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多摩丘陵にある日野市三井台、ここに住む高齢者のクラブ・三井台南窓会の会員が中心になって作っている団体ブログです。地元の季節毎の写真、南窓会の活動報告、会員の旅行記、俳句、地域の情報など、多様な記事が満載です。
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映画「グリーンブック」 [2019年03月15日(Fri)]
映画「グリーンブック」

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今年度の米アカデミー受賞作というので、早速多摩センターの劇場で日曜日に見てきました。
まだ黒人差別の残っていた1960年代アメリカを舞台にした、黒人ミュージシャンと白人運転手の映画という程度の予備知識しかありませんでしたが、予想を超える良い映画でした。
 主人公は、NY下町に住む、ナイトクラブ用心棒のイタリア系トニー(ヴィゴ・モーテンセン)。失職中の彼が、黒人ミュージシャンのドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)の運転手に応募して採用されます。ガサツで無教養のトニーに対して、気高く教養があり天才的なピアニストのシャーリー。この二人が人種差別の根強く残る米国南部での上流階級音楽会のために2か月の車の旅に出かけます。

 屈辱感を感じながらも金のために運転するトニーと、言葉とマナーの悪さに腹を立てるシャーリーは、初めは全然かみ合いません。しかし、旅を続け、南部の黒人に厳しい現実にぶち当たると、二人の気持ちに変化が現れてきます。
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 このストーリーは実話をもとにしているそうで、以前見たフランス映画「最強の二人」を思い出しました。なお、「グリーンブック」とは、黒人専用のホテル・食堂などを掲載したガイドブックの事です。
お金のある孤高の黒人チャーリーと、貧乏だが美人の奥さんや家族に囲まれたトニーとどちらが幸せか?
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  黒人差別問題という深刻な内容ですが、ユーモアが所々にあり、心温まる映画となっています。皆さんにも推薦できます。
予告編は次をクリックして見てください。

https://gaga.ne.jp/greenbook/

皆川眞孝
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「激突!」 [2017年11月09日(Thu)]
映画「激突!」


自動車は使い方次第では凶器になります。テロリストが、歩道や自転車専用道路で車を走らせ大勢の人を死傷させる事件が頻繁に起きています。テロリストでなくても、頭のおかしい人や怒りに狂った人が運転すると危険です。
クラクションを鳴らされたからと怒って嫌がらせをする運転手も増えています。以前私も無茶な割込みをされて「危ないよ」とクラクションを鳴らしたら、その車が突然目の前で停車し進路を妨害されるということを経験しました。
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自動車を運転すると人格が変わる人もいます。昔、ディズニーのアニメ映画で、普通は虫も殺せないおとなしい人が、ハンドルを握ると人が変わったように乱暴になるという漫画を見たことがあります。

アメリカで1971年に製作された映画「激突!」は、そんな自動車同士のトラブルを描いています。
平凡なサラリーマンがハイウエイで大型のタンクローリーを追い越します。気が付くと、後ろからタンクローリーが追いかけてきます。どうぞと先に行かせると、のろのろ運転で進路を邪魔します。車を止めて一休みしてから行くと、そのタンクローリーが待ち受けています。
この執拗なタンクローリーと、逃げ回るセールスマンの車だけの話ですが、一度見たら忘れられない映画です。
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監督は26歳のスティーブン・スピルバーグで、この映画で才能を認められたそうで、さすがと思いました。原題はDUEL、決闘という意味で、まさに2台の車の決闘です。
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日本でも最近、嫌がらせをする運転手が現れ、死者まででています。TVで見ましたが、些細な事で切れる運転手が多いので、要注意です。

日本の事件から、この映画を思い出し、11月の南窓会映画会で取り上げます。ぜひ大勢の方がご覧になり、参考にしてください。
11月26日(日曜日)午後2時から
南平東地区センター、入場無料、予約不要
映画「激突!」日本語字幕

皆川眞孝
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「関ヶ原」 [2017年08月31日(Thu)]
映画「関ヶ原」


先週土曜日に公開された映画「関ヶ原」を見てきました。
原作は司馬遼太郎ですが、私は読んだことがありません。家康を役所広司、三成を岡田准一、小早川秀秋を東出昌大、が演ずるということで、面白そうだと思ったからです。監督は原田眞人です。三成に仕える忍びの女を、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」の人気女優・有村架純が演ずるのも話題になっています。
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天下分け目の関ヶ原合戦は、映画の宣伝文句がいうように、「戦国時代を終焉させ、その後のわが国を運命づけたその合戦はわずか6時間で決した」のですが、この映画では大きなスケールで迫力満点でスクリーンに再現しています。
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ただ私の問題点は、年齢のせいか、せりふが早口でよく聞き取れないことです。家でTVを見るときも字幕があれば字幕ONで見るくらいですので、微妙な点が聞こえないと、楽しめません。
もうひとつは、関ヶ原の前のストーリーが、登場人物が多くて分かり難いことです。歴史に詳しい方ならともかく、字幕で人物の名前や年号をだしてもらいたいと思いました。
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どうしても石田三成というと、いままでは、茶坊主からの成り上がり官僚で、戦下手で秀吉に可愛がられただけと評価が低い人物ですが、天下をとろうという野望を持つ家康に対抗して義を貫くために立ち上がったということで好意的に描いています。ただ、原作に縛られているから仕方がないのかもしれませんが、もう少し三成を悲劇の主人公にした方が面白かったでしょう。役所広司は徳川家康のいやらしい面をよく演じています。
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合戦の場面の描き方は、絵巻物風ではなくて、非常にリアルで凄惨です。戦さにはロマンはなく、残酷な殺し合いだということを如実に見せてくれます。日本の歴史映画がお好きな方にお勧めできます。

予告編は次をクリックしてご覧ください。
http://wwwsp.sekigahara-movie.com/

(皆川)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「沈黙ーサイレンスー」 [2017年02月06日(Mon)]

映画「沈黙―サイレンスー」


遠藤周作の代表作「沈黙」は1966年に発表され、話題となりました。私も当時この小説を読んで感銘を受けました。江戸時代初期の切支丹弾圧の渦中、日本に渡ったポルトガル人の司祭を通じて、神と信仰の意義を考えるストーリーです。カトリックの遠藤周作が「沈黙を続ける神」に真剣に悩んだ末のひとつの結論がこの小説だと思いました。1971年に篠田正浩監督により映画化されましたが、この映画は見ていません。

そしてこの小説が書かれてから50年後の2016年、アメリカのマーティン・スコセッシ監督により映画化されました。スコセッシ監督は、イタリア移民の家に生まれ、映画「タクシードライバー」、「ディパーテッド」などの問題作で有名です。28年前に原作を読んだスコセッシ監督がずっと映画化を考え日本についても研究し、出来上がった作品だけに、真面目な重厚な映画に仕上がっています。
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スコセッシ監督


あらすじ
  江戸時代初期、イエスズ会が日本に布教のために送り込んだフェレイラ教父が棄教したというニュースがローマ教会に届く。フェレイラを師と仰ぐ宣教師のロドリゴはその真偽を確かめるために、仲間の宣教師と共に密に日本・長崎の近くに上陸する。そこで会った村人は隠れキリシタンであった。しかし、役人の厳しい拷問で切支丹と分かった信徒は次々と処刑されていく。ロドリゴも捕らえられ、ロドリゴではなく信徒を拷問にかけ彼らを救うために棄教をせよと迫られる。神はなぜこんな状況でも沈黙を続けるのか、神は本当にいるのか?・・・
 
