「市民・地域共同発電所全国フォーラム」を開催しました [2018年11月28日(Wed)]
第10回市民・地域共同発電所全国フォーラムは、10月5〜7日に飯田市公民館で開催されました。
市民・地域共同発電所は、市民や地域団体が主体となって取り組む自然エネルギー発電所のことです。 全国フォーラムは、地域に根ざした発電事業に取り組む各地の事業者や住民、研究者等が一堂に会する場として、2002年から開催されてきました。 第10回の節目となる今回は、全国最多の市民・地域共同発電所のある長野県飯田市を会場として、3日間にわたり行われました。 初日は全体会として、茅野恒秀先生(信州大学)による基調講演「エネルギー転換の社会構想と変革の道」のほか、飯田市の牧野市長や長野県職員も参加したディスカッション、全国の活動団体紹介などが行われました。 2日目は分科会として、「里山資源を活かす小規模簿バイオマス」「地域再エネ事業を支える仕組み」「地域新電力と自治体政策」「多様にひろがる生協の再エネ事業」の4つが企画されました。 このうち「地域再エネ事業を支える仕組み」では、榎原友樹さん(株式会社E-Konzal)をコーディネーターに、古屋将太さん(環境エネルギー政策研究所)、浅輪剛博さん(自然エネルギー信州ネット)による事例報告がありました。 その後、参加者が4〜5人の小グループに分かれて、それぞれがエネルギー事業に感じる課題や問題点を出し合い、グループごとに発表して全体で考えるグループワークを行いました。 また「地域新電力と自治体政策」では、竹村英明さん(市民電力連絡会理事長)をコーディネーターに、2016年の電力小売り自由化に伴い、全国で立ち上がった新電力事業を軸に議論が交わされました。 日本シュタットベルケネットワークのラウパッハ・スミヤ・ヨーク代表は、ドイツのエネルギー公営企業「シュタットベルケ」の役割を紹介した上で、地域の課題解決のため日本版シュタットベルケの立上げを呼びかけました。 分科会の最後は参加者全員でアピール文を採択しました。 アピール文では、日本が自然エネルギー100%社会になるよう力を尽くすこと、このような活動を通じて持続可能な地域づくりを進めること、原発や化石燃料に依存しない社会の実現を謳っています。 第10回市民・地域共同発電所全国フォーラムアピール文.pdf 翌日はエクスカーション(現場視察)で、地域の木質バイオマス見学ツアー、化石燃料ゼロ施設の見学が行われました。 Aコース「川下り竹伐採見学×木質バイオマスツアー」 天竜川沿いの放置竹林の伐採活動に取り組む天竜舟下りを視察。 伐採した竹からつくった国産メンマです! 飯伊森林組合の製材所“ほうりん”を見学。 Bコース「化石燃料ゼロ施設×地区単位の再エネ自治挑戦ツアー」 化成燃料ゼロ施設“風の学舎”を見学しました。 太陽光パネルや小型風力のある建物。 手作りピザ窯でもバイオマス利用! 丸太を板に製材する機械。 板にすると付加価値がつきます。 その後、飯田市山本地区で太陽光パネルを設置している杵原学校を見学。 この事業は飯田市の「地域公共再生可能エネルギー活用事業」の認定を受けています。 市民・地域共同発電所は1990年代に宮崎で始まりました。 昨年、NPO法人気候ネットワークが行った調査では、全国で発電所は1028基に上り、着実な広がりをみせています。 このような機会を通じて、自然エネルギー100%社会実現に向けて、参加者が新たな一歩を踏み出すきっかけになればと感じました。 |