初めてのネピドー新空港 [2012年07月25日(Wed)]
7月25日(水曜日)
朝6時に、ホテルを出発。ネピドーへむかうべくヤンゴン空港の国内線ターミナルへ。昨年末、ネピドーに新空港が開港したことは知っていたが、最近ではネピドーに行きは、専らハイウエイ経由。航空路でのネピドー行きは本当に久しぶりで、新空港を利用するのは初めてだ。 ネピドー国際空港とは言うけれど、未だ定期便は無いという。最大都市ヤンゴンとの間のフライトも一日一本のみ。早朝にヤンゴンを出発して、お昼前後にネピドーを発ってヤンゴンに午後早々に戻る一便だけなので、不便極まりない。そこでハイウェイ開通後は、いつも4-5時間掛けて車でネピドーとの間を往復してたのだ。 しかし、今回は、笹川会長が外務大臣より委嘱された「ミャンマー少数民族福祉向上大使」としての「公務」で、日本ミャンマー協会会長の渡辺先生とご一緒であったので、初めて空路を使うことになった。 飛行機はオランダのフォッカー社製のジェット機。通路を挟んで左に3席、右に2席の構成である。フォッカー社は確か、90年代末に倒産して今は存在しない筈。整備は別会社に引き継がれたので問題はないのだろうが、、、。 <VIP棟から新空港を望む> 今回、ネピドーでも、ヤンゴン同様、貴賓室を使わせてもらったので、残念ながら、一般のフロアーなど空港の全容を見ることは出来なかったが、確かに、ネピドー市内に向かう際に遠望した空港ビルはびっくりするほど大規模なものであった。 ミャンマー政府の英字機関紙New Light of Myanmarの記事(昨年12月20日付)によると、新空港ターミナルの広さは、66万平方フィートで、旧首都であるヤンゴンの空港や第2位の都市マンダレー国際空港を5割方上回り同国最大の大きさだ。この空港の建設資金のかなりの部分は中国政府からの借款で賄われたといわれている。 しかし、国際空港とは言うものの、なぜか国際線は未就航とのこと。また、ヤンゴンからの定期便も一日一便のみと活用されていると言うには程遠いのが現状のようだ。 <ネピドー新空港ビルを望む しかし、国際空港としての活用はまだ> 空港を後にして、一旦、今回宿泊する予定のホテルに立ち寄ったが、チェックインは後回しにして、工業省に急行、渡辺日本ミャンマー協会会長、笹川会長の工業大臣との面談に陪席。工業大臣は鉄道大臣とともに、テインセイン大統領から少数民族武装グループとの和解交渉の担当を任されている。そこで、少数民族福祉向上大使としての笹川会長との面談を申し入れた訳だ。日本財団としての少数民族地域への支援の取組方針を説明したところ、議論好きな大臣と見えて、活動の具体的な中身にまで及ぶ議論となった。 しかし、その後は、ヤンゴン郊外に建設予定のテイラワ工業団地の話が中心課題。大変力の入ったデイスカッションが続き、会見は二時間半にも及んだ。 <ソーテイン工業大臣と面談する笹川会長> 工業省の後、急いでホテルに戻りチェックイン。昼食を済ませると今度は情報省に向かった。日本財団が行っている『私たちが薦める100冊プロジェクト』の贈呈式に参列するため。 この事業は、2008年度から始まったもので、日本に関する英文図書を100冊厳選し、海外の研究機関や図書館などに寄贈する事業である。従来の図書寄贈事業が主に日本研究の促進を目的に行われ、その寄贈図書も、日本関連の教科書や学術書に重点を置いている傾向があるのに対し、本事業では、日本研究を特に専門としないオピニオン・リーダーや知識層を対象に、現代日本をよりよく理解する材料として、優れた著作を厳選し、カタログを作成し、個人や公共図書館、文化団体などから希望図書を募り、寄贈するというもの。http://japancenter.jica.go.jp/articles/100.html具体的には、政治・国際関係、経済・ビジネス、社会・文化、文学、歴史の様々な分野で傑出した日本に関する英文書籍を100点選び、図書の概要や書評を入れたカタログを作成しました。これを個人・団体に広く配布した上で、希望者に対して図書を個別に寄贈する。今回、ミャンマー情報省からネピドーにある本省内の資料室とヤンゴンの中央図書館から寄贈の要請が届いたことから引き渡し式を行うことにしたもの。 <情報省で英文図書の寄贈式> 情報省の後は、国境地域・産業開発省へ。ミャンマー語の正式なタイトルが余りにも長い名前なので頭文字をとってNATALA省と呼ばれるこの省は、少数民族が居住する7つの州をの問題を包括的に担当する。日本財団は、10年前に始めたシャン州での学校建設事業を通じて、NATALA省とは大変親密な関係にある。日本財団に非常に友好的なこの大臣とは昨年12月に会って以来の再会。笹川会長の今般の少数民族福祉向上大使就任の挨拶の後、日本財団としての今後の取り組みについて意見交換。会議は非常に和やかなムードに終始した。 06時 ホテル出発 07時 ヤンゴン発 08時 ネピドー着 09時 ソーテイン工業大臣 13時 情報省図書寄贈記念式典 16時 テインテー国境地域・産業開発大臣 18時半 夕食 |