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宣教師ロドリゴ

外国人が作った映画なので、日本人のセリフも英語で日本語字幕付きです。初めは違和感がありましたが、ロドリゴの視点からみた日本ということですからすぐ慣れました。また、当時の日本の描き方も偏見がありません。

厳しくまた巧妙にロドリゴを取り調べる長崎奉行・井上筑後守をイッセー尾形が、軟と硬を取り混ぜ棄教を迫る通辞(通訳)の役人を浅野忠信が演じていますが、それぞれ英語の発音もよく、印象に残る上手な演技でした。
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右、イッセー尾形

何度も棄教し、ロドリゴを密告するなど裏切りを繰り返すキチジローはこの映画の準主役ですが、窪塚洋介が人間の弱さと卑屈さを体当たりで演じています。
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キチジロー


ロケーション撮影は主に台湾で行ったそうですが、きっと当時の長崎の寒村はこんなだったろうと寂れた雰囲気がよくでています。処刑場面など結構生々しく残酷なシーンもありますので、ご覧になる方は覚悟して見てください。また、映画は2時間45分と長く途中休憩がありませんのでご注意ください。
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現在でも宗教の違いによる戦争やテロが続いています。神は沈黙を続けていますが、現在の状況をどうみているのでしょうか?他の宗教の人を殺したり、迫害されて殉教することが神を信ずることでしょうか?信仰とはなんだろうか、と考えさせられます。
監督がこの映画で伝えたかったのは、「強くなれる者もいれば、うまくいかない者もいる。弱き者にも生き場所があってもよいのではないか」ということでしょう。
原作をもう一度読み直したくなりました。

私はクリスチャンでないので、映画を客観的に鑑賞できました。江戸時代に幕府がキリスト教を禁止したのは歴史的に見て日本を植民地になることから救った正しい判断だったと私は信じていますが、キリスト教の人たちはどんな印象をうけるでしょうか?
予告編は次をご覧ください。

http://chinmoku.jp/

(皆川眞孝)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
海賊とよばれた男 [2016年12月18日(Sun)]
映画「海賊とよばれた男」


百田尚樹のベストセラー小説「海賊とよばれた男」が映画化されたので、公開初日(10日)に多摩センターで見てきました。
同じく百田尚樹の「永遠のゼロ」を映画化した監督・山崎貴と俳優・岡田准一が手を組んでいます。
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岡田准一

本を読んでストーリーをご存知の方も多いと思いますが、出光興産の創業者出光佐三がモデルです。
(あらすじ)
 焼野原となった敗戦直後の東京、そこに立つ国岡鐵蔵(岡田准一)は、国岡商店の創業者で戦前は、海賊と呼ばれるぐらい型破りな石油販売で企業を大きくしてきた。しかし、今は満州の石油事業をすべて失い、国内での石油の仕事もなかった。しかし、日本の未来を信じる60才の鐵蔵は、あきらめない。部下を大切にし、一人も解雇せず、ラジオ修理の仕事などで食いつなぐ。戦場から復員した社員も引き取り、人が嫌がる石油タンクの底の石油を回収する仕事でGHQの信頼を得て、次第に石油を取り扱えるようになる。大型タンカー「日承丸」を建造し、事業を広げたが、100%の日本資本企業であるため、欧米の石油メジャーから敵視され、すべての輸入ルートを封鎖される。そこで、鐵蔵はイランから直接石油を買うことを計画する。当時イランは石油を国有化してイギリスから輸出を封鎖されていた。イギリス海軍によって日承丸が攻撃される危険もあるが、鐵蔵は決死の覚悟でタンカーを送り出す。はたして、無事にイランから石油を運んで戻ることが出来るだろうか?
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日承丸


「ALWAYS三丁目の夕日」の監督でもある山崎貴は、コンピューターを使ったVFX(映像効果)に優れ、この映画でも、海洋を航海するタンカー、満州の雪原を走る機関車、空襲で燃え上がる東京、などを大きなスケールでスクリーンの上に見せてくれます。

1953年に実際に起きた出光興産の「日章丸事件」は敗戦で打ちひしがれた日本人に勇気と希望を与えてくれました。原作者の百田尚樹は、この事件を知って出光佐三の生き方に感激し本を書いたそうです。
もともと長いストーリーなので、映画も2時間半と長く、時代が現在から過去にたびたび戻りちょっとわかり難いところもありますが、原作にほぼ忠実に作られています。
主演の岡田准一は30歳代から90歳代までの主人公を熱演しています。国岡商店社員には、吉岡秀隆、染谷将太、鈴木亮平、ピエール滝、小林薫など個性的な役者をそろえ、それぞれ印象的な好演です。
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吉岡秀隆

鐵蔵の最初の奥さんは綾瀬はるかが演じています。
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綾瀬はるか

現在の日本人はどうも日本人としての誇りを忘れて、委縮しているのではないか?過去の日本には勇気をもって困難に立ち向かった立派な経営者がいたのだと、今の日本人を元気づけてくれる映画です。

予告編は、次の公式ホームページをご覧ください。
http://kaizoku-movie.jp/trailer.html
(文責:皆川眞孝)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「オケ老人!」 [2016年11月14日(Mon)]
映画「オケ老人!」

NHK連続TV小説「ごちそうさん」の主演で有名になった女優「杏」ちゃん(父親は俳優の渡辺謙)の映画初主演の「オケ老人!」を土曜日に見てきました。
「オケ老人」は勿論「ボケ老人」をもじっていますが「オーケストラで演奏する老人たち」の意味です。
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<あらすじ>
ある町の高校に数学教師として新しく赴任した千鶴(杏)は、町のアマチュア・オーケストラの演奏に感激し、高校時代に自分もバイオリンを演奏していたことを思い出し、入団を申し込み、受け入れられる。ところが、入団したオーケストラは、年寄りばかり。素人丸出しのひどい演奏。実はこの町には、「梅が岡交響楽団」と「梅が岡フィルハーモニー」の二つがあり、千鶴は間違えて「交響楽団」に入ってしまった。若い千鶴の入団に、団長の野々村(笹野高史)や団員(左とん平、藤田弓子、小松政夫など)は大喜び。辞めたくて仕方がない千鶴だが、言い出せないままぐずぐずしていて、フィルハーモニーのオーディションに合格して二股をかける。そんな時に野々村が倒れ、指揮者がいなくなる。やむなく指揮者を引き受けた千鶴だが、下手なお年寄り団員をまとめることができるのだろうか?
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以前、このブログで「マエストロ!」という映画を紹介したことがあります。
http://blog.canpan.info/nsk/archive/2393
解散したプロのオーケストラを、西田敏行の演ずる謎の指揮者が再建する話です。このストーリーも似ていますが、一番の違いは、この映画では団員が高齢者ばかりということ。三井台南窓会にもハーモニカ・サークルがありますが、「梅が岡交響楽団」と同様に高齢者ばかりですので、指揮者の調先生もご苦労しているのだろうと同情して苦笑しました。

主演の杏は楽器の経験が全くなく、半年ヴァイオリンの特訓を受けたそうです。ほかの団員の演奏シーンには、専門の先生がついていて、納得しないとOKがでなかったそうです。それだけに、演奏の場面は現実感があります。
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脚本・監督は細川徹、原作は荒木源の同名の小説です。原作は読んでいませんが、主人公の高校教師は男性です。映画は主役を女性に変更して、杏が熱演していますので、こちらの方が面白いと思います。また、笹野高史が準主役の団長役でいい味をだしています。
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笹野高史


