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多摩丘陵にある日野市三井台、ここに住む高齢者のクラブ・三井台南窓会の会員が中心になって作っている団体ブログです。地元の季節毎の写真、南窓会の活動報告、会員の旅行記、俳句、地域の情報など、多様な記事が満載です。
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今月の俳句(平成29年3月) [2017年03月22日(Wed)]
今月の俳句(平成二十九年三月)

今月の兼題は「朧月」「朧夜」「」(春の季語)です。内容については、それぞれの句につけた藤戸さんの解説をお読みください。今月の一句の選と評は皆川瀧子です。

「里山は遠むらさきに朧の夜」
  渡辺 功

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春は大気中に水分が多いので物の形が霞んだように見えます。その状態を朧(おぼろ)(春の季語)と言います。また、里山とは人里近くにあって、人々の生活と結びついた比較的低い山のことで、昔なら薪を採取したり、炭焼きなどをしたものです。その里山が霞がかって夜には紫色に見える情景を詠まれました。遠むらさきの措辞により情緒ある雰囲気が醸し出されています。

「朧夜や湯殿の窓を少し開け」
  宮ア 和子

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朧夜(春の季語)とは朧月の夜の意。作者は湯殿の窓を少し開け、入浴しながら朧月夜を堪能されたのでしょう。ご長男の家族と同居されて三か月目。朧月をゆったり鑑賞されるゆとりを感じます。大病を乗り越えられた作者です。病も癒え心も生活も充実した日々を過ごされていることが句からも察せられます。

「飛び出せるシーサーの目や朧月」
  木原 義江

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シーサーとは沖縄で魔除けの為に瓦屋根にとりつけた焼き物の唐獅子像のことで、獅子さんの意だそうです。作者が沖縄に滞在された折、昼間には気付かなかったが、朧月に照らされたシーサーの目玉が飛び出しているのに気がついた。月光の当たった部分と影の部分の対比が鮮明ではっきり判ったそうです。やはり俳句に関わっていると注意力・観察眼が鋭くなりますね。

「春うらら健診結果は二重丸」
  皆川 瀧子

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私を含め会員一同、年齢的に健康が一番気になるところです。作者は年に一度の健康診断を受けられたのでしょう。結果は二重丸つまり異常なし。その帰路でしょうか。外はまさに春うらら、気持ちもうきうき、良かったですね。

「春光や朱色深まる見舞ひ花」
  皆川 眞孝

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作者は大手術を受けられ、今も療養中なのですが、南窓会会長の仕事、ハーモニカ、俳句のサークル活動を既に開始されています。周りははらはらしているのですがご本人は責任感の強い方で、じっとしていられないのかもしれません。
この句はお見舞いにいただいた花束を花器に移されたのでしょうか。春の光に映えて花の朱色が深まっていくのを写生されました。春光が日に日に強くなっていくにつれ術後の痛みが薄れますように祈っています。

「春昼やぽっぽぽっぽと鳩時計」
  小野 洋子

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鳩時計は説明不要でしょう。春の昼は明るくて暖かくてうとうとと眠気に襲われるようなのどかさがあります。そんな春昼という季語と鳩時計の取り合わせの句。春昼ののどかさと鳩時計の可愛いいぽっぽぽっぽと時を告げる音がよく響き合っています。ぽっぽぽっぽという音は何故か幼い頃の思い出を引き出してくれます。

「碇泊の沖の客船灯の朧」
    藤戸 紘子

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夜の横浜港でしょう。沖に豪華客船が碇泊しているのが見えます。その船の灯りが、ぼんやりと朧(おぼろ)に霞んでいます。単純な景のようですが、この句を読むだけで、ロマンチックな気持ちにさせてくれます。あの船は、どこから来てどこへ行くのだろうか?船客たちはダンスパーティでもしているのだろうか?それとも、豪華なディナーの最中かな?一度でもいいから、あの豪華客船に乗ってハワイや西海岸に行ってみたいな、等々。これも、「灯の朧」という措辞の効果で、全体にぼんやりした印象を与え、かえって私達にいろいろと想像の余地を与えてくれるからでしょう。(評―皆川眞孝)

今月の一句(選と評:皆川瀧子)

「囀りに振り向きもせず検針婦」
    渡辺 功


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春は一年中で一番小鳥の囀りが賑やかな季節です。(囀り=春の季語)
小鳥の囀りが聞こえると、思わず天を見上げてしまうのですが、この検針の女性はそんな囀りに振り向きもしないで熱心に仕事に没頭しています。電気かガスか水道の検針でしょうか? 仕事熱心のあまり、小鳥の囀りなんて全然聞こえないのかもしれません。
そういう検針婦の様子が目に見えるようですし、ユーモアが感じられる佳句だと思います。(評―皆川瀧子) 


他の兼題の句
「この町を隈なく包む朧かな」
    渡辺 功
「もう聞けぬ母の小言よ朧月」
   小野 洋子


添削教室
元の句「来年も会ふを願ひつ雛納め」  宮ア 和子
「雛納め」は3月に飾ったお雛様をしまうことで、春の季語です。お孫さんのお雛様でしょうか、片づけるときは、来年も元気に逢いたいという気になります。ただ、「会ふを願ひつ」がやや長い言い方なので、シンプルに「再会願ひ」と藤戸先生は添削しました。
添削句「来年の再会願ひ雛納め」
  宮ア 和子
Posted by 皆川眞孝 at 09:00
この記事のURL
https://blog.canpan.info/nsk/archive/3230
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コメント
荒川様、藤戸様
   コメントを有難うございました。
私の健康にお気遣いを有難うございます。手術の後、体力が落ちましたが、パソコンは有難いことに、あまり体力を使いませんので、なんとかブログは継続できます。
  瀧子の俳句は、私の事ではなくて、本人の事だそうです。私はまだまだ二重丸どころか今までのレベルまでにも戻っていません。
皆川眞孝
Posted by:皆川  at 2017年03月23日(Thu) 17:26

藤戸様
Posted by:渡辺功  at 2017年03月23日(Thu) 11:12

荒川様
俳句のブログアップをしていただき、ありがとうございました。ご自身のブログアップだけでも大変でしょうに、本当に恐れいります。
今回は兼題のせいか季節のせいか全体的にほんわかした印象の句が多かった気がします。荒川様がおっしゃるように瀧子さんの句、私もご夫君の検診だろうと思いました。が、句に夫の文字が無いので、敢えてご自身のことと解し、コメントを書きました。というのは、一般の読者は句で表現されたことしかわかりませんし、評は句のみでコメントを書きます。あとは読者の想像におまかせします、という世界ですから、作者の意図と違った解釈、鑑賞も大いにありえます。まあ、自由な世界といえるかもしれません。

皆川様
ご回復に向かわれているとはいえ、まだ充分に元通りとはいえない体調なのに、例月どおりの芸術的かつ創造的な写真やイラストをありがとうございました。朧月は真に朧月らしいですね。
イラストの工夫には毎回恐れ入っています。どうぞお大事にお過ごしくださって、これからのご健吟を期待しています。
Posted by:藤戸 紘子  at 2017年03月22日(Wed) 21:35

皆川・藤戸さま
このブログをみると皆川会長がつい最近大病を患ったと思う人は誰もいないでしょうね。順調なご回復を喜びたいと思います。
朧が春の季語とはストレートに理解できます。久しぶりにポカポカ陽気に接すると考えることが億劫になり朧気になります。
瀧子さんの句は、自分のことではなくご夫君のことを詠んだのではと思いました。
Posted by:荒川 健三  at 2017年03月22日(Wed) 09:49

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