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米国最先端のリーダーシップ開発!現場の直感を磨く「マインドフルネス・イン・アクション」とは。――NPOアカデミー講師:世羅侑未さんインタビュー [2014年11月27日(Thu)]
米国最先端のリーダーシップ開発!現場の直感を磨く「マインドフルネス・イン・アクション」とは。――NPOアカデミー講師:世羅侑未さんインタビュー

聞き手 / NPOサポートセンター 笠原 孝弘


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リーダーシップの秘訣はマインドフルネスにある

「マインドフルネス」のイベントを日本でやることができることはとても嬉しいです。マインドフルネスは、最近では教育、医療、経営と様々な分野で世界的に注目されています。リーダーシップ・トレーニングとしても、Googleやインテルなど米国IT企業を中心に実践されてきています。パフォーマンスの向上やストレス対策などの効果が明らかになってきており、NPOリーダーやスタッフなど、ソーシャルチェンジに取り組む人たちにも必ず役に立つトレーニングです。

私は、あらゆる状況において物事をうまくいかせる秘訣は、シンプルに二つ、1. 自分が何をしたいのかという気持ちを分かり、2. 素直に行動できる、ということだと思っています。組織におけるリーダーシップという意味でも、人生、人間関係においても。このシンプルな秘訣を伝えたい、と思い始めたのが2年前でした。当時は、私自身マインドフルネスという言葉も良く知らず、上手く説明することができなかったんですけどね。

現在ではNHKや書籍、雑誌等で特集されるようになり、こうして日本でみなさんと一緒に学べる場がいよいよあると思うと、とっても嬉しいです。

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「いま、ここに存在する」ことで直感を生み出すトレーニング

自分が、いま、何を感じているのか。もう一歩耳を澄ませて、「本当は」、何を感じているのか。自分の身の回りでは(仕事、生活では)、いま、何が起こっているのか。

こうして自分の外側と内側の両方に耳を研ぎ澄ませることが、適切なタイミングで適切な直感を生むことにつながります。目に見えるものだけを見るのではありません。耳を研ぎ澄ます、という感覚。状況を目で見て、動作として出来事を認知したら、その次の段階として、耳を傾ける、というイメージです。ひとつひとつ出来事や動作の奥にどんな意図や感情が隠されているのかを、静かに、感じようとしてみます。

今回私が主に担当するのは、12月7日(日)の2日目の前半セッションです。「ボイス・インプロビゼーション」というワークを通して、マインドフルネスの訓練をします。私が行うボイス・インプロビゼーションの1番の目的は、自分の体の内と外の2つの領域に同時に耳を傾けることです。(1)いま、身の回りで起きていることを感じ取れている状態。(2)いま、自分の体の中で起きている状態。この2つを全く同時に感じることが、実は、やってみるととても難しいんです。

ワークでは、参加者同士で丸くなり、自由に音(声)を奏でます。意識を張る点は2つ。周りの音をすごく聞くこと、そして同時に、気持ちよく自由に声を出すこと。つまり、周囲の音を感じ、感化された感情をすぐにアウトプット(声で表現)する訓練です。

実際にやってみると何が難しいかというと、周囲へよくよく耳を澄ませることに意識を張っていると、自分自身の表現の方を忘れることがあります。逆も然り。自分の感じたことを自由に表現すること熱中していたら、今度は周りの音を聞けていなかったりします。あれ、どっちもやるって難しい、と気付きます。

これって、毎日の生活や仕事においても起きていることなんです。例えば会議中に、その様子をただただ俯瞰することに集中してしまうと、自分自身の感情が存在していないので、いざ意見を言えなかったり。逆に、このアイディア・意見を通したい!と夢中に表現すると、今度は周囲の人の表情や感情、または時間を見失う。どちらも、マインドフルとはいえない状態です。

時も、状況も、周囲の人の感情も、常に動いています。それを常にキャッチする。また、自分の内面も動いている。それも常にキャッチする。物事や自分が動いている最中にこそ、マインドフルであれるための訓練。現場における、マインドフルネス。それが、マインドフルネス・イン・アクションです。ただこれが出来るだけで、つまりマインドフルな状態で在れるだけで、自分が変わり、チームや人間関係が変わり、そして起こる未来が変わります。