なお、杏さんは、俳優の東出昌大さんと結婚し、双子が生まれましたが、この映画は結婚直後ぐらいに撮影されています。
涙あり笑いありのコメディーで、特に私達老人に元気を与えてくれる楽しい映画です。ぜひ、音響のよい映画館で、ご覧ください。お薦めできます。
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予告編は次をクリックしてください。
http://oke-rojin.com/
(皆川眞孝)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「グッドモーニングショー」 [2016年10月09日(Sun)]
映画「グッドモーニングショー」


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映画「グッドモーニングショー」を公開当日(土曜日)に見に行ってきました。
TVではワイドショーが大はやりです。ニュース報道だけでなく、スポーツ、芸能人のゴシップ、おいしいグルメの店紹介、ファッションなど何でも放送しています。ワイドショーでは、キャスターが大変重要な役割を果たしています。番組の成否はキャスターの腕しだいです。
この映画ではそんなワイドショーのメインキャスター澄田が主人公で、澄田に大変な事件が発生した最悪の一日をえがくコメディーです。
(あらすじ)
午前3時、キャスターの澄田(中井貴一)はいつものように起床する。妻(吉田羊)と大学生の一人息子が深刻に徹夜で話し合っていたようだ。息子がつきあっている女性を妊娠させたと聞いて動転する。
TV局へ向かうタクシーの中では、一緒にワイドショーに出ている女性のサブキャスター(長澤まさみ)から電話があり、二人が交際していると生放送中にばらすと脅かされる。TV局に到着すると、プロデューサー(時任三郎)からワイドショーは視聴率が低いので来月打ち切られると告げられる。
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志田未来、中井貴一、長澤まさみ

ワイドショーが始まったとたん、都内のカフェーに銃をもった男が人質を取って立てこもっているニュースが飛び込む。警察から犯人(濱田岳)の要求は「澄田を呼べ」ということだと緊急に知らされ、澄田は現場に向かう。
防犯スーツに身を固め、隠しカメラをつけて、澄田は警官とともに、犯人の説得のために、カフェーにはいる。
前代未聞の生放送が始まった・・・・・
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落ち目の主人公キャスターには、深刻な役も喜劇の役もこなす中井貴一、どこか抜けている立てこもり犯人はAUのCM金太郎の浜田岳、一方的に愛されていると勘違いしている女性キャスターにNHKドラマ真田丸の「きり」役の長澤まさみ、キャスターの冷ややかな奥さんが真田丸「小松姫」役の吉田羊、警官のリーダーに松重豊、など個性的男優女優が勢ぞろいして、上手に演じています。監督は「踊る大捜査線」の君塚良一です。

映画の中では、主人公を始め皆が必死です。でもその姿を見ている側には、滑稽に感じます。大袈裟な演技ではなく、できるだけリアルに演じているので、余計面白さが増します。
一番の見どころは、ワイドショーの裏側です。私達が見ているのはTVの画面だけですが、その周りに大勢の人たちがいるのに驚きます。その人たちが分秒きざみで飛び回り、対応している様子は、きっと実際もこうなのでしょう。視聴率に左右される番組、報道番組とワイドショーの確執、視聴者からの生の声や投票、など皮肉を込めて描いています。

TV業界の内幕に興味のある方に、気楽にみられれ、肩のこらない映画としてお薦めできます。
予告編は次の公式サイトからどうぞ。
http://good-morning-show.com/index.html
(皆川眞孝)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「ハドソン川の奇跡」 [2016年10月03日(Mon)]
映画「ハドソン川の奇跡」



土曜日に、アメリカ映画「ハドソン川の奇跡」を多摩センターで見てきました。この映画は、数日前に同窓の友人に勧められた映画です。
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2009年1月、アメリカ・ニューヨークで飛行機がハドソン川に不時着するという事故があったことを覚えていらっしゃる方も多いと思います。155人の乗客・乗務員全員が助かったので、ハドソン川の奇跡と言われています。
USAir 1549便は、ラガーディア空港を離陸直後、渡り鳥の大群に突っ込み、両方のエンジンが損傷し停止しました。機長は管制塔が指示した近隣への空港への着陸は不可能だと判断し、ハドソン川への着水を敢行しました。ハドソン川は川幅が広く、橋が少なく、機長が空軍のパイロットとして不時着の経験があり、また近くにパトロール船がいた、など好条件が重なり、全員が無事に助かりました。当然、機長はアメリカだけでなく世界のマスコミで英雄だと称賛され、私もすごい美談で一件落着だと思っていました。
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不時着した飛行機


しかし、話はこれで終わっていませんでした。アメリカ事故調査委員会では、機長が近隣の飛行場に着陸を試みなかったことが問題視され、徹底的な追及を受けます。この映画のテーマは、この問題でした。
映画では、機長がまるで裁判を受ける被告のように尋問を受けるところから始まります。飛行機の操縦訓練ではコンピュータと連動したシミュレータを使うのはご存知だと思います。
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シミュレーター

事故の状態をシミュレーターで再現してみると、両エンジンの推進力が無くなっても、惰力だけで近隣の飛行場に着陸できたという結果がでたというのです。委員は、乗客を無用の危険に晒したと機長を糾弾します。機長や副操縦士は、十分に反論する機会も与えられません。果たして機長の運命やいかに?

機長のサリーを演じたのは、アメリカの名優トム・ハンクスです。姿も気持ちもサリー機長になりきっています。
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トム・ハンクス(左)と
アーロン・エッカート(副操縦士)

監督はもと「ダーティ・ハリー」の役者だったクリント・イーストウッドです。
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クリント・イーストウッド


この映画は、事故調査委員会の場面だけでなく、どのように事故が発生したのか、操縦室の中の様子、飛行機がハドソン川に突っ込む場面など非常にリアルに映像化しています。CGを使っているのでしょうが、まるで、実際の場面を撮影したように迫力あります。

また、サリー機長のように155人の命を救った英雄に対しても、真実を追求するために審問するというアメリカ社会の厳しさに驚きます。都の豊洲市場の問題でもわかるように、日本では誰も責任を負わせないような、なあなあの社会です。
水中に沈みゆく飛行機の中で、機長は残された乗客がいないか確認して最後にボートに飛び移ります。韓国セウォル号の真っ先に逃げ出した船長と好対照だと思いました。

実話に忠実に作られた映画で、迫力があり、内容が充実して、感動的です。このように真面目に作られたアメリカ映画は久しぶりです。映画館の大画面で見ることをお勧めします。
予告編は次をクリックして、公式ホームページで見られます。
http://wwws.warnerbros.co.jp/hudson-kiseki/

(皆川眞孝)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「世界から猫が消えたなら} [2016年05月17日(Tue)]
映画「世界から猫が消えたなら」

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タイトルにひかれて見ようという気になりました。原作は川村元気という人の小説で「せか猫」という愛称で若い人の間でベストセラーになっています。また、佐藤健と宮アあおいの共演が魅力的で、多摩センター映画館に公開日に行きました。

