CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
多摩丘陵にある日野市三井台、ここに住む高齢者のクラブ・三井台南窓会の会員が中心になって作っている団体ブログです。地元の季節毎の写真、南窓会の活動報告、会員の旅行記、俳句、地域の情報など、多様な記事が満載です。
<< 2019年10月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
荒川 健三
道央西部の旅(7) (10/14) 皆川
道央西部の旅(7) (10/12) 荒川 健三
巾着田彼岸花(2) (10/05) 荒川」健三
富良野&美瑛の7月(17) (10/05) ミセスミヤ
富良野&美瑛の7月(17) (10/05) ミセスミヤ
巾着田彼岸花(2) (10/05) 荒川 健三
富良野&美瑛の7月(15) (10/02) ミセスミヤ
富良野&美瑛の7月(15) (10/01) 荒川 健三
富良野&美瑛の7月(14) (09/29) 皆川
富良野&美瑛の7月(14) (09/28)
最新トラックバック
月別アーカイブ
今月の俳句(平成31年3月) [2019年03月24日(Sun)]
今月の俳句(平成三十一年三月)

  今月の兼題は「春光」「春色」です。句評は、藤戸紘子さん、今月の一句の選と評は、渡辺功さんです。

「見はるかす町燦々と春の色」
  宮ア 和子

s-21333967.jpg

春の色とは春らしい様子のことで春の季語ですが、具体的に何色かを表す言葉ではありません。見霽かすとは遥かに見渡す意で高みから遠くの街並みを眺めた折の印象を一句に詠まれました。厳しい冬がやっと去り春の明るく柔らかな日差しに包まれた町。そこには春の訪れを待ち侘びた人々の生活が活き活きと営まれています。また動物も植物も命の芽生え・再生の息吹が感じられます。春到来の喜びが句全体から立ち上っています。

「春寒や雨戸の開かぬ大屋敷」
  皆川 眞孝

s-9edbd9b8.jpg

春到来とはいえすぐには暖かくなるわけではありません。立春以降三寒四温といわれる気温の変動を経て次第に暖かい日が多くなります。春ともなれば閉め切った雨戸や窓を開け放ち、柔らかな春風を室内に入れたくなるのが自然な気持ちでしょう。しかし作者が見掛けた大きな屋敷は雨戸を閉め切ったまま人の気配もなく静まりかえっているという景が浮かびます。かっては人の出入りも多い大屋敷であったろうにと、作者の胸中には生々流転という四文字が過ったかもしれません。春寒の季語が効いています。

「せせらぎに触れむばかりの枝垂梅」
  皆川 瀧子

s-jonan12.jpg

皆さんご存知のとおり枝垂梅とは枝が垂れ下がった梅のこと。梅の花は楚々とした風情で気高い感じがしますが、枝垂梅はそれに加えて可愛らしさを感じます。例えれば高貴な姫君という風情でしょうか。せせらぎとは浅い瀬などを流れる音をいいますが、その小流れそのものをもいいます。その小流れの水面近くまで垂れた梅の枝、そよ風に微かに揺れているかもしれません。小川の傍の枝垂梅の景がありありと思い描くことができる丁寧な写生の句です。

「夕映えや三味線草を耳元へ」
  木原 義江

s-pennp@enn2.jpg

三味線草とはいわゆるぺんぺん草(春の季語)のこと。なずなともいいます。
莢(さや)の形が三味線の撥に似ていることから三味線草の別名があります。幼い頃、莢の部分を千切れない程度に引いてぶらぶらにし、それを振って微かな音に遊んだものでした。上五の夕映えにより、遊び疲れての帰り道、ぺんぺん草の微かな音を耳元で聞きながら家路についた遠いあの頃を思い出しました。
なずなやぺんぺん草ではなく、別名の「三味線草」と表現されたのが成功の鍵ですね。

「三代で飾る雛や昼深む」
  小野 洋子

s-hinakazari.jpg

この句の雛は「ひいな」と読みます。祖母、母、娘の三代で雛飾りをしている景。単に雛飾りを3人でしている景かもしれませんが、私はその家に伝わる古雛を丁寧に飾りつけている景を想像しました。雛は人形に違いありませんが、魂があるかのように思えるのは私だけでしょうか。女の子の成長を願うことが雛飾りの本来の目的でありますが、昔の常識では女の子は成長すれば他家へ嫁ぐ身、親としては生まれたその時から親元を離れるその日を思い、女の子への思いは特別なのかもしれません。
昼深むの措辞により味わい深い一句となりました。

「山笑ふ無口猪首の若棟梁」
  渡辺 功

s-touryou.jpg

思わずふっと笑ってしまった句。棟梁ですから大工のかしらです。概ね職人という人々は無口の方が多いように感じます。その棟梁が猪首であること、さらに若い人であることが何とも楽しいのです。二代目三代目でしょうか。遺伝としての猪首、無口であるという性格の遺伝、そして棟梁として稼業を継ぐ若者。そこに地道に真面目に生きる人々の清々しさが伝わってきます。山笑ふ(春の季語)は、冬季の山の寂しさ(山眠る)に対して春の芽吹きはじめた華やかな山を形容したものですが、この季語によりこれからの若い棟梁の活躍が期待できそうですね。

