「半就労半福祉」の選択肢
[2017年01月11日(Wed)]
「半就労半福祉」という言葉が気になっています。
2008年末に「年越し派遣村」の村長になった湯浅誠氏
(元内閣府参与)が、高鍋町で講演した時に、会場で
配付された資料にありました。
〇「みんなの学校」と湯浅誠さんの講演
毎日新聞の連載の記事を、詳しく紹介します。
(一部要約、個人の感想)
「くらしの明日」(私の社会保障論)という特集で、
「生活保護以外の安全網を」というタイトルの記事です。
「半就労半福祉」の選択肢も
生活保護受給者が200万人を超え、法施行直後の
最高値を超えるのも時間の問題と言われている。
集計上「その他」世帯が急増しており、リーマンショックの
あった08年以降、約8%から16%に倍増している。
「高齢」「傷病」「障害」「母子」以外が「その他」で、
一般には「稼働層(働ける層)」とも言われる。
「働ける人が生活保護なんて…」と眉をひそめる人も少なく
ないし、本人も「できることなら生活保護を受けずに生活
したい」と望む場合が多い。どうすればいいのか。
かつては、生活保護受給者の4割を稼働層が占めた時期も
あった。それを解消したのは高度経済成長だった。
65〜70年に5年間続いた「いざなぎ景気」で雇用者所得は
1.7倍に増えた。しかし、市場原理の強いグローバル化で、
それはもう起こらない。
02〜07年に同じく5年間続いた好景気の際、雇用者所得は
増えるどころか微減だった。
最低賃金でフルタイム働いても、18歳の生活保護受給額にも
及ばない県が9つもある。
「雇用さえあれば」と言われるが、雇用があっても生活保護に
至らざるを得ない人たちが増えている。だから「ワーキング
プア」と言う。
日本の特徴は、失業率と生活保護受給率が連動する点にある。
自殺者数も失業率と連動する。
「働く場がなければあたりまえじゃないか」と思うとしたら、
その間隔こそが生活保護や自殺を増やしていることに自覚的に
なるべきだ。
セーフティネットは生活保護だけではない。失業保険もあれば
年金もある。生活保護の手前に多様なセーフティネットが
あれば、生活保護や自殺は、失業率と必ずしも連動しない。
また、失業保険受給中に職業訓練を受けて次の仕事に備える、
老齢年金をもらいながら嘱託で働く、
障害者年金をもらいながら作業所で働く、
という合わせ技(「半就労半福祉」とも言う)もある。
良くも悪くも「雇用しかない」という社会では、雇用を失った
途端にすべてを失う。それは、ある意味では失業等のリスクに
備えがない、トラブルに弱い社会だ。
「その他世帯」の4割は世帯主が60代、70代になっている。
「雇用だ」と叫べば解決するのか、冷静な判断が必要だ。
「雇用」と「生活保護」の間に、合わせ技も含めた
多様な選択肢があるべきではないか。
「合わせ技も含めた多様な選択肢」は、地域福祉に関わる
行政、社会福祉協議会、NPO、当事者が、それぞれの立場で
提案し、連携する流れをつくることで生まれると思います。
2008年末に「年越し派遣村」の村長になった湯浅誠氏
(元内閣府参与)が、高鍋町で講演した時に、会場で
配付された資料にありました。
〇「みんなの学校」と湯浅誠さんの講演
毎日新聞の連載の記事を、詳しく紹介します。
(一部要約、個人の感想)
「くらしの明日」(私の社会保障論)という特集で、
「生活保護以外の安全網を」というタイトルの記事です。
「半就労半福祉」の選択肢も
生活保護受給者が200万人を超え、法施行直後の
最高値を超えるのも時間の問題と言われている。
集計上「その他」世帯が急増しており、リーマンショックの
あった08年以降、約8%から16%に倍増している。
「高齢」「傷病」「障害」「母子」以外が「その他」で、
一般には「稼働層(働ける層)」とも言われる。
「働ける人が生活保護なんて…」と眉をひそめる人も少なく
ないし、本人も「できることなら生活保護を受けずに生活
したい」と望む場合が多い。どうすればいいのか。
かつては、生活保護受給者の4割を稼働層が占めた時期も
あった。それを解消したのは高度経済成長だった。
65〜70年に5年間続いた「いざなぎ景気」で雇用者所得は
1.7倍に増えた。しかし、市場原理の強いグローバル化で、
それはもう起こらない。
02〜07年に同じく5年間続いた好景気の際、雇用者所得は
増えるどころか微減だった。
最低賃金でフルタイム働いても、18歳の生活保護受給額にも
及ばない県が9つもある。
「雇用さえあれば」と言われるが、雇用があっても生活保護に
至らざるを得ない人たちが増えている。だから「ワーキング
プア」と言う。
日本の特徴は、失業率と生活保護受給率が連動する点にある。
自殺者数も失業率と連動する。
「働く場がなければあたりまえじゃないか」と思うとしたら、
その間隔こそが生活保護や自殺を増やしていることに自覚的に
なるべきだ。
セーフティネットは生活保護だけではない。失業保険もあれば
年金もある。生活保護の手前に多様なセーフティネットが
あれば、生活保護や自殺は、失業率と必ずしも連動しない。
また、失業保険受給中に職業訓練を受けて次の仕事に備える、
老齢年金をもらいながら嘱託で働く、
障害者年金をもらいながら作業所で働く、
という合わせ技(「半就労半福祉」とも言う)もある。
良くも悪くも「雇用しかない」という社会では、雇用を失った
途端にすべてを失う。それは、ある意味では失業等のリスクに
備えがない、トラブルに弱い社会だ。
「その他世帯」の4割は世帯主が60代、70代になっている。
「雇用だ」と叫べば解決するのか、冷静な判断が必要だ。
「雇用」と「生活保護」の間に、合わせ技も含めた
多様な選択肢があるべきではないか。
「合わせ技も含めた多様な選択肢」は、地域福祉に関わる
行政、社会福祉協議会、NPO、当事者が、それぞれの立場で
提案し、連携する流れをつくることで生まれると思います。