飯田の小水力発電の遺構を訪ねる視察ツアーが12月10日(土)に開催されました。
ツアーは南信州自然エネルギー普及協議会が主催して、飯田地方の明治・大正から戦前にかけての小水力発電について学ぶ連続講座の一環です。
最初に訪ねたのは、中部電力飯田営業所に展示されている水車。
1899(明治32)年に建設され、現在は廃止された松川第一発電所で使われたものです。
十数年前、松川ダム付近で清掃活動に参加した中電社員の方が、山の斜面に放置されていた水車2基を発見して、調査の結果、中部地方で最古のペルトン水車と確認されています。
続いて松川ダムを訪問して、今も稼働中の松川第三発電所、松川発電所を見学して中電職員の方から説明していただきました。
右手前が大正時代に建設された第三発電所、左奥が松川発電所です。
松川発電所。
松川第三発電所。
次に、飯田市竜丘の新川発電所の遺構を訪ねました。
竜丘地区では1913(大正2)年、住民が日本初の電気利用組合を結成して発電事業が行われた歴史があります。
発電所は戦前の配電統制令で国家統制へ移行され、その後廃止されてしまいました。
普及協議会メンバーの案内で、現在は田んぼになっている貯水池落とし口跡や水槽跡、移築された発電所社宅を見学しました。
また、発電所建屋は民家に蔵として移築されていて、当時の面影を偲ぶことができました。
最後に訪ねた阿智村駒場の駒場発電所では、石組みの導水路跡を見学しました。
参加者からは、
「地域にこのような先人の残した歴史があったことは知らなかった」
「自分の地域でも、小水力発電ができるのではないか」
など、過去の歴史から新たな事業への思いが生まれたような感想の声がありました。
今年の小水力連続講座が終わりましたが、新しい小水力の動きにつながれば嬉しいです。