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ずっと残る形で、地域情報の「いいね」を記録する。栃木県足利市のWebマガジン「あしかがのこと。」――NPOアカデミー講師:山田 雅俊さんインタビュー [2014年09月05日(Fri)]
ずっと残る形で、地域情報の「いいね」を記録する。栃木県足利市のWebマガジン「あしかがのこと。」――NPOアカデミー講師:山田 雅俊さんインタビュー
聞き手 / NPOサポートセンター 笠原孝弘

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つまらないと思っていた地元で、おもしろい人たちと出会えた

今でこそこのような活動をしている私が、地元の魅力に気づいたのは大人になってからです。私が10歳の頃に 足利市の人口はピークを迎え、その後はだんだんと減っています。隆盛を極めていた繊維産業は衰退し、大人たちが口にする「昔は良かった」を聞きながら育ちました。足利と東京は意外と近く、特急で2時間掛からないこともあり、10代の頃は早く東京に出たかった。実際、東京の企業へ就職し、結婚・出産を機に地元足利へ帰ってきた時には「また東京に行きたい」と思っていました。

足利市のツイッターユーザーと リアルに出会う場「オフ会」を開催した時に、自分の知らない地域の情報はこんなにあるのだという気づきを貰えました。地元がつまらないのは、実は自分が地元の楽しいことやおもしろいことを知らないだけなのかもしれない。そしてそれは、他の「足利はつまらない」と言う人にも当てはまるのかもしれない。だとすれば、地域の情報をもっとたくさんの人が知る仕組みを作れば、自分のように「足利に住んでいて楽しい」と思える人が増えるのではないかと考えました。

オフ会で会った人たちと団体を作り最初に始めたのが『足利テレビ』というインターネット放送局です。当時生中継ができる動画配信サービス「Ustream(ユーストリーム)」が日本語化され、国内のユーザーが増えてきていました。足利テレビでは、週に1回 約30分の生放送で地域情報を配信しました。

普段何気なく見ているテレビ番組を実際自分でやってみると、専門知識の必要性と経験のなさを実感しました。視聴者からの声を聞くと、素人が作る30分の生放送番組を全部見て貰うことは難しい。 できる限りの工夫や改善をしながら100回までほぼ毎週放送を行い、いまは月1回ペースで配信しています。

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自分たちでテレビ局をやったからこそ分かったこと

足利テレビを運営する中で、インターネットにおける地域の活字メディアの重要性を痛感するようになりました。理由は大きく2つあります。一つ目は足利と既存メディアに「ズレ」を感じていたから。地域メディアの記事は県庁所在地である宇都宮中心になりますが、足利は栃木県と群馬県の県境にあるため、物理的にも心理的な距離的にも宇都宮中心のニュースには興味が薄くなりがちです。足利発のネットの活字メディアの重要性を感じました。

二つ目はメディアでとりあげた情報をずっと残したかったから。新聞社のホームページに掲載される記事の期限は無期限ではなく、3ヶ月程度です。どこかのホームページやブログから記事へアクセスしても掲載期間が終了しているため、閲覧できないことが多々ありました。Webマガジンなら発信した情報は蓄積され、活動を続けていけばそれが膨大なアーカイブとなり、地域資源の検索エンジン対策につながるのではないかと考えています。

足利テレビを始めてすぐにこれらのことに気づき、Webマガジンをやりたいと思っていましたが、システムの運用面での手間から手を出しませんでした。人とのつながりの中で、Webマガジン発行サービス「Publishers(パブリッシャーズ)」に出会い、2012年3月に『あしかがのこと。』を創刊しました。
※Publishers(パブリッシャーズ):http://publishers.fm/


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この町に住んで良かったと思える情報を伝えたい

「足利は何もない、つまらない。」足利に住んでいる人々はこの言葉をよく口にします。けれど情報を発信する側になってみれば、足利には他の街にはない誇れるもの、楽しいことがたくさんあることがわかります。『あしかがのこと。』は、足利の良さに気づくきっかけとして、存在感を高めていきたいのです。

