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多摩丘陵にある日野市三井台、ここに住む高齢者のクラブ・三井台南窓会の会員が中心になって作っている団体ブログです。地元の季節毎の写真、南窓会の活動報告、会員の旅行記、俳句、地域の情報など、多様な記事が満載です。
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今月の俳句(令和元年六月) [2019年06月25日(Tue)]
今月の俳句(令和元年六月)

今月の兼題は「新茶」です。新茶から何を連想しますか?句会では皆さんそれぞれ労作を発表しました。句評は藤戸紘子さん、今月の一句の選と評は皆川瀧子さんです。

「軒先に新茶入荷の幟旗」  
木原 義江

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茶摘(春の季語)は八十八夜を挟んで2,3週間が最盛期。それから製造した今年のいわゆる新茶が出回るのが初夏で、新茶は夏の季語、走り茶ともいいます。
この句の景は日常よく見かける景ですね。外国のことは寡聞にして存じませんが、日本人の新茶を待つ心は特別のものがあるように感じます。それだけ我々の生活に馴染んでいるのでしょう。新茶の良い香りは独特で、身も心も清々しくなりますね。店先にはためく新茶入荷の幟に出合った時の作者のときめく心が伝わってきます。

「挙式への招待状や新茶淹れ」
  宮ア 和子

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私共の年齢になりますと祝儀への招待状よりは不祝儀の機会が多くなるのが一般的ですが作者へは挙式つまり結婚式への招待ということで、作者も大変華やいだ気持ちになられたのでしょう。新茶の甘やかな香りに包まれて、しみじみと招待状を広げ、新郎新婦の話に華が咲いたことでしょう。新家庭の誕生の喜びとまろやかな香りの新茶がよく響きあっています。

「新茶の香いつもの菓子と古女房」
  皆川 眞孝

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作者ご夫妻はご結婚50年以上になられるそうで、その仲の良さは衆人の知るところです。古女房という語から皆さんはどんな印象を持たれるでしょうか。私はとても奥ゆかしい愛情を感じます。古女房は伴侶の長所・短所を熟知し、物事が順調に運ぶお膳立てを目立たぬように設えます。古旦那の方は女房にまかせていれば何事もうまく行くと承知していながら、さも自分が采配を振るっているかのように振舞い、古女房は後ろでにこにこと見守っている、そんな夫婦の有り様を想像しました。いつもの菓子から平穏な日常が感じられますし、新茶の新、古女房の古の対照も心憎い技を感じます。何だか品の良いお惚気をさりげなくされた気がしないでもない一句。

「濃紫の鉄線花(てっせん)絡むフェンスかな」
  皆川 瀧子

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鉄線花はキンポウゲ科の蔓性植物で夏の季語。蔓が針金のように細くて強いところがこの名の由来です。中国の原産。垣根に咲かせたり、鉢植えにしたりと人気のある花です。
この句では濃い紫の花を詠まれましたが、最近では園芸種が沢山あり色も薄紅色や白い線が花弁の中央にあるもの、暈しのあるものなど色も様々です。珍しいもので四弁の白い線の入った種もあるそうです。鉄線花は何といってもピンと張った花弁と針金のような蔓が特徴で凛とした上品な風情が人を惹き付けるのかもしれません。素直に写生をされた一句。

「読みさしの本の湿りや桜桃忌」
  渡辺 功

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桜桃忌(おうとうき)とは太宰忌(6月19日)のことで、彼の代表作の一つ「桜桃」の題名から太宰忌を桜桃忌とも呼んでいます。広辞苑によると桜桃とは「さくらんぼ」「ゆすらうめ」の二つが載っています。太宰治は大作家ですが、ご存じのように私人としては問題の多い生き方、死に方をした人物です。遠くから眺める分には大変興味深い人物ですが、身近にまたは家族にそんな人物がいたらきっと酷い迷惑を受けることになりそうです。その破滅的な生き方が何故か若者の心を捉えるようで、太宰忌には太宰の墓がある三鷹の禅林寺に全国から大勢の若者が集まります。句の読みさしから人生を全うすることなく逝った太宰と梅雨時の湿りが絶妙に響き合い余韻ある一句となりました。

