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ETIC.のもののけ姫が大切にしていること。“社会に対して生み出したい変化”がはっきりしないメディア運営は意味がない。――NPOアカデミー講師:田村 真菜さんインタビュー [2014年08月19日(Tue)]
ETIC.のもののけ姫が大切にしていること。“社会に対して生み出したい変化”がはっきりしないメディア運営は意味がない。――NPOアカデミー講師:田村 真菜さんインタビュー

聞き手 / NPOサポートセンター 笠原孝弘

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生活の中で触れてきた、人間社会の問題を表現したい

私は12歳までほとんど義務教育を受けていません。小学校で習う内容は、親から幼い頃に教わっていたのですが、日本では飛び級などはできないため、小学校にはあまり行きませんでした。家で好きな勉強をしたり、動植物を育てたりする生活でしたが、母が看護師だったことや、児童養護施設や障がい者の通う授産施設が家の近くにあったことなど、いろいろな社会課題に触れる機会が、今思えば多くありました。

10歳の時には、母と妹と野宿で日本一周をして、駅前でホームレスの人たちと一緒に寝たりしながら、どういった視線を浴びせられるかなどを肌で知りました。私自身、一般とは違う育ち方をしていることで、謂れない批判を受けることも多く、マイノリティの立場にある人に深く共感していました。こうした子ども時代の経験が、NPOで仕事をしていることと繋がっていると思います。

大学ではメディアコミュニケーションを専攻し、社会運動のフィールドワークをしたり、社会課題の報道での扱い方などを研究しながら、社会課題に対する当事者意識を、メディアを通して喚起できないかと考えていました。

勉強と並行して、大学1年生の頃から、NTTレゾナントでポータルサイト「goo」のニュース編集に携わりはじめました。同時に、社内での企画をスピンアウトさせて、当時の上司と一緒に、若手社会人や学生にジャーナリスト教育を行う団体を立ち上げました(現・日本ジャーナリスト教育センター)。そこで、学生運営委員長を3年ほど務めています。

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その後、2011年に震災が起き、情報発信スキルを活かしてできることをやろうと、各地のボランティア募集情報をまとめたwikiサイト作りを震災翌日から手伝い始めました。そのまとめサイトが、復興支援情報サイト「助けあいジャパン」や「ボランティアインフォ」の原型となっています。

また、ちょうど同時期にNPO法人ETIC.では右腕派遣プログラムを開始しており、「みちのく仕事」の立ち上げ・運営を担う人手を探していました。自分のこれまでの情報発信スキルが活かせるかなと、NPO法人ETIC.に参画したのはそこからです。

そうした学生時代の情報発信・メディアの分野での経験を通して、感じている問題意識がありました。“いい記事”を発信し、「この社会問題はどうにかしなければならない」と読者に思ってもらっても、その先につながる導線が少なく、共感で終わってしまうことです。ボランティア参加や寄付など、何かしら行動に繋がる情報がもっとあったらいい。共感から、その先の行動までの情報をデザインすることが必要だ。

そうした仮説が、東北の仕事を紹介する「みちのく仕事」や、ソーシャルビジネス・NPO・ベンチャーに特化した求人サイト「DRIVE」の立ち上げに活きているのではと思います。


ソーシャル分野に人材を動かす、求人サイト「DRIVE」とは

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求人サイト「DRIVE」は、NPOやソーシャルな分野で働きたい人と、社会課題解決の現場で一緒にとりくむ仲間を求めている団体を、マッチングさせるサービスです。2014年3月で1周年を迎え、月間10万ページビュー、求人掲載数140件、エントリー率85%、マッチング率40%まで成長しました。

今年の8月にはソーシャルな事業を創りたい人向けの人材バンク「RUNWAY」β版もリリース。”ソーシャル分野に、日本の若手人材をもっと流入させていく“ことを、目指しています。

私の普段の仕事は、「DRIVE」運営の全体ディレクションや営業、メディア向けの記事執筆やボランティアライターの記事校正などをはじめ、ETIC.の年次報告書づくりや全体の広報物作成・ブランディングなども担当しています。

もちろん自分で全てはできませんので、団体内の意見を整理しながら目指す理想像を固め、外部の各分野のプロフェッショナルの力を借り、企画を実現させることを大切にしています。ブランディングのプロに相談しながら、カメラマンやデザイナーと一緒に広報物を作ったり、一流の方々のスキルに触れられることは、大きな刺激になります。SEOやソーシャルメディアの専門家の話を伺ったりすることもあります。

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今回の講座では、詳しいテクニックに関しては第1回の笠原さんや、一緒に事例登壇するトジョウエンジンの佐藤さんの方が専門家だと思うのでお任せしたいと思っています。私からは、社会に対して生み出したい変化をはっきりさせてから、ソーシャルメディア運用やメディア運営をすることの大切さをお伝えできればと思います。求人サイト「DRIVE」だと“人材を動かすこと”です。それが達成されなければ、ただでさえ工数を抱えがちなソーシャルメディア運用やブログ運営は意味がありません。


あなたのメディア、ブログでしか作れない記事は何か

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人材募集記事を掲載する「DRIVE」は、いいねをしたり、バイラル(拡散)しづらいという問題があると思います。人材募集記事をいいねしたり、仕事中にパソコンで見ていることは、「この人は転職するのでは」というイメージをまわりに持たれかねないデメリットがあります。東北の仕事を紹介する「みちのく仕事」も同様でした。

まずは入口として関心を持ってもらうコンテンツ作りを意識し、求人サイトと並行して、「DRIVE」ブログを運営しています。例えば働いている人のインタビュー記事なら、いいねやバイラルする可能性が十分あります。

ブログでは、“「DRIVE」でしか作れない記事”をとても意識しています。ライターとして活躍している人たちはみな、NPOで実際に働いていたり、関わっていたりする人です。しかもその人たちが楽しんで書いている。ソーシャル分野の情報サイトやメディアはかなり増えてきましたが、NPOで働いていない人が書いているものも多いと感じています。もちろん業界外からの客観的な意見や、イメージが良くなる記事が沢山あることは大切だと思う一方で、「DRIVE」ブログはもっと深く、実際にETIC.や他のNPOで働いている人ならではが書く、ここにしかない情報を発信したいと思って運営しています。

メディア、ブログ設計は早めに取り組むことをおすすめします。こんな人にぜひお越しいただきたいと思っています!

・なんとなく上司から情報発信をやれと言われて困っている
・効果の高い情報発信をしたい
・メディアの目標設定に迷っている
・通常の仕事も情報発信手段もいっぱいあって何から手を付けていいかわからない



▼DRIVE | ソーシャル・NPO・ベンチャー 求人情報
http://www.etic.or.jp/drive/
▼RUNWAY | 20代・30代向けの人材バンク登録サービス
https://www.etic.or.jp/drive/runway


田村真菜_web.jpg田村 真菜(NPO法人ETIC. メディア担当)

国際基督教大学卒。国内大手ポータルサイトのニュース編集や、(一社)日本ジャーナリスト教育センターの立ち上げなどを経て、311後にNPO法人 ETIC.に参画。2013年春より、ソーシャルビジネス・NPO・ベンチャーに特化した求人サイト「DRIVE」立ち上げに携わる。他、ETIC.のブランディング・マーケティングなどを担当。


NPOを熟知した多様な講師・実践者に出会える、
「NPOアカデミー」を開校中。お好きな講座をお選びください。

(講座紹介WEBサイト⇒) http://www.npo-sc.org/npoacademy/index.html
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