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マインドフルネス・イン・アクションで、私がボイス(声)を使うのには理由があります。例えばマインドフルネスの基礎トレーニングである瞑想と、ボイス・インプロビゼーションの1番の違いは、表現をするかしないか、という点です。表現の中でも、私が「声」に注目するのは、身体にバイブレーションが起きる点にあります。

いま感じていることを、声にする過程で、身体にバイブレーションが起きます。このバイブレーションで揺すられて、その感情が身体の中でどんどん解放されていきます。つまり、いまの感情に気付くというだけではなく、さらにその存在を大きくする効果があるのです。

この訓練を続けていくと、だんだん、素直に「感じること」と「行動すること」が結びついてきます。「いま、感じている」ことは、それがポジティブでもネガティブでも関係なく、「いま、動く」ためのエネルギーなのです。つまり、自分の中の素直な感情が体内で存在感を増せば増す程、マインドフルな決断や行動が自然についてきます。訓練によりどんどん、どんどん、そこに時間差がなくなっていきます。私がこれを、直感のトレーニングと呼ぶ理由はそこにあります。


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「マインドフルネス」は、潜在的なクリエイティビティを高める

NPOのリーダーにも、きっと役に立つと思います。社会問題との闘いの中で、前例のない分野を切り開いていかなくてはいけない立場に居られる方々だからこそ。このトレーニングは、たくさんの責任、プレッシャーを抱えている人の助けになると思います。個別の問題をひとつひとつ解決するという手法ではなく、一度地に足をつけることで、まずはいま最も優先順位の高いものに気づきます。そして未来に起きて欲しいことを、包括したイメージとして描きます。そのイメージの中に、結果的に全ての個別の問題の答がある、といったプロセスを体験して頂けると思います。

こうして、マインドフルネスを鍛えることで、人がそもそも自分の中にもっている能力(クリエイティビティ、イマジネーション、想像力)をもっと活かすことができたらと思っています。世の中には様々な戦略の知恵や、デザイン思考などのフレームなどが存在しています。そういった素晴らしい知恵を、あらゆる場面において絶対的に適用するのではなく、自分自身の直感や想像力を少し補完するツールとして使えたら、より生きた知恵として現場で活かせるのではないでしょうか。

マインドフルであることが、人のクリエイティビティを高めるということが、現在では科学的に証明されています。この関係性は、イメージしにくいかもしれないですが、例えば皆さんにとっての親友や恋人を想像して頂くと、心当たりがあるかもしれません。相手に対する愛情(自分の感情)がとても鮮明で大きいと、いつもその人が何を欲しているか、どんな状態かを察しようとします。すると、「きっと、いま、電話してあげた方が良さそうだな」等といった直感が生まれます。

実際に電話すると、まさに「いま、誰かに話を聞いてもらいたかった」と、グッドタイミングであったりしますよね。そこにあるのは本で読んだ戦略ではなく、相手の状況の認知と、自分の感情の認知と、そこから生まれた行動のイメージと、それが湧いた瞬間に思わず動いてしまった身体、といったかんじですよね。これが、マインドフルネスとクリエイティビティの繋がりです。

周囲の状況に耳を研ぎ澄ませ、自分の内側にも耳を研ぎ澄ませ、湧いた感情と身体(表現)を繋ぐトレーニングをすることで、気持ちよく望む結果を導いていく体験を、多くの人に味わってもらえたらいいなと思っています。


sera2.jpg世羅 侑未(Mindfulness In Action 代表)

「いま、ここに存在する」ことで直感による瞬時の行動を生み出すトレーニング、Mindfulness In Action(http://serayumi.wordpress.com/)を創設。シアトルにて現地の社会人を対象に直感的リーダーシップのトレーニングを実施、その内容を書籍に寄稿し2015年米国にて出版予定。2014年に帰国し、現在、慶應義塾大学4年生。



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