<あらすじ>
主人公は30歳独身の郵便配達員(佐藤健)、愛猫キャベツと暮らす。突然の激しい頭痛で医者に行くと、悪性脳腫瘍で余命が短いと宣告される。落ち込んだ彼の前に、主人公の姿をした悪魔が現れる。世界から大事なものを消せば、一日命が伸びるという。何を消すかは、悪魔が決める。まず、電話を消すから、最後の電話をかけろと悪魔から告げられ、彼は元恋人(宮アあおい)に電話して、久しぶりに会う。彼女は映画館で働いている。間違い電話から交際が始まった彼女は、彼にとって唯一人の思い出の恋人だったが、翌日、電話が世界から消えると彼女は自分のことを忘れている。
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次に悪魔は映画を世界から消すという。彼の唯一の親友(濱田岳)はDVDレンタル店で働く映画通で、いつも彼に良い映画を推薦してくれた。その親友に死ぬ前に最後に見る映画を教えてくれと頼むが、簡単には決められない。翌日、映画が消えると、親友も彼のことを忘れてしまう。
悪魔は次に時計を消すという。彼の父(奥田瑛二)は、時計屋で、彼の母が病没後ひとりで店を続けていたが、時計が消えると父の存在感も薄くなる。
今度の悪魔の提案は猫を世界から消すことだった。猫(キャベツという名)は2代目で、最初の猫は母(原田美枝子)と育てた捨て猫のレタスだった。レタスの後の猫・キャベツは病気の母が大切にしていて、死ぬときに後を託された。自分の命と引き換えに、彼は猫を消すことを受け入れられるか?それは、母の思い出も消えることを意味する。。。。
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<感想>
寓話的なストーリーで、ゲーテの「ファウスト」をちょっと思い出します。最終的には、自分が死んでこの世界から消えてしまっても、何も変わらないのではないか、という主人公の恐れから出た妄想のようです。日常有りふれたものをこの世から消してみると、逆にその大切さがわかります。死を前にして、電話、映画、時計、猫などを通じて恋人、友人、父、母との大事だった関係に気が付くという趣向で、孤独な主人公でも多くの愛に囲まれて生きてきたのだと再確認するところで終わります。TVドラマ「天皇の料理番」で熱演した佐藤健は、この映画では真面目な青年と悪魔の一人二役を演じています。俳優をそろえているわりには、映画はあまり感動的と言えず、もう少し工夫があったらと思いました。残念ながら画面もストーリーも暗く、結末をもう少し明るくした方がよかったと思いました。
映画では彼と恋人が南米アルゼンチンに旅行し、イグアスの滝を観光する場面が出てきます。私は世界三大滝のうちイグアスの滝には行っていないので、生きている間に行きたい場所です。(こちらも時間があまりありません)
なお、公式サイトは次ですので、予告編をご覧ください。(皆川眞孝)

http://www.sekaneko.com/index.html
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Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「エヴェレスト 神々の山嶺」 [2016年03月14日(Mon)]
映画 エヴェレスト 神々の山嶺


約10年前に夢枕獏の「神々の山嶺(いただき)」という小説が話題になりました。エヴェレスト登頂に日本人が挑戦する山岳小説で、私も読みました。丹念に書かれた小説で面白かったのですが、上下2巻の厚い単行本で、山登りのように疲れました。細かな筋はほとんど忘れてしまいました。この小説が、映画化されたので、封切り日の3月12日に多摩センターに見に行きました。
なお、この小説は谷口ジローにより漫画化もされていて、評判がよいようです。
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映画は、阿部寛、岡田准一の2大男性スターと尾野真千子が主演、監督は「愛を乞うひと」で日本アカデミー賞を受賞した平山秀幸、ネパールのエヴェレストで日本映画として初めて標高5200メートルの高地で、ひと月以上かけて命がけで撮影したという作品です。
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(あらすじ)
山岳カメラマンの深町(岡田准一)は、ネパール・カトマンズの古物商の店先で古いコダックカメラを見つける。それがエヴェレスト登攀中に1924年に死んだマロリーのものではないかと疑う。マロリーは初登頂を目指していたが、遭難したのは登頂前か後か不明である。もしそのカメラにマロリーが登頂に成功した記録のフィルムが残っていれば、エヴェレスト登山の歴史が変わる。初登頂は1954年にヒラリーが成功したとされている。
camera.JPGコダックカメラ

深町はカメラを買おうとするが、その時にそれが盗品だとして持ち主が現れ持ち去る。その人物は、現在行方不明の伝説クライマー羽生(阿部寛)であった。深町は、羽生に興味を持ち過去を調べる。「山をやらないなら死んだも同じだ」と語り人を寄せ付けない羽生。過去に、岸という後輩と岸壁を登攀中に、岸が滑り落ちザイルで繋がった二人が危険な状態になった時、ザイルを切って岸が転落事故で死んだ、という噂がある。それ以降、羽生は単独で登攀を続け、ネパールで消息不明となる。
羽生を調べている深町のところに、岸の妹涼子(尾野真千子)が連絡してくる。涼子は羽生の恋人になっていて、羽生が死んだと思っていた。その羽生が生きていると知って、深町と涼子はネパールに羽生を探しに行く。やっと見つけた羽生は、まだ誰も成功していない「エヴェレスト冬季南西壁単独無酸素登頂」を目指していた。。。
果たして羽生は登頂に成功するだろうか?その姿をカメラに収めようとして追いかける深町の運命は?
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小説ではエベレストをよく描写していますが、実際に行ったことがないので、ピンと来ません。映画ではこれを直接目に見せてくれるのですから、分かりやすく迫力が違います。
そしてこの映画の最大の見どころは、迫力満点の雪の絶壁の登山シーンです。現場で実際に撮影しただけあって、臨場感たっぷり、手に汗を握ります。
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また、晴天の時のエヴェレスト山頂の美しさは、息を呑むほど荘厳です。それが、みるみるうちに山頂が雲に隠れ吹雪になっていき、山の厳しさがわかります。
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阿部寛・岡田准一は見事に登山家を演じています。この映画の羽生には実在のモデルがいるそうです。森田勝という人だそうです。グランドジョラスで遭難しかけた時は、片手片足と歯を使ってザイルをよじ登り助かったという逸話が残っています。

最近は日本人の質が落ちているのではないかと気がかりです。殺人を犯しても、まず否認して嘘をついて逃げようとする卑怯な態度、そしてそれを憎まずむしろ当たり前と容認する風潮。。。嘆かわしいことです。この映画の羽生は、ザイルを切って自分だけ助かったと悪口をいわれていましたが、実は、後輩の岸が羽生を道連れにしないために自らザイルを切ったのが事実でした。釈明せずに、岸の死は自分の責任であるという潔さ。そして岸の妹に毎月お金を送るやさしさ、この映画では羽生を通じて、古武士に似た日本人像を伝えたかったかのかも知れません。

登山の好きな方にお勧めできる映画です。このような映画は、ぜひ映画館の大画面と大音響でご覧ください。TVで見るのとは迫力が全然違います。

いつかヒマラヤを見たいと思っていましたが、実際には行けそうもありません。この映画では、普通の人が行かれない高所5200メートルからのエヴェレストの雄姿をたっぷり見せてくれます。もう、行かなくても良いという気持ちにさせてくれます。

予告編は次をご覧ください。
http://everest-movie.jp/

皆川眞孝
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「X−ミッション」 [2016年02月26日(Fri)]
映画「X−ミッション」

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題名だけではどんな映画かさっぱりわかりませんが、新聞にこの映画の紹介がでていて面白そうだったので、多摩センターに見にでかけました。
Xは、エクストリームのことで、「極端にすごい」という意味です。ミッションは、「使命」という意味で、ここではアメリカのFBI捜査官に対して、犯罪集団に潜入してその実態を探れという使命です。
  FBI(米国連邦捜査局)捜査官ユタ(ルーク・ブレイシー)は、モトクロスの有名な選手でした。モトクロスというのは、モーターバイクによるクロス・カントリーのことで、あるとき、大変危険な山道を走り一緒に走った友人が崖から落ちて死んでしまいます。その罪悪感からモトクロスをやめて、FBIに応募して捜査官になります。
 そんな時、現金を輸送する貨物飛行機に何者かが潜入して空中で現金を盗み出し、空からばらまくという事件が起きます。犯人たちは、飛行機から飛び降りて見事なスカイダイビングで、逃走してしまいます。
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また、高層ビルの最上階でダイヤモンドを販売している店から大量のダイヤを盗み出し、パラシュートのついたモーターバイクで外に飛び出して逃げるという事件がおきます。盗んだダイヤモンドは、全部貧乏な人たちにあげてしまいます。このグループは大変危険な方法で犯罪を実行しますが、金目当てでないようです。目的はなんでしょうか?
捜査官ユタは、犯人グループは超人的なスポーツ選手(アスリート)の集団で、X−スポーツの究極の目的(8つの困難な試練)を達成するために、犯罪を行っていると考えて、自分から志願して、仲間になろうとこの犯罪グループのリーダー(エドガー・ラミレス)に近づきます。
果たして、ユタのミッションは成功するでしょうか? 