「花万朶栗鼠の尻尾の見え隠れ」
藤戸 紘子

s-thumb5.jpg

万朶(ばんだ)とは、多くの垂れ下がった枝の事を指します。この句は、咲き誇る桜の垂れた枝の間を、栗鼠(りす)がちょろちょろと跳ねまわっていて、尻尾(しりお)が見え隠れするという微笑ましい景を詠んだものです。素直な俳句に見えますが、「花万朶」の措辞により、沢山の枝に花が重そうについている様子を想像させ、また「尻尾」という具体的なものを出し、それが「見え隠れ」することにより栗鼠の素早い動きを表現していて、巧みな俳句だと感心します。この場面は、著者の創作ではなく、鎌倉の瑞泉寺(水仙で有名)でご覧になった実景とのことです。日本にも栗鼠がいる場所があるのですね。(評:皆川眞孝)

今月の一句(選と評:渡辺功)

鉄粉を浴びて線路のつくしんぼ」
  藤戸 紘子

s-160330-EOS60D-6891.jpg

つくしんぼの季節、京王線の踏切を渡る時、妻は「あのつくし、誰もとらなくて勿体ないね」といつも呟きます。妻は愛知県出身、当地ではつくしを摘むのは春の一大行事。あの頃の線路わきは柵もなく取り放題。土筆の袴をとるのは私の仕事でした。そして、土筆の卵とじ、佃煮と連日食事に並びました。
掲題句は、尾張の一角、国府宮の素朴な暮らしを懐かしく思い出させてくれました。名古屋鉄道の線路わきの住まいでしたから、今思えば鉄分を含む土筆を沢山食べていたのですね。この句によりはじめて気が付きました。線路わきの土筆を見て、鉄粉まで思いが至る作者に本当に感心いたしました。
「線路のつくしんぼ」。。。半世紀も前の高度成長萌芽期の自然豊かな、のんびりした日常が、鮮やかに蘇りました。この句に出会えたことに感謝いたします。(評:渡辺功)

兼題(春光)の句
「春光や子にはじめての背番号」
     渡辺 功
「春光の届かぬ銀座裏通り」
     渡辺 功
「春光や玉虫色の鴉の羽」
    藤戸 紘子
「春光や川面すれすれ小鷺飛ぶ」
   宮崎 和子


<添削教室>
原句「春光の注ぐ浅瀬や鯉潜む」 宮崎和子
「春光」は、春の風光、春の景色を意味する季語ですが、この句では「春の光」として詠んでいます。春の光を浴びて水温む季節の浅瀬に鯉を見つけた着眼点はいいのですが、「鯉潜む」という措辞では、鯉がじっとしている感じで、まだ水が冷たいのかなと思ってしまいます。ここを「鯉の影」とすれば、鯉が泳いでいる動きが出て春の様子がさらに伝わります。(藤戸紘子)
添削句
「春光の注ぐ浅瀬や鯉の影」
 宮崎 和子
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
この記事のURL
http://blog.canpan.info/nsk/archive/4261
コメントする
コメント
荒川様、藤戸様
  コメントを有難うございます。
  桜とリスの写真は、おっしゃる通り合成ではありません。実際にこのような景があり、写真にとられていたとは、探してきた私が驚いています。
 荒川さんのように、きちんと毎月俳句ブログを読んでくれる人がいると、張り合いがあります。
  皆川眞孝
  
Posted by:皆川  at 2019年03月24日(Sun) 22:17

荒川様
ブログアップとコメント、ありがとうございました。今月のブログは春の色に染まりました。私は子供の頃桜の魅力を理解できませんでした。チューリップとか向日葵とかはっきりした花を美しいと感じていました。しかし最近は桜の開花が気になり、咲けば雨が心配になり、散り初めると何とも寂しい気分になります。年を重ねるとは良いものですね。

皆川様
今月も渾身の作品を楽しませていただきました。ありがとうございました。どれも作品を引き立てています。私の栗鼠の句の写真はどう見ても合成ではない!ぴったりの写真をよく見つけられたものだと感心しきりです。野生の栗鼠を鎌倉で見た時は本当に驚きました。以前軽井沢の林で野生の栗鼠に出合ったことはありますが、鎌倉のような人の多い都市で見かけるとは、感動でした。

渡辺様
私の土筆の句への句評をありがとうございました。私の句によりお若い頃のことを思い出された由、大変嬉しく思いました。鉄分の多い土筆をご家族で摘まれたのでしょう。袴取りはけっこう面倒な作業です。それをご主人がせっせとされている景が浮かび、幸せなご家庭の一面を見させていただき、私まで幸せな気分になりました。
Posted by:藤戸 紘子  at 2019年03月24日(Sun) 12:17

皆川&藤戸さま
山笑う季節の到来、冒頭の句からして春がきた喜びが爆発している感じです。
皆様の精進の成果に敬意をはらいつつブログを楽しんでいます。

鉄粉を浴びたつくしんぼ・・・観察の鋭さに驚くばかりです、このような観察眼を持ちたいとつくづく思います。
「鯉潜む」と「鯉の影」で静から動へ・・勉強になります。
Posted by:荒川 健三  at 2019年03月24日(Sun) 09:42

プロフィール

三井台南窓会(日野市老人クラブ)さんの画像
リンク集
http://blog.canpan.info/nsk/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/nsk/index2_0.xml