs)を見学するためだ。
インドは私には鬼門。いつも何か起きるので、無意識のうちに身構えてしまう。今回は、スリランカからの短い旅。高々、一時半の行程だが、何と、飛行機が30分早く出発したので、到着もその分早まり、予定より随分早い8時15分にティルバナンタプラムに到着。サブリエさんが出迎えてくれる筈だが、果たして無事会えるのか不安が頭をよぎる。
到着ホールに進んでみると、新型インフルエンザ(海外ではどこも相変わらず「豚インフル」と呼んでいるが)のチェックカウンターで大混乱。何故、普通に整然と出来ないのか不思議。今回は、インドでは泊らず今夜の夜行便でシンガポールに移動するので、スリランカで搭乗した際に、荷物はシンガポールまでスルーチェックインにした。そのため、ここでは出てくる筈はないのだが、ふと不安になったのでターンベルトの前で、念のため様子を見ることにする。
すると、不思議というか案の定というか、何と、シンガポールに運ばれるはずの荷物が出てきたではないか。荷物のタグを確認してみると、ちゃんと、シンガポール行きとなっている。従って、スリランカでの手違いではない。
あるいは、ここではこのようなシステムになっており、このまま放っておくと、係員がシンガポール行きの載せてくれるとでも言うのであろうか。念のため、係の女性に尋ねてみたところ、放っておかず、持って出た方が良い(!)とのアドバイス。何ということだろうか。
唖然としながらも、念のためにチェックして良かったと胸をなでおろしながら、外へでてみると、サブリエさんが盲人の日本人の女性ヨシミさんと一緒に出迎えてくれた。といっても、二人とも私を見えるわけではないので、ちょっと不安そうに、群集の中に佇んでいたのを私が気がついたという訳なのだが、、、。
私にとって、サブリエさん、ヨシミさんとは昨年7月の視覚障害者次世代リーダー国際会議以来。サブリエさんは講師、ヨシミさんは研修生としての参加であった。その時から、サブリエさんの夢の計画であるこの学校のことは聞いて、彼女の話に強く惹かれ、是非、南インドの学校が出来たら訪ねたてみたいと思っていたのだ。ヨシミさんは、今年初めに学校が始まると同時に20人の学生と一人として参加したのだった。

     <サブリエさんとヨシミさん>

南インドのケララ州は、スリランカからは目と鼻の先なので、今回の出張に合わせて訪問することにしたものだが、私にはもう一つの目論見があった。それは、障害者大学院大学の構想について彼女の意見をもらうことであった。事前にメモを送ったところ、サブリエさんから是非意見交換しようとのメールが届いていた。
(サブリエさんのことは、http://blog.canpan.info/ohno/archive/411に以下のように書いた。
「彼女はまだ38歳ながら欧米などでは、既に極めて有名な人物である。2004年にはタイ ム誌のヒーローオブザイヤーに選ばれ、2006年にはマザーテレサ賞を受賞。また、2005年にはノーベル平和賞候補にもノミネートされている。彼女がチ ベットでの盲学校設立に至る過程を描いた本「わが道はチベットに通ず」はドイツでベストセラーになったばかりか、日本語など各国語にも訳されている。ま た、日本でも公開された映画「ブラインドサイト 小さな登山者たち」はいくつもの映画祭で賞を受けている。
彼女は、自分の生い立ちからチベットに至る半生を語り始めた。
自分は12歳で失明したあと、途上国支援を志してボンの大学でチベット、モンゴルを中心に中央アジア学を専攻、チベット語や中国語を学んだ。チベット語の 学習の過程で自らチベット初となる点字を考案、27歳にして単身でチベットに移り住み、大変な苦労の末、盲人学校を設立した。それまで教育の対象として全 く顧みられる事の無かったチベットの目の見えない子供たちに、自ら開発したチベット点字を習得させるとともに、点字を通じて算数、中国語、英語などを教え た。そして、さらに2006年には盲人初の米人エベレスト登山家や6人の子供たちと一緒に7000メートル級の登山に挑んだ。
私自身も含めて、盲人の若者を中心とする聴衆は、破天荒ともいえる彼女の話に圧倒されたようだ。まるで小説を読むような、波乱に満ちた経験談の中で、サブ リエさんが繰り返したメッセージは、盲人は、決して無力な存在ではなく、哀れみの対象ではないこと、自分に誇りを持ち、自信を持ち、信念をもつことで不可能と思えたことでも成し得るのだ、ということであった」)