この映画の最大の売り物は、危険なスポーツの場面です。俳優が全て演じることができないので、スタント(代役)を当然使います。これらの場面を、エリクソン・コア監督のこだわりで、今は普通になっているCG(コンピュータ・グラフィック)を使わずに、実際のスポーツ・アスリートの本物のスタントの演技だけ撮影しています。
映画では
*高さ数十メートルの特大の大波の中をサーフィンで乗り切る(撮影:フランス沖)
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*ウイングスーツを着て、岩壁すれすれに超高速で空中を飛行する(撮影:スイス)
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*絶壁の雪の壁をスノーボートで滑り降りる(スイスアルプス)
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*目がくらむような絶壁を素手で登るロッククライミング(ヴェネズエラ)
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*細い険しい山道を乗りまわしたり、狭い場所に飛び移るモノクロス(アメリカ・ユタ州)
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などのシーンがでてきます。これらが、全て本物のアスリートが演じているというのは驚きです。
映画のストーリー自体は大袈裟で、実際は不可能な話で大したことはありません。自然保護のために、環境破壊をしている企業設備を爆破して人が死んでもいい、というのが犯罪集団の勝手な理屈です。
この映画は、オリンピックのスキーの大滑走、モトクロスの試合のように、スポーツ観戦の気持ちで見たらよいと思います。美しい自然の中を走り、跳び、飛行するアスリートの超人的な演技は迫力満点で、大型な画面で見るだけでも価値があります。欧米では、このような冒険好きのアスリートが沢山いるようです。
スーパーマンのように、ウイングスーツで空中を飛行する場面は、CGでなく本当に撮影したのだろうかと、疑いたくなります。映画を見ながら、私も一度でよいからあんな風に空中を飛べたらなーと思いました。
素手でよじ登る場所は、ベネズエラの高さ980メートルのエンゼルの滝の横の絶壁です。この場所に行った以上の臨場感があり、いつか行きたい滝でしたが、もう行かなくて済みました。
  世界の絶景と一流アスリートの豪快な技をご覧になりたい方にこの映画をお勧めできます。

予告編は、次をご覧ください。
http://wwws.warnerbros.co.jp/xmission/

私達は普通の2Dで見ましたが、3D(立体)の映写もあります。
(皆川眞孝)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「海街diary」 [2015年06月28日(Sun)]
映画「海街diary」


今注目の是枝裕和監督の映画「海街diary」(うみまちダイアリー)を多摩センターで見てきました。この映画は、5月のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品された作品で、是枝監督の「そして父になる」(福山雅治主演)は2年前の同映画祭で審査員賞を受賞しています。
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カンヌ映画祭で4人姉妹と是枝監督

あらすじ
 鎌倉の一軒家に住む3姉妹、父は15年前に他の女性と再婚のために母と離婚して家を出ている。その後、母も子供を置いて家をでてしまい、しっかりものの長女の幸(綾瀬はるか)が、看護師をしながら家長の役割を果している。突然、父が亡くなったとの知らせが届く。父は再婚した相手に死なれ、別の女性と住んでいた。葬儀のために山形に出かけた姉妹は、そこで中学生の異母妹・すず(廣瀬すず)に出会う。すずは、父の連れ子だったので、自分の居場所がない。気丈にふるまう「すず」を見て幸は、鎌倉で一緒に住むことを提案する。そして、長女・幸、銀行勤務の次女・佳乃(長澤まさみ)、スポーツ店勤務の三女・千佳(夏帆)、すずとの4人の暮らしが始まる。すずは、地元のサッカークラブに入り学校にも溶け込んむ。そんな時に、音信不通の母(大竹しのぶ)が、祖母の七回忌に現れて、穏やかな生活に波風が立つ・・・・
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この映画も是枝監督の「誰も知らない」(柳楽優弥主演)と同じように親に捨てられた子供たちの話ですが、この映画では、4人姉妹だけの家庭をさわやかに、暖かく、丁度小津安二郎の映画のように、丁寧に描いています。原作は吉田秋生の同名コミックです。4人姉妹の話といえば、谷崎潤一郎の「細雪」、向田邦子の「阿修羅のごとく」を連想しますが、この映画は、ダイアリー(日記)のタイトルの通り、鎌倉の美しい季節の移り変わりのなかでそれぞれの姉妹の日々の生活を記録しています。

時には小さな喧嘩をする仲の良い姉妹の淡々としたストーリーですが、長女が不倫相手の海外転勤で一緒にと誘われて迷ったり、次女がだらしない恋人を振るとかの話や、近所の食堂のおばさん(風吹ジュン)との交流と死とかのエピソードがでてきます。監督は、「この映画は自分の居場所を探す話です」と語っています。
なお、この映画の15歳すず役の「広瀬すず」は映画やCMにでていますが、オーディションで選ばれたそうです。彼女だけには事前に台本を渡さず、撮影現場で監督が「せりふ」を口で伝えるという半分アドリブ的な方法で芝居をしています。それだけ、自然で新鮮なイメージを受けます。
殺人事件などの殺伐とした映画が多い中で、悪人がでないこのような静かな映画は誰にでも推薦できます。4人の若い美人女優の演技を見るだけでも、楽しいと思います。監督は「映画を見終わっても四人をずっと見ていたいと思ってもらえると嬉しい」とも語っています。
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なお、予告編は次のホームページをご覧ください。
http://umimachi.gaga.ne.jp/
(皆川眞孝)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「王妃の館」 [2015年05月02日(Sat)]
映画「王妃の館」

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今年の春の褒章で、作家の浅田次郎さん(本名:岩戸康次郎、63)が紫綬褒章を受けることに決まりました。ご存知のように、三沢5丁目にお住まいで、ご近所ですので、喜ばしく思います。
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浅田次郎氏

丁度、4月25日に浅田次郎さんの原作を映画化した「王妃の館」を府中で見てきたばかりです。
水谷豊が主演のコメディーです。
「王妃の館」というのは、パリの一流ホテルの名前(シャトー・ドウ・ラ・レーヌ)で、ルイ13世が王妃に贈り14世が改装した豪華な建物という設定です。
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そこに2組のツアー客が利用するのですが、実は同じ部屋を昼と夜と別々利用させるという無茶なダブルブッキングを倒産寸前の旅行会社が仕組んでいたというストーリーです。旅行代金200万円の豪華なツアー(宿泊組)に参加した売れっ子の作家・北白川右京に水谷豊が扮します。金持ちグループの参加者には訳ありが多いようです。一方、旅行代金29万円のツアーは、ホテルを昼間だけ利用し、夜間は庶民的パリを徹夜で回るという趣向。こちらにも、問題を抱えた人が沢山います。作家の右京は、スランプなのでパリに来て17世紀のルイ14世を主人公とした小説の構想を練ります。
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この右京が書いている小説が劇中劇として挿入され、ルイ14世(石丸幹二)の愛妾を安田成美が演じます
二組のツアーが交差し、とうとうダブルブッキングがばれてしまいます。。。。

