8月末から1週間にわたり、おひさま進歩社をはじめ市民協同発電事業に取り組むメンバー4名で、自然エネルギー先進地・ドイツを訪れてエネルギー協同組合や地域電力会社を視察しました。
おひさま進歩社からは2名が参加しました。
ドイツ視察の様子を3回に分けてご紹介します。
最初に訪れたハイデルベルク市では、パッシブハウス住宅地として知られるバーンシュタット・パッシブ建築街区(高性能断熱住宅)、地域電力会社「シュリースハイマー・エコ電力プラス」を訪問しました。
◆バーンシュタット
バーンシュタットは、世界最大規模のパッシブハウス街区として開発中で、現在は戸数3000戸、約5600人が居住しています。
街区の建物は、断熱材や三層ガラス等の高性能な窓、熱交換換気、高気密、ヒートブリッジ対策を導入して、冬でも暖房がほとんどいらないそうです。
街区にある高層テナントビル。
折りたたみ式の窓外側のシェードがあり、日差しを入れない工夫がされています。

集合住宅。
エネルギー性能だけでなくデザインも良いものを作っているそうです。

幼稚園。
屋根には太陽光パネルが設置されていました。
子どもの施設は木の外壁のことが多く、ぬくもりも必要と考えているように見えました。

街区の道路にはこんな看板も。
ドイツ版飛び出し坊や?

◆シュリースハイマー
ハイデルベルク市の市民団体「シュリースハイマー」にも訪問して、情報交換を行いました。
この団体は、シェーナウ電力の自然エネルギー100%電力をハイデルベルク市民に販売する地域電力事業に取り組んでいます。

ゾンネンセント(太陽セント)という名前で、毎月の電力料金に少しだけ上積みしてもらい、その上積み額を基金として、地域の小学校へサッカーボールを寄付したり、発展途上国の支援に充てる地域貢献サービスも行っていて、地域密着型の電力小売りといえます。
どんな地域貢献にゾンネンセントの基金を使うか、電力の顧客(ハイデルベルク市民)に投票して決めてもらうそうです。

◆フライブルグ市
次に訪れたフライブルグ市は、公共交通システムの推進や省エネ施策を導入した先進的な環境都市として知られています。
中心市街地には自動車の乗り入れはできず、バスとトラムのみ。
街は、徒歩で買い物や観光を楽しむ人たちで賑わっていました。

エコホテルの外観。
パネルを設置した家が並ぶソーラー住宅地。
建物の気密性や断熱性能を高めて、太陽光パネルを屋根全体に設置しています。
飯田市で3年前に講演していただいた、フライブルグ在住の環境ジャーナリスト・村上敦さんにもお会いしました。
フライブルク市やドイツでのエネルギー転換の最新状況や、日本での電力小売りなどについて、貴重なアドバイスをいただきました。

※そのAへ続く