近畿逍遥(34) [2010年11月25日(Thu)]
近畿逍遥(34) (11月−5) 京都西山方面、西京区大原野にでかけてみましょう。JR向日町(むこうまち)または阪急京都線の東向日駅からバスで、十輪寺、善峯寺そして勝持寺へ行ってみましょう。この近在には、他にも大原野神社、三鈷寺、金蔵寺、乙訓寺、光明寺、洛西竹林公園等があります。 西山の豊かな自然と古い歴史に触れることができます。 十輪寺(西京区大原野) じゅうりんじ 天台宗。本尊は地蔵菩薩。 嘉祥3年(850)に文徳天皇の后(染殿皇后)の懐妊、安産を願って創建された。本尊は腹帯地蔵尊として信仰を集めている。 また当寺は、在原業平の閑居跡とされ、「なりひら寺」とも呼ばれる。業平の墓と伝える宝篋印塔、また業平がかっての恋人、二条后(藤原高子)の大原野詣での際、塩を焼いてその思いを託したという塩竃(しおがま)の跡など、ゆかりの旧跡がある。 鳳輦(ほうれん)形をした本堂は江戸中期の建立で、本尊のほかに禅衣(おいずる)観音を安置している。 上写真・上段 「本堂」 上写真・下段 「なりひらもみじ」と大楠 勝持寺(西京区大原野) しょうじじ 天台宗。本尊は薬師如来。通称は「花の寺」 寺伝によると白鳳8年(680)役行者(えんのぎょうじゃ)が創建し、延暦10年(791)に桓武天皇の勅を奉じて再建したと伝える。 歌僧の西行がこの寺で出家したと伝え、ゆかりの「西行桜」(現在は二代目)がある。通称はこれにちなむ。 所蔵の細川幽斎筆の懐紙は、元亀2年(1571)に催された連歌会で記されたもの。 善峯寺(西京区大原野) よしみねでら 天台宗。本尊は十一面千手観音。 源算(恵心僧都源信の弟子)が当地に小堂を建てたことが起りという。 天喜元年(1053)頃に源算がのちの後三条天皇の皇后の安産を祈願したところ男子(白河天皇)が生まれ、その功績により伽藍を造営。鎌倉時代には慈円僧正や証空上人が住持を務め、青蓮院の各法親王が代々住職を務めたため、西山宮門跡と称された。 その後も源頼朝らの援助を受けて繁栄したが、応仁の乱で衰退。 元禄年間(1688〜1704)に桂昌院(徳川綱吉の生母)の寄進によって再興した。 寺に至る途中の急な山道の先に建っている山寺です。入口の駐車場近辺がコンクリート造りで、少し興ざめですが、威風堂々の山門を見上げひとめぐりして、抜けていくと古刹の姿が見えてきます。 上写真 入口手前の道沿い斜面の紅葉 上写真・上段 「遊龍松」 大きな龍のように地に這っている。高さ2m、左右に伸びた枝は約40mという五葉の松で、樹齢600年とされる天然記念物。全体をカメラに収めることができませんでした。 境内はアップダウンもあり、奥行きもあり、かなり広大で、境内全体が回遊式庭園です。 山の斜面に建っているので、ほとんどフラットなところがないといってもいいぐらいです。何か所も急な石段がついていたりします。 そして、境内の一番高いところからは市街が一望できます。 (11月−5 了) |
Posted by
奥野 祥司
at 08:00
西山方面の紅葉も素晴らしいですね。十輪寺の禅衣観音・・予想外の読み方なのでITで検索したら、読み方の由来は知り得ませんでしたが、花山天皇自作の観音で天皇はこれを背負って巡礼したと解説されていました。遊龍松は凄い大きさなのに驚きました。詳しい旅行記を有難うございます。