     <国際社会事業家養成学校(IISE)の美しい建物>

さて、二人の若き女性の出迎えを受けた私は、一緒に古びた乗用車で国際社会事業家養成学校(IISE)に向った。てっきり学校の専用車かと思ったら、白タクであった。「いつもこの車を使っているの」と尋ねると、「いいえ、いつもはバス。今日は貴方が来たから特別よ」。との答え。「私たち盲人は甘っちょろい環境に慣れてしまうといけない、というのが私の主義なの」
しかし、到着したIISEは私の予想を大きく裏切る、素晴らしいキャンパスを持っていた。広大な敷地は1万平米、校舎は美しいレンガ作りの建物群であった。豪華ではなく、シンプルな素材を使っていることが見て取れるが、非常に気持ちのいい建築様式である。これらは、インドを代表するIT企業Infosysの経営者夫人など様々な個人の寄付によるものだとか。

     <食堂で学生たちが私を歓迎する歌を歌ってくれた>

この学校の目的は、視覚障害者に、社会事業家としての自立に必要とされる技術や知識を、一年かけて、修得させることを目指している。中身は、経理や法律などに加えて、交渉術、説得術、リーダーシップなど。実際のインド企業でのインターンや仮想社会事業での資金集め訓練など、総て、極めて実用に即したかたちで身に着くよう配慮されている。
午前は、「紛争仲裁」に関する講義を傍聴した。ここでは、生徒はparticipant先生はcatalyst(触媒)と呼ばれている。教員は、サブリエの思想に共鳴して駆け付けた様々な国籍の専門家たちであった。


     <やわらかな陽光が注ぐサブリエさんのオフィス>

午後は構内視察。生徒たちの制作による、なかなかに凝った放送劇を聞いたあと、3人の生徒にインタビューした。特に、アフリカの白子(Albino)の女性参加者の話は衝撃的であった。
私は、色の白い彼女のことを、初め、てっきり白人だと思った。ただ、言葉に黒人特有の訛りがあり、初めて気がついた。アフリカでは、もともと、白子は悪魔の仕業など不吉なものとして恐れられている。そのため、彼女の母親は、出産直後出奔、祖母に育てられた、という。
最近、タンザニアで白子の身体には魔力が宿っているというデマが広がり、白子を殺害し、その身体の部分が高額で売買されるという動きが広まっているのだそうだ。彼女は、ケニヤ人だが、最近では、ケニヤでも道を歩いていると「お金があるいているぞ」というような言葉を掛けられるようになり、生きた心地がしなかった、という。
彼女は涙をこぼしながら語った。「私は、ここに来て、生まれて初めて、差別のない、暖かい家族に包まれたような毎日を送れるようになった。私は、白子に対する差別撤廃のために戦う。そのための技能を身にけるためにここに来たんだ」
涙でぐしょぐしょになりながら、拳を握りしめて叫んだ彼女の姿が目に焼きついた。


     <私が見学した授業は野外の教室で行われていた>

7時30分 コロンボ発
8時15分 ティルバナンタプラム着
10時 国際社会事業家養成学校(IISE)訪問
22時40分 ティルバナンタプラム発
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大野様

はじめまして、私は堀内佳美さんの活動を応援する者です。
佳美さんは、現在タイで子供達に本の楽しみを伝え、本にふれあう機会を届ける「どこでも本読み隊:ARC」を主催しています。
この記事に登場しているヨシエさんがまさによしみさんです。
サブリエさんのように志高くパワフルに活動しております。
現在の活動も是非ご紹介ください。
よろしくお願いいたします。
Posted by: 加藤亜矢子  at 2010年08月02日(Mon) 21:48

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