「川底の岩に食み(はみ)跡鮎来る」
  湯澤 誠章

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鮎(夏の季語)は淡水魚。姿が美しく香気をもち、味が良いので古くから食用として珍重されています。体色はオリーブ色でやや黄味を帯び、体側は薄い銀色。鱗はきわめて小さい。秋に川を下り、中流域の砂利底に産卵。孵化した稚魚は海へ下り、翌年川を遡ります。海ではプランクトンを餌としますが、川では食性が変わり珪藻などの微小な水苔類を食べます。この句は岩に生えた水苔を鮎が食べた痕跡を作者は発見し、驚きと鮎が帰って来たという喜びを表現されました。
底まで見える澄み切った川面が夏の日差しに煌めいている景まで浮かびます。

「放水の片虹かかる黒部ダム」
  小野 洋子

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虹が夏の季語。富山県東部黒部川扇状地のダムが黒部ダム。堰堤(えんてい)の高さ186メートル、左右のウイング492メートル、日本一の規模のダムですが世界でも屈指の雄姿です。このダムでは観光客へのサービスとして観光放水を行っています。流れ出る水量は毎秒10t以上だそうで、私も実際に見たことがありますが真に圧巻の放水でした。その放水により美しい虹が峡谷にかかります。ダムの壁から大量に吹き出す水から渓谷に向けて全円の四分の一の形(片虹)の虹が大きくかかります。放水の轟音と薄く美しい虹そして周囲の山の緑、自然の美しさと人間の造り上げた巨大な構築物それらが一体となって胸に迫ってきたあの感動が甦った一句。俳句では固有名詞の使用は注意が必要ですがこの句は黒部ダムという固有名詞がよく効いています。

「とりとめなき話に笑ひ新茶汲む」 
 藤戸 紘子

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日本人は新しく収穫した食べ物が好きです。新米、新酒、新じゃが等、特に新茶は味と香りが良いので、心が浮きたちます。この句は、新茶を飲みながら友人たちと楽しく話をしている場面でしょう。取り留めのない話とは、まとまりのない話、他愛のない話のことで、要するに雑談、ゴシップのことです。男性から見ると、よく女性は話が尽きないと思うのですが、これがストレス解消になっているのでしょう。新茶の明るい雰囲気がよく出ている、楽しい俳句です。(評:皆川眞孝)

新茶の他の句

「しばらくは話途切るる新茶かな」
  渡辺 功

「友よりの一筆箋と新茶かな」
  宮ア 和子


今月の一句(選と評:皆川瀧子)

「新茶売るあかね襷や山の駅」
   皆川 眞孝

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緑に囲まれたローカル線の小さな駅で下車した作者は売店から、新茶の良い香りが漂っているのに誘われて、歩を進めると、紺絣に茜色の襷をした若い娘さんが、新茶を売っています。たぶん試飲も勧められたのでしょう。満足げの作者の顔が浮かびます。新茶の黄緑色と茜色の襷との対比も綺麗で、佳句だと思います。
(評:皆川瀧子)

<添削教室>
 原句「湛水の間近きダム地山茂る」  宮ア 和子

 先日南窓会バス旅行で、八ッ場ダムに行った時の句。ダム工事はほとんど終わり、湛水(たんすい)がじきに始まり、来年3月には完成予定です。このダムの様子を描写した俳句ですが、「ダム地」の地は余分ですので、「ダムや」と切れ字にした方が強調されます。また山茂るの季語よりも「山滴る」(夏の季語)の方が、ダムの連想から面白いでしょう。念のため、山の季語として「山粧ふ」(秋)「山眠る(冬)」「山笑ふ」(春)があります。
添削句「湛水の間近きダムや山滴る」
 宮ア 和子

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Posted by 皆川眞孝 at 09:00
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