この映画はパリでの撮影が中心で、邦画初のヴェルサイユ宮殿でのロケを実現、ルーブルでも撮影を実施と大がかりです。
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ただ、現在と過去のストーリーが平行して進むという複雑な構成の上に、ツアー客の人間関係が入り組み、水谷豊の熱演・怪演にも拘わらず、退屈な場面もあり、もうちょっと工夫したら面白かっただろうという感じの映画でした。
原作は読んでいませんが、こちらの方が面白そうです。
予告編は、次をご覧ください。
http://www.ouhi-movie.jp/
(皆川眞孝)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「マエストロ!」 [2015年02月10日(Tue)]
映画「マエストロ!」


先週封切りの「マエストロ!」を7日に多摩センターで見てきました。「マエストロ」とは、「巨匠」とか「大家」を意味する音楽用語(イタリア語)ですが、オーケストラの名指揮者に使うことが多いようです。
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この映画では、解散したオーケストラの再生を目論む謎の指揮者・天道が出てきます。この指揮者を怪演するのが、西田敏行です。果たして、マエストロという称号に値するのかどうか?彼に対抗するのが、オーケストラの元コンマス(コンサート・マスター)・香坂で、松坂桃李が演じています。NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で黒田長政としておなじみです。
原作は「さそうあきら」のコミック(漫画)、監督は小林聖太郎です。
(あらすじ)
若きヴァイオリニス香坂のもとに解散したオーケストラ再結成の話が舞い込む。練習場にいくと、そこは廃工場、集まったメンバーは再就職もままならない一癖も二癖もある「負け組」の楽団たち。アマチュア・フルート奏者の若い女性・あまね(歌手のmiwaが演じる)も混じっている。彼女は阪神大震災で両親を失ったが、フルートの音色は心がこもっていて抜群。
そこに現れたのが、再結成を企画した張本人の指揮者。経歴も素性も不明、指揮棒の代わりに大工道具を振り回し、自分勝手に進める。歯に衣を着せぬ演奏指導で楽団員から反発を買う。しかも、借金のためやくざから追われている。それでも練習を続ける間に、スポンサーが降りて資金難となり演奏会が中止となる。果たして、この「未完成」のオーケストラと指揮者の「運命」は如何に??

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西田敏行


西田敏行の指揮ぶりは、破天荒ですが、なかなか堂に入ったものです。それもそのはず、世界的指揮者・佐渡裕の指導を受けたそうです。松坂桃李も、1年かけてヴァイオリンのレッスンを受けて、曲を演奏できるほどだそうです。他の俳優たちも、楽器のレッスンを受け、演奏シーンはとてもリアルです。
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松坂桃李

そして、このオーケストラの演奏曲目が、ベートーヴェンの「運命」と、シューベルトの「未完成」という、名曲です。最後の演奏会の場面ででこれらの「さわり」を演奏しますが、素晴らしい迫力の演奏です。実は、これは佐渡裕指揮のベルリンフィルの演奏した音楽を使っていますから、当然でしょう。この大迫力の音楽を堪能するために、ぜひ映画館で見ていただきたいと思います。
「ブラボー・マエストロ!」と叫んでスタンディング・オベーションをしたいくらいですが、これが題名に「!」を付けた理由でしょうか。
エンディングに流れるピアノ曲は、辻井伸行の作曲・演奏です。途中で立ち上がらないで、ゆっくり最後までお聞きください。
ストーリーにはちょっと無理があり、大袈裟なところが多いですが、クラシック音楽のエンターテイメントとして気楽に楽しめます。

予告編は、次をクリックしてください。
http://maestro-movie.com/
 (文責:皆川眞孝)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「紙の月」 [2014年12月09日(Tue)]
映画「紙の月」

今年の東京国際映画祭で、宮沢りえが最優秀女優賞を得たと言うので、その出演映画「紙の月」を11月23日に見に行きました。
 原作は「八日目の蝉」で有名な直木賞作家・角田光代、監督は「桐島、部活をやめるってよ」の吉田大八です。私は見ていませんが、原作はNHKでTVドラマ・シリーズ化(5回)され、その時の主役は原田知世でした。
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<ストーリー>
 バブル崩壊直後の1994年、夫と二人で暮らす主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)は、わかば銀行の契約社員として外回りの仕事に従事して、その丁寧な仕事ぶりが顧客にも上司にも評価されていた。何も不自由のない生活を送っているような梨花だが、自分への関心が薄い夫との関係にむなしさを感じていた。そんなある日、大事な顧客を訪問しているときに、大学生の孫・光太(池松壮亮)に会う。その後、偶然に駅で会った二人は、急速に親密さを増し、梨花のほうから積極的にホテルに誘う。光太と逢瀬を重ねているうちに、顧客の預金に手をつけてしまう。最初は1万円を借りただけだったが、次第にその金額がエスカレートしていく・・・
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池松壮亮と宮沢りえ

 
<感想>
平凡で真面目な主婦が、若い男性の歓心を買おうと、どんどん悪の道に進んで巨額を横領する話で、もと銀行員だった私には、見ていて、一寸とつらいところもありました。
7年ぶりに映画に出演した宮沢りえは、若い時の可憐さと比較すると、年齢のやつれが見えますが(現在41歳)、一人の女性が恋愛によってだんだん変化して図太く色っぽくなっていく様子を見事に体当たりで演じています。
ただ、相手の大学生の池松壮亮は、人気が出てきた若手らしいですが、私からみたらあまり魅力がなく、なぜこの男性に夢中になるのか、ちょっと理解不能でした。
梨花が、帰り道に空の月に手を伸ばして、擦ると月がどんどん消えていくという場面があります。
「紙の月」という映画のタイトルは、そんなはかない幸せを表しているのでしょう。
 梨花の不正を発見する銀行の先輩職員を小林聡美が真面目にきびしく演じ、またお金にも恋愛にもちゃっかりした同僚銀行員を、元AKBの大島優子が、現代っ子らしく演じています。
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小林聡美


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宮沢りえ(左)と大島優子

最後がどうなるかと思っていたら、予想外の展開でした。

見ていて楽しい映画ではありませんが、話題性はあるでしょう。
予告編は次をクリックしてください。
http://www.kaminotsuki.jp/

(皆川眞孝)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「舞妓はレディ」 [2014年09月17日(Wed)]
映画「舞妓はレディ」


周防正行監督の最新作「舞妓はレディ」を日曜日に多摩センターで見てきました。周防監督は最近「それでもボクはやっていない」「終の信託」など深刻なテーマの作品が多いのですが、それ以前の「シコふんじゃった」「Shall we ダンス?」の軽いテーマのエンタテイメント路線に戻り、さらにその傾向を発展させたのが本作品です。
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京都の下八軒(実在の花街「上七軒」のパロディ)のお茶屋に「舞妓になりたい」と一人の少女・春子(上白石萌音)が飛び込んできます。女将の千春(富司純子)は追い返そうとしますが、居合わせた言語学者の京野(長谷川博己)が興味をもち、見習いとして京言葉、唄、踊りの厳しい稽古をさせることになります。
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左:富司純子 右:上白石