市民一人ひとりの気持ちが「足利には何もない」から「足利に住んで良かった」へと変化すれば、この街で起きていることを自分事として捉えやすくなるはずです。そのような市民が一人でも多く増えることで起こる化学変化、地域の可能性を広げたいと思っています。

フルタイムスタッフ0 の環境でWebマガジンを月2回発行しています

『あしかがのこと。』発行責任者としての私の仕事は、Webマガジン運営の環境づくりや人を繋ぐことです。

コムラボは専従職員が一人もいないNPO法人です。人もお金も限られる状況の中で月2回Webマガジンを発行できる環境、仕組みづくりを試行錯誤してきました。例えば、日々の連絡とタスク管理等のコミュニケーションには無料のITツールを組み合わせて運用しています。最近はフェイスブックグループで社内コミュニケーションをとっている団体も多いと思いますが、どんなツールにもメリットとデメリットがあります。様々なツールを比較検討する中で、今はチャットワークとサイボウズLiveを使っています。

『あしかがのこと。』編集部はIターンもしくは、Uターンのメンバーで構成されています。中でも 仕事で編集経験をしてきたメンバーが編集長を担当していることが大きな力です。足利周辺には大きな工場や研究所があるので、地方から地方へのIターン者もいます。記者は20代から50代まで幅広く、多様な職業の人々が発行に関わっています。

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大手メディアが追いきれない地域の一次情報を届ける

多様なメンバーが集まり、上手く運用し始めているところで、情報発信の新しい切り口も見えてきました。40代のメンバーが元野球部のOBのつながりを活かして、「野球×足利地域情報」の記事をいくつも書いています。都市対抗野球大会本戦に、社会人野球のクラブ「全足利(オールアシカガ)」が36年ぶり2回目の出場、映画『バンクーバーの朝日』のロケ地として「足利×野球」は盛り上がっています。

特に、映画『バンクーバーの朝日』に関する記事は今までにない反応がありました。主演が有名タレントということもあり、マガジンを発行したとTwitter上でツイートすると驚くくらいのリツイートを頂けました。これまでであれば新聞の地方欄に掲載されるだけのニュースが、『あしかがのこと。』で記事を書くことにより、映画に関わっている方々を広く紹介し、より詳細な情報を提供できたのです。ファンの皆さんとロケ地「足利」をつなぐことができました。地域の情報発信や集客に貢献できていると実感しつつ、いままで全くリーチできていなかったところに、足利の情報が届く可能性が見えてきています。

市民が市民のために発行する参加型のWebマガジンは、行政や企業が発信する従来のカタチとは異なる地域情報の共有ができると思っています。様々な人が関われる仕組み作り、無理なく続けられる方法をコムラボはどんどん外に出していき、色々な地域でも発行してもらいたいと思っています。

地域の情報発信をこれからやりたい方。既にやっていて悩んでいる方。色んな人を巻き込みながら発行していきたい方。とにかく地域のWebマガジン発行してみたい方、地域の情報発信をしてみたい方にぜひお越しいただけたらと思っています。

講座終了後、参加者限定先着5名様に、地域メディアの立ち上げ、運営の個別相談もインターネット電話(スカイプやハングアウト)でお受けいたします。ぜひご相談ください。

▼栃木県足利市の地域情報サイト「あしかがのこと。」
http://www.ashikaga.life/


山田雅俊_web.jpg山田 雅俊(NPO法人コムラボ 代表理事 / 「あしかがのこと。」発行責任者)

栃木県足利市出身。地域情報を月2回お届けするWebウェブマガジン「あしかがのこと。」発行人。この他にNPO法人コムラボは、インターネット放送局「足利テレビ」、コワーキングスペース「SPOT3」を運営。20年後に「足利に住んでてよかった」と思えるよう、今できることをしたいという考えから、地域のヒト・コト・モノをつなげて、つたえて、つくりだすための活動に取り組む。



NPOを熟知した多様な講師・実践者に出会える、
「NPOアカデミー」を開校中。お好きな講座をお選びください。

(講座紹介WEBサイト⇒) http://www.npo-sc.org/npoacademy/index.html
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