矢部宏治 2014.10.29
『日本はなぜ、『基地』と「原発」を止められないのか』
はしがき
3・11以降、日本人は「大きな謎」を解くための旅をしている。
なぜ、これほど巨大な事故が日本で起こってしまったのか。
なぜ、事故の責任者は罪に問われず、被害者は補償を受けられないのか。
なぜ、東大教授や大手マスコミは、「原発は絶対安全」と言い続けたのか。
ドイツやイタリアでは、脱原発となったのに、日本では再稼働なのか?
福島の子供達に健康被害が起きているのに、政府等は無視し続けるのか。
この日本はとても正常な国家とは言えないのではないか。
特定秘密保護法で、すべて国民の眼から隠されてしまうのではないか。
沖縄の米軍基地問題を調べ始め、福島の原発災害問題にも直面した。
今、直面している問題は、巨大で、背後にひそむ闇もかぎりなく深い。
我々には、崩壊し始めた「戦後日本」を争いや流血もなく、次の時代に移行させていく義務がある。
1.沖縄の謎---基地と憲法
・ 4年前、28ある巨大な米軍基地をすべて撮影し、本にするという企画を始めた。
・ 米軍の飛行機は日本の上空を自由に低空飛行訓練するが、米人の住宅の上では飛行訓練しない。
それは危険だからで、米軍が日本人を人間扱いしていないという事実を知らされた。
アメリカ人が人間を評価する場合、あっちとこっちでいうことを変えない「インテグリティ」を重要視するが、「日本の政治家や官僚には、インテグリティがない!」というが、米国も!!
・ 戦後初めて政権交代を成し遂げた首相が、危険な外国軍基地を県外または国外へ動かそうとしたら、大騒ぎになり失脚した。その時、外務官僚・防衛官僚たちが真正面から反旗を翻した。
自民党は結党当初から、CIAによる巨額の資金援助を受け、アメリカの世界戦略のパートナーとして誕生した。さらに、CIAは野党にもお金を出し、分裂工作を行っていたという。
・ 日本の政治家がどんな公約を掲げようとも、「どこか別の場所」で既に決まった方針には逆らえない。日本人自身には米軍基地問題には関与できない。自民党時代には隠されていた真実が鳩山政権の誕生によって初めて明らかになった! でも、今は再び以前に戻されてしまった。
・ 中国やソ連の核がほとんどアメリカに届かない時代から、アメリカは南北に延びる日本列島から中国やソ連に向けて、1300発の核兵器をずっと突きつけていた。
・ 歴史を調べると、日本の平和憲法は、沖縄の軍事要塞化、核武装とセットであることが判った。
砂川裁判で田中耕太郎最高裁長官は、在日米軍の権利を全面的に肯定する判決を書き、在日米軍の治外法権状態が確定してしまった。日米地位協定が日本国憲法よりも上位となったのだ!
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