800人のオーディションを勝ち抜いた、主役の上白石萌音(かみしらいし・もね)は、決して整った美人系ではありませんが、純朴な可愛いさがあり、歌が上手な少女です。あか抜けない女の子が、かわいい舞妓に成長していく役にぴったりです。ベテラン女優と違い、素人ぽいところが、かえって良いと思いました。
女将の富司純子をはじめ、先輩の舞妓・百春(田畑智子)、舞妓の面倒を見る青木(竹中直人)、岸部一徳、渡辺えり、高嶋政宏など実力ある役者が脇をかためています。特に、周防監督のパートナーである草刈民代が、先輩の芸妓役で、新米見習いの春子を時には厳しく時には暖かく指導しますが、彼女の日本舞踊のうまさには舌を巻きます。観客サービスとして、バレーの踊りも短い場面ですがでてきます。非常に存在感があります。
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草刈民代

あまり詳しくストーリーを書くとネタバレになって、これから映画を見る方の興を殺ぎますので、この程度にします。なお、舞妓とは、芸妓になるための修行段階です。
音楽は周防義和(監督の従兄)、振付けはパパイヤ鈴木が担当し、役者が歌って踊って、日本製のミュージカルとしての新しい試みで、明るく楽しい映画となっています。
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「舞妓はレディ」とはちょっと変わった題名ですが、映画を見ればその題名がパロディだとすぐ分かります。
なお、この映画の予告編は次のホームページでご覧ください。
http://maiko-lady.jp/

(文責:皆川)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「WOOD JOB!」 [2014年05月17日(Sat)]
映画「WOOD JOB!」(ウッジョブ)

日本の国土に占める森林の割合は66%で、世界でも有数な森林大国だそうです。ところが、現在、日本で使われる木材の7割は輸入材で、林業は衰退しています。また、私達は林業について、あまり知りません。

そんな時に、林業の素晴らしさを教えてくれる映画が公開されました。矢口史靖監督の「WOOD JOB! −神去なあなあ日常」です。
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この監督は「ウオーターボーイズ」「スィングガールズ」などの若者映画で成功し、この映画も主人公の若者が成長する姿を描いたユーモアたっぷりの明るい愉快な映画です。
タイトルの「WOOD JOB!」(ウッジョブ)は、「木材の仕事」に、GOOD JOB!(グッジョブ)(うまく仕事ができた時に掛ける英語で「よくやった!」の意味)をもじったものです。
原作は、「舟を編む」の「三浦しをん」で、この本「神去なあなあ日常」もベストセラーだったそうです。

あらすじ
 大学受験に失敗し、恋人からも振られた主人公の平野勇気(染谷将太)は、たまたま見つけた林業研修プログラムのパンフレットの表紙の女性にあこがれ、軽い気持ちで1年間の研修に参加することを決める。向かった先は、携帯電話も使えない、コンビニもない山奥の神去(かむさり)村。研修は厳しく、研修所から逃げ出そうとする。ところが、表紙の美女(長澤まさみ)が、近くに住んでいることがわかり、思いとどまる。村での実習研修では、野性的な荒々しい気性の木こり(伊藤英明)とその家族の家で寝泊まりをして、蛇やひるに悩まされながらも仕事を覚え、村人ともだんだん親しくなっていく。そして、林業の魅力に少しずつ気づいていく・・・
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最後にでてくる祭りの場面は、圧倒的な迫力があります。ほとんどが、三重県の山奥でのロケーション撮影だそうですが、主人公が切り倒した大木に乗って滑る場面は、CGなのか実際に撮影したのかわからないほど、真に迫ります。そして、映画の中で、「今切り倒した木は自分たちの祖先が植えたものであり、我々が今植える木は100年後の子孫のためだ」という木材会社社長の言葉が、未来を見据えた林業の貴さを教えてくれます。

実際にこのような林業研修があるのかネットで調べてみました。1年の長期研修があるのは宮ア県ぐらいですが、それも、将来林業をやりたい宮ア県在住の人が対象で面接試験もあり、辞めたら研修費用は返還しなくてはならず、映画のようなちゃらんぽらんな若者は初めから受け入れられないでしょう。この映画は、あくまでもフィクションです。
s-main_large.jpg染谷将太

主人公を演ずる染谷将太は、映画「永遠のゼロ」で若きゼロ戦パイロットを演じています。高い木に登るシーンがあり、高所恐怖症では演じられませんが、彼なら問題なかったのですね。
なお、予告編は次をごらんください。
http://www.woodjob.jp/trailer.html

(皆川眞孝)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「テルマエ・ロマエU」 [2014年05月03日(Sat)]
映画「テルマエ・ロマエU」

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2年前の大ヒット映画「テルマエ・ロマエ」の第2作目が4月26日(よい風呂の日)に公開されたので、29日に多摩センターで見てきました。ストーリーは前作とほぼ同じで、原作はヤマザキマリの漫画です。古代ローマの浴場技師・ルシウス(阿部寛)が日本の浴場や温泉にタイムスリップして、日本の風呂文化を学ぶというものです。前作については、このブログでも紹介し、
http://blog.canpan.info/nsk/archive/1369
南窓会映画会でも取り上げましたので、ご覧になった方も多いでしょう。

時代は前作と同じハドリアヌス皇帝(市村正親)の治世。コロッセオで闘うグラディエイターの傷を癒すためのテルマエ(浴場)建設を命じられたルシウスがアイディアに悩み、再び「平たい顔族」の現代日本にタイムスリップ、そこは相撲力士の風呂場でした。ここでのアイディアを持ち帰り成功しますが、平和推進派のハドリアヌスと武闘派の元老院の権力闘争に巻き込まれてしまいます。。。
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前作の日本人女性の漫画家・真実(まみ)(上戸彩が演じる)が、ルシウスの現れる場所にいつも居合わせます。そして、とうとう古代ローマまで一緒に行ってしまうのも、前作と同じです。

第1作を超えようと2作目は苦労したようです。ブルガリアに古代ローマの町並みやコロッセオの大がかりなセットを作り上げ、外人エキストラも延べ5,000人を使い、元横綱の曙や元大関の琴欧洲がグラディエイターとして出演し、草津温泉、宝川温泉、法師温泉と日本の有名温泉地でロケするなど、話題つくりに懸命です。
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グラディエイター役の曙(右)

第1作のようなインパクトはありませんが、その場限りの喜劇としてそれなりに楽しい映画です。柳の下に2匹目のドジョウはいるのでしょうか?
映画の予告編は、次をクリックしてご覧ください。
http://www.thermae-romae.jp/02/trailer/trailer.html

(皆川)
Posted by 皆川眞孝 at 00:00
映画「ウォルト・ディズニーの約束」 [2014年03月25日(Tue)]
映画「ウォルト・ディズニーの約束」


