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「精神疾患の親を持つ子ども」 夏苅郁子氏の宮崎講演 [2017年04月10日(Mon)]
 4月6日のNHK Eテレ WEB連動企画チエノバは、
「精神疾患の親を持つ子ども」で、ゲストは夏苅郁子氏でした。
見逃した方は、13日(木)の再放送を録画してください。

WEB連動企画チエノバ(NHKホームページ)

 夏苅医師は、昨年10月の宮崎県精神保健福祉大会の特別講演
の講師でした。内容は「心の健康」71号に掲載されています。

「心の健康」(宮崎県精神保健福祉連絡協議会HP)

 すぐ読んでほしいので、全文を転載します。

〇家族として
 私の母親は、23 歳で発症。その後、私が生まれ、78 歳で
亡くなりました。精神疾患の親に育てられた子どもの生活は
壮絶でした。朝から雨戸を閉め切った部屋には、煙草の煙が
充満し、不衛生、不健康な環境でした。

 私は、子どもの頃、よく病気をしましたが、医者には行かず、
細菌性髄膜炎で40度を超える高熱が続いて錯乱状態になった時、
ようやく病院に連れていってもらえたこともありました。 

〇当事者として
 医学生の頃、私は発症しました。飲む拘束薬と言われた薬も
飲みました。すごい副作用で、学業どころではなく、ゴミ箱に
薬を全部捨てて、主治医の大学教授に怒鳴られました。

 精神科の通院で、哀しい思い出があります。研修医時代、
すごく元気になった時、大学で、教授にかけよったら、
開口一番、薬をちゃんと飲んでいるだろうなと言われました。
薬の前に、元気かと聞いてほしかった。自分は、薬を飲むのが
一番にくる人間なのかと哀しかった。

〇医師として
 母親が亡くなって2年後、中村ユキさんの漫画を見て、実名
公表を決意します。漫画家が公表しているのに、精神科医の
自分がという思いで、本を出しました。当事者、家族であること
を公表して、精神科医である立ち位置が大きく変わりました。

〇医師・家族・当事者の病識は違う
 病識という言葉は、医師、家族、当事者で、同じではないと
思います。

医師の望む病識は、ハードルが低い。薬をキチンと飲んで、
定期的に通院していれば、病識があると考えます。

家族の病識は、最もハードルが高い。親亡き後を考えるからで
す。服薬、通院は当然で、働いて自立するのが家族の病識です。

当事者の病識は違います。認知障害の問題のほかに、症状とか
ではなくて、本人の生き方があります。幻覚、妄想があっても、
どこも悪くないと思う場合もあります。長い時間をかけて、本人
なりの受け止め方をするようになるのが、当事者の病識です。 

〇あきらめないためにできること
 当事者、家族、医者がわかりあうのは難しい。でも、あきらめ
ないために、できることがあります。

 家族は、世間体や常識で当事者を追い詰めますが、多くの当事
者、家族が語り部として伝え始めたことで、理解が進みます。
当事者は、語る心の準備ができたら、自分の気持ちを語って
ください。知ってもらわなければ、支援は広がりません。

 薬や治療の疑問を、担当医に遠慮なく聞くことも、わかり合う
ために、できることです。当事者、家族、医師が、対等に話し
合えることを願って、「質問促進パンフレット」(東大精神科
ホームページからダウンロードできます。)をつくりました。
「私の正式な病名は何ですか?」
「病気の原因は何ですか?」
「私の病気は治りますか?」など、50 項目の質問例があります。

〇家族ができる工夫
 発達障害は、社会的適応には不都合な脳です。統合失調症も脳
の不調と考えられます。家族は、目標や予定を自分の脳で考えず
に、先々に不安を持ちやすい当事者の脳で考えてほしいと思いま
す。 

〇医師とのつきあい方
 患者、家族、医師は、精神医療の運命共同体です。ちょっとし
たことでいいので、こんないいことがあったと、医師に話しま
しょう。医師の気分が晴れやかになり、よしやろうかという気に
なります。

 質問促進パンフレットを使って、あきらめずに、感情的になら
ずに聞きましょう。わかってくれる医師の数を増やし、患者の
実生活に役立っている活動を具体的に伝えましょう。

 いくつになっても、人が回復するのに、締め切りはありません。
私は、自身の体験や家族会の方の話を聞いて、そう思います。
いつか、薬や治療法の開発でも、当事者や家族の意見が通る
ように、橋渡しをしたいと思っています。

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