ミュージカル映画「メリー・ポピンズ」は、ほとんどの方がご覧になっていることでしょう。今から50年前の1964年に製作されたジュリー・アンドリュースとディック・ヴァン・ダイク主演のディズニー映画で、1965年12月に日本で公開され評判になりました。
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「チム・チム・チェリー」「お砂糖ひとさじで」「一袋2ペンスでハトに餌を」など誰でも口ずさめる曲が多く、私は大好きな映画で、何度も見ています。幼い娘たちを映画館に連れて行ったことを思い出しました。「スーパーカリフラジリスティックエクスペリドーシャス」という世界一長い単語も印象的です。
先週公開された映画「ウォルト・ディズニーの約束」は、この映画「メリー・ポピンズ」の製作秘話です。
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(以下、2つの映画がでてきて分かりにくいので、「ウォルト・ディズニーの約束」を映画W、「メリーポピンズ」を映画Mと表示します。)
私は原作も読んだことがありますが、映画Mと原作とは大きく違っています。原作の童話「メアリー・ポピンズ」は、第2次世界大戦前の1934年に、イギリスで出版されました。作者は、オーストラリア生まれのP(パメラ)L.トラヴァースという女性作家です。
童話のあらすじ:舞台は1910年代のロンドンのバンクス家。ジェーン、マイケル、双子の4人の子供と両親、お手伝い3人の家庭です。銀行員の父親は厳格で、母親はあまり子供の世話をしません。子供たちの乳母兼教育係を募集したところ、採用されたのが、東風に乗ってやってきた(?)メアリー・ポピンズという女性です。次々と子供たちに不思議なことをしてみせて、子供たちはすっかり虜になります。ところが彼女は、子供に媚びることもなく、いつも平然としています。・・・そして、西風の吹くころ(春)となり、メアリーは突然いなくなります。

このお話は、子供だけでなく、大人も楽しめます。日本では「風にのってきたメアリー・ポピンズ」(林容吉訳)(岩波書店)が有名です。
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映画Mの登場人物は、童話の中と同じで、ストーリーに童話のエピソードの一部を使っていますが、地味な童話とは違って、大幅に変更を加えて、楽しいミュージカルにしています。実写とアニメの珍しい共演もあります。
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原作童話表紙(1966年版)

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上記童話の中の挿絵


しかし、この映画Mをつくるのに際して、ディズニーと映画化に消極的な原作者との間に激しいバトルがあったことは全然知りませんでした。
映画「ウォルト・ディズニーの約束」は、ディズニーが、手強い原作者をいかに説得し映画化を成功させたかの話です。この映画Wの中のトラヴァースは、本当にどうしようもないほど頑固な女性です。20年前からディズニーが映画化の交渉を続けていて、やっとハリウッドに彼女を呼ぶことができました。しかし、彼女は契約書にサインをせず、脚本、音楽を自分がチェックして同意した後にすると主張します。脚本も音楽もアニメも彼女は気に入りません。
彼女の気持ちも理解できます。大切にしていた自分の子供のような童話を、アメリカ商業主義がメタメタにして金儲けの道具にしてしまおうとしていると感じたのですから。この彼女の頑固ぶりは、見ものです。イギリスの名女優エマ・トンプソン(ハワーズ・エンドでアカデミー賞受賞)が演じています。一方のディズニーはトム・ハンクス(フォレスト・ガンプでアカデミー賞受賞)が演じています。とても上手で、本物もこんな具合だったろうと想像します。彼は、この映画は単なる金儲けのためだけではないと説明します。この童話が大好きだった自分の娘と20年前に映画をつくると約束したのです。彼はディズニーランドにトラヴァースを連れていき、誠意ある説得を続けます。
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トム・ハンクス(左)とエマ・トンプソン


このストーリに同時進行するのが、トラヴァースの少女時代の思い出です。オーストラリアでの、空想好きな父親(やはり銀行員だった)との楽しくて、また苦く悲しい思い出です。
ディズニーは彼女の過去の思い出がトラウマになっているのを知って、もともと脚本にあった厳格な父親像を変えることを約束します。
この映画Wの日本語題名は「ウォルト・ディズニーの約束」ですが、英語タイトルは「Saving Mr. Banks」(バンクス氏の救出)となっています。
トラヴァースは映画のエンディングに納得してやっと契約書にサインします。
納得した映画Mの終わりとは、厳格一方だった父親が銀行を首になり家族の大切さがわかり、子供たちと凧を揚げる場面です。子供たちは大喜びで、メアリーポピンズが去っていくのに気が付きません。しかし、これでよいのです。子供にとって乳母よりも父親と遊ぶ方がうれしいのだ、というメッセージを伝えるのが映画Mの目的ですから。この終わり方なら、英語のタイトルにあるように、父親のバンクス氏を誤ったイメージから救うことになるのです。そして、これがトラヴァースの父親をも救うということが最後にわかります。
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良い映画で、もう一度、「メリー・ポピンズ」の映画を見たくなります。あの映画Mを好きな人に特におすすめできます。
予告編は次をご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=iJrsmAdVFKA

(皆川)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
映画「小さいおうち」 [2014年03月05日(Wed)]
映画「小さいおうち」


中島京子の直木賞受賞小説「小さいおうち」を、山田洋次監督が映画化しました。KMさんにお借りして先に小説を読みました。淡々とした物語で、それなりに面白かったのですが、ストーリーがわかったので、映画はどうしようかなと迷っていました。
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そんな時、この映画に出演した「黒木華(はる)」がベルリン映画祭で最優秀女優賞を得たということを聞いたので、映画館に足を運びました。
山田洋次監督はずっと「家族の絆」を映画で描いてきましたが、今回初めて「家族の秘密」に迫ったとのことです。しかし作品はやはり山田節だなと感じました。キャストも、松たか子、黒木華のほかに山田組の常連・倍賞千恵子、吉岡秀隆、などが出演しています。
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(あらすじ)
昭和11年に田舎から東京に女中奉公で出てきた純真な娘・タキ(黒木華)は、東京郊外に建つ赤い屋根のモダンな小さな家で働き始めます。そこには、若く美しい奥様・時子(松たか子)、年の離れた旦那様(片岡幸太郎)、そして可愛い坊ちゃんの3人家族が穏やかに暮らしていて、タキにとっては幸せな毎日でした。戦争の足音がだんだん近づいたころ、旦那様の会社で働く若い青年・板倉(吉岡秀隆)が現れ、奥様の心が揺れ始めます。・・・
それから、60数年後の現代、晩年のタキ(倍賞千恵子)はそのころの記憶を一冊のノートに書き始めます。タキの死後、甥の息子(妻夫木聡)が、そのノートを頼りに、東京空襲を生き延びた「坊ちゃん」の消息を知り、訪ねていきます。・・・
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松たか子

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吉岡秀隆

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倍賞千恵子

ストーリーは原作とほぼ同じですが、原作がこのノートに書いた手記からすぐ始まるところを、映画ではタキが亡くなった後にノートが見つかり、タキの小さいおうちでの生活にさかのぼる仕掛けとなっています。映画の方が、細部を省略してあるので、かえってわかりやすくなっています。
映画は昭和初期の中流家庭の様子がよく描かれていると思いました。
またバージニア・バートンの絵本「小さなおうち」(石井桃子訳)が、(ストーリーの本筋とは関係ないのですが)意外なところで、このストーリー(映画も原作も)に現れてきます。この絵本は、私の娘たちが子供のころ、一緒に読んだ記憶があり、懐かしく思いだしました。
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絵本「ちいさいおうち」

原作では、タキの女主人に対するあこがれの感情が重要なカギになっていますが、映画では青年・板倉に対する恋愛に似た感情のように描いていて、こちらの方が外国人にはわかりやすいと思いました。

黒木華は、地味な純真な女中の役を一生懸命演じていますが、これで最優秀女優賞というのは、ちょっと驚きました。外国人には、このような素直でおとなしい女性は日本的と思われ、好評だったのでしょうか?山田洋次監督らしい作品として安心して見ることができます。(将来の南窓会映画会の候補作品)
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黒木華

予告編と映画詳細は次の公式サイトをクリックしてご覧ください。
http://www.chiisai-ouchi.jp/
(文責 